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お嬢様、大丈夫でございますよ。  作者: キテレツ3951
おばあさまのお話
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プロローグ5

魔王が部下に集めさせた情報によると、怪物バケモノは連合軍が、人が立ち入ってはいけない森に封印したとされていました。


魔王たちがその森に行くと、その森はもはや、人が入ったら二度と出られない森ではなく、人が入れない森になっていました。


入ろうとすると毒を持った植物や、鋭いトゲを持った植物などが攻撃をしてくるのです。


これでは一般人どころか魔族でも入れるか怪しい。


しかし、魔王は特別で、魔王が選んだ少数の魔族たちも特別のうちに入ります。


魔王たちはこの攻撃を難なく対処して森の中に入って行きました。


森は広く、方向感覚がなくなるような木の配置や石の配置などでした。


最初は魔王たちも飛んで行こうとしました。

すると何故か体が重くなり、飛んで行くことはできませんでした。

なので仕方がなく歩いて探すことにしました。


流石の魔王でも広い森の中から封印の場所を見つけ出すのは簡単なことではありませんでした。


しばらくは慎重にやっていましたが、植物からの攻撃や、同じ場所を回っていることなどが多いため、イライラが募って行きました。


ある時に、我慢の限界がきたのか、あたり一面を焼き払い始めました。


部下たちは魔王の力のすごさに敬意を表すとともに、自分たちが巻き込まれないように注意して行動していました。


魔王が森を焼き払っていると魔王たちの元に声が聞こえました。


魔王たちはその声に導かれるようにその声が示す方角へと動き始めました。

この時、なぜか植物たちは魔王たちに攻撃をしてきませんでした。


声に導かれていった先には、不思議な形をした岩がありました。

あたりをよく見てみると、服を着た状態の人間の骨があったりしました。


魔王はこのような封印の方法を知っていたので、すぐにこの骨たちは怪物バケモノを封印した人たちであることを悟りました。


魔王がその不思議な形をした岩に手を触れると声が聞こえてきました。


ーーー何をしにきたーーー


声の主はどうやら岩のようでした。

正確には、岩の元へ封印された怪物バケモノの声でした。


魔王は喜びました。

これで人間との戦争が終わることを。

そして聞いた話では過剰とも言えるほどの大きな戦力が手に入ることを。


そして怪物バケモノに言いました。


自分とともに来い、と。

魔王の部下たちも、自分たちの主君である魔王が嬉しそうにしていることと、人魔大戦が自分たちの勝利で終わることを考え、喜んでいました。


怪物バケモノは少し考えると、外で何が起こっているのかを聞きました。


魔王は嬉しそうに話し始めました。

その時に自分の仲間になることがどれほど有益なのかを大げさなくらいに話しました。


怪物バケモノはまた少し考えると、自分は魔王の元へはいかないと言いました。


魔王は呆然とし、その後に慌てて理由を聞きました。


怪物バケモノは人間が好きだというのです。

怪物バケモノは自分が出て行くことによってまた大きな争いに起こってほしくないというのです。

仮に自分が出ていって戦争が終わったとしても、その後にまた人から迫害されることを恐れているというのです。


魔王はこの理由に納得することができませんでした。


何度も何度も怪物バケモノを説得しようとしました。

部下たちにも説得を手伝わせ、どうにかこの大きな戦力を手に入れようとしました。


しかし怪物バケモノは説得には応じませんでした。


魔王は疑問に思いました。

何故そんなにも人間が好きなのか、と。

そして何故魔族の味方になってくれないのか、と。


怪物バケモノはわからないと答えました。


魔王はこの反応にひどく憤慨しました。


そしてありったけの力の解放を始めました。


近くにいた部下たちは巻き込まれてはたまらないとばかりに一目散に逃げ出しました。


魔王はこの怪物バケモノが封印された一帯の土地を作り変えはじました。

せめて絶対に人間がくることができないようにしよう、と。


怪物バケモノは抵抗しませんでした。


魔王は知りませんでしたが、怪物バケモノを縛っている封印は怪物バケモノ自身がした封印なので解こうと思えばいつでも解けるのですが、怪物バケモノは封印も解きませんでした。


魔王は最初に怪物バケモノが封印されている場所を特殊ば鋼材で覆いました。

この鋼材には魔王の全力の魔力が込められていて、魔王を簡単に越えるようなものが来なければ破ることはできません。


さらにこの周りを毒の沼地にしたり、深い霧が出るようにしたりと、色々と改造しました。


それでも怪物バケモノは何も抵抗しませんでした。


森の外から見てもわかるような土地改造をひとしきり終えると、魔王は魔獣をその場で生み出し、

それを放った後に飛んで帰ってしまいました。


魔王は自分が空を飛べていることに疑問を持っていませんでした。

力を解放しているので飛べるようになったと思っているようですが、実際は違いました。


実は今までは怪物バケモノが森全体に飛翔禁止の術をかけていたのです。

それ以外にも、攻撃してきた植物も実は怪物バケモノのせいなのでした。


土地を改造され、これからさらに誰も来なくなるでしょう。


怪物バケモノは人間がますますこの森に入って来なくなったことを喜ぶべきかと思い、戦争では人間が勝つことを願いながらまた眠りにつきました。


その後、魔王が森に入って怪物バケモノを倒そうとしても倒せなかったという噂が広がり、怪物バケモノは魔王軍と連合軍の両軍からさらに恐れられていくことになりました。


そして戦力をほとんど無くし、さらに怪物バケモノの力を使えなくなった人間側はこの戦争が負けに近づいていっていることをなんとなく察するのでした。



多分あと2話でプロローグが終わると思う。もしくは3話。

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