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天使のブラ?天使はレースの下着がお好き

ご覧いただき誠にありがとうございます。


今回は、エリスの鉄道&お買いもの初体験のお話です

エリスは買い物に出掛ける時間になったので、さっそく家を出る事にした。健太から預かった2万円はちゃんと天上界から持ってきた財布にしまってある。


エリスは家を出る時、ちゃんとドアにカギがかかっているか確認してからエレベーターで1階に下りた。


マンションを出て、健太に教えてもらったように歩いて行くと踏切があった。踏切を渡った所が備後本庄駅の入口である。


備後本庄駅は小さな待合室があるだけの小さな駅であり、待合室にはそんなに大勢座れないくらいのベンチがあり、後は切符を売る自動券売機があるだけである。


エリスはその券売機で切符を買う事にした。健太からは、買い物代とは別に交通費を受け取っている。福山までは140円だと聞いていたので、140円ちょうどのお金を投入して切符を購入した。


エリスが乗る福山行きの列車は駅に掲示してある時刻表に載っている。


エリスはよく考えたら時計を持っていない。駅に他の利用者でもいればよかったのだが、今はエリス以外には駅に人はいなかった。


(待ってればそのうち列車は来るんだから、慌てる必要はないわね)


エリスはとりあえず待合室で待っている事にした。


それから数分後


『まもなく、福山方面行きの列車が来ます。危ないですから、下がってお待ち下さい。列車が来ます。ご注意下さい』


というアナウンスが流れだした。


エリスは突然のアナウンスに驚き辺りを見回すが、この駅には誰もいない。という事は、時間が来たら、自動的にアナウンスが流れるような仕組みになっているのだろうと考えた。


(今、福山方面行きって言ってたわね)


エリスは自分が乗る列車が福山行きだと思い出し。これから来る列車に乗ればいいと考えた。そして、少し慌ててホームへ上がって行った。


ホームに上がったエリスはホーム上を見渡したが、やはり、ホームに人はいない。そうするうちに、エリスがマンションからこの駅に来る際に渡った踏切が鳴り始めた。


ホーム上に出たエリスは左右どちらから列車が来るのかわからず、左右交互に遠方を眺めていたのだが、やがて左側の遠くに黄色い列車の姿が見えた。


その列車はゆっくりと備後本庄駅に近付いて来た。列車は車両が2つ繋がっていて、エリスが外から見る限りでは、中にはあまり多くの人が乗っているようにな見えなかった。


そして、列車はエリスが立っている辺りに停車した。


さて、エリスは列車に乗り込もうとしたが、目の前のドアが開かない。壁抜けを使えば簡単に車内へ入れるが、公衆の面前で天使のスキルを使ってはならないと天上界で教えられていたので、ドアが開くのを待つ事にした。


しかし、待っていてもドアは開かなかった。


「前の車両のドアからお入り下さ〜い」


と、列車の乗務員が先頭の乗務員室の窓から顔を出して叫んでいる。


エリスが立っている場所には、2両編成の列車の2両目がある。


(前の車両という事は…)


エリスは慌てて先頭車両をよく見ると、先頭車両の三つのドアのうち一ヶ所だけ開いていた。


エリスはそのドアに駆け寄ってスルリと車内へ入った。


エリスが車内に入るとそれを待っていたかのように、開いていたドアが閉まり、ほどなくして列車が走り出した。


車内は窓に背を向けるような座席が車両の両側にあり、エリスが乗った車両には約10人くらいが乗っており、各自、思い思いに座っている。


エリスもすぐ近くに空いている席があったので、そこに腰を下ろした。


しかし、エリスが座ったと同時くらいに福山駅に到着するという車内アナウンスが流れ始めた。


(えっ!?もう、福山駅に着くの?)


エリスはびっくりしたが、よく思い出してみると、健太は備後本庄から福山には3分で着くと言っていたような気がする。


列車初体験でようやく列車に乗れてホッとしたのもつかの間、もう降りなければならない。


エリスは降りる時も乗り込んだドアしか開かないだろうと思い、そのドアの前に立った。


エリスの他にも降りるために既に席を立っている人もいるが、その人逹はエリスとは違うドアのところに立っていた。


そうこうするうちに、列車は福山駅に到着した。


福山駅はなかなか大きな駅のようで、備後本庄では地面の上を走っていた列車はいつの間にか二階の高さを走っていた。


今、エリスが乗ってきた列車の線路とは別の方角に向かって伸びている線路が見える。その線路も二階の高さにある。


そして、それらの線路が綺麗に並んだあたりで駅のホームが見えてきて、エリスが乗った列車もいくつか並んでいるホームの一つに停車した。



エリスの予想に反して他のドアも開いた。そこから乗客たちがぞろぞろと降りて行く。エリスも同じく列車を降りて、他の乗客が向かう方向に歩いた。


歩いた先には階段があり一階へ降りるようだ。エリスは他の客と一緒に階段を降りる。


階段を降りた先にゲートのようなものが幾つも並んでいる。


他の客の動向を観察すると、カードのようなものをゲートの入口付近のセンサーらしき部分に当てる人と、そのセンサー近くの投入口に切符を投入する人がいる。


いずれにしても、そのようにすればゲートが開き外に出られるようだ。


エリスはカードではなく切符を持っているので、切符を投入口に入れてゲートを通り抜けようとした。


しかし、エリスがゲートを通り抜けようとしたその瞬間『ピンポーン♪』とチャイムが鳴って、ゲートは開かず閉じたままである。


慌てて係の駅員が駆けつける。エリスはわけがわからず立ち尽くしていた。


「備後本庄ね。あぁ〜、自動改札機を通さなかったんですね。はいはい、どうぞどうぞ」


駅員は何か操作して、手動でゲートを開けるとエリスをゲートを通るように促した。


エリスは促されるまま改札口を通り、福山駅のコンコースに出た。


(自動改札機?そういえば、健太も切符を自動改札機に通して列車に乗るように言ってたような)


エリスは健太がそのような事を言ってたような気もするが、何しろ初めての事なので、何がどういけなかったのかわからない。


(夜に健太が帰って来たら。列車の乗り方を詳しく聞かなきゃ)


エリスは健太にもっと詳しく聞くつもりだった。


しかし、エリスはコンコースでいつまでも突っ立ってるわけにもいかない。買い物に来たのだから、目的を果たさなければならないのである。


エリスは健太から預かったお金で何を買うべきかを考えた。


エリスは優先順位の高い物から順番に買っていくのが良いと考えた。


エリスは自分にとって一番必要な物は何か考えた。


一番必要な物とは…


毎日使う物

今すぐ必要な物

なければ生活に困る物


いろいろ考えてみて、まず必要なのは着替えの下着、それから服、歯ブラシなどの日用品だと考えるに至った。


エリスはまず下着を買う事にした。服は数日続けて着てもようが、下着は毎日替えたい。服より下着を優先すべきとの結論に至ったのである。


福山駅には、所謂、駅ビルというものはないが、線路は高架上にあるので、高架下が空いている。その高架下がちょっとしたショッピングモールになっているのである。


そこはコンコースから直接入れるので、エリスもすぐに見つけて、とりあえず下着屋があるか探してみた。


通路の両側には食料品店、レストランがあり、奥へ進むとアクセサリーを売ってる店や洋服店があった。


エリスはアクセサリー店に興味があったのだが、自分のお金ならまだしも、健太から預かったお金である。余計な買い物はせず、目的地である下着売場を探し通路を奥へと進んで行った。


通路をかなり奥へ進んで行くと、ピンクに飾り付けられて、店頭にブラジャーやショーツが飾られた一角があった。


エリスはすぐにそこが下着売場だとわかり、店へ入り商品を見る。


(同じ柄のブラとショーツのセットが9800円!?)


エリスが入ったのは有名な下着ブランドの直営店だった。したがって、商品の品質は良いのだが値段もそれなりに高くなる。


(下着は今付けてるのと他に2つは欲しいから、9800円のを2つ買ったらお金が無くなってしまう)


エリスは渋い表情で舌打ちすると店を出た。


下着店は探せばどこかに他の店があるはずだ。


エリスは他の下着店を探しショッピングモール内を歩いた。


通路も終わり、エリスが入ったのとは反対側の出口が見えてきた。下着店はこのモール内にはさっきの店しかないかと思ったのだが、出口近くの通路右側に小さな下着売場があった。


(とりあえず値段を確かめなきゃ)


エリスは売場に入って値段を調べようとして気付いたのだが、品揃えがあまりよくない。商品が所々無い場所がある。


エリスが店内をキョロキョロしていると「閉店、完全売りつくしセール」と手書きで書かれたポスターが見えた。


どうやら、この店は閉店するようで、閉店するまでに在庫を売り切ってしまいたいために「持ってけドロボー」状態で安売りしているようだ。


エリスは商品を見て回りながら値段を確認する。


売場には『パンティ・ブラ全品980円!』と大きく表示されている。


(これだと、ショーツとブラジャーを2つずつ買っても4000円以内で済むわ)


エリスはこの値段なら買う価値があると思い、商品を見て回った。


たが、困った事に置かれている商品は、どれもエリスの胸のサイズより小さめの物ばかりである。


エリスは爆乳とか巨乳とまではいかないが、一般的な日本人よりは胸が大きい。だいたいFカップくらいである。


エリスはショーツはまだ何とかなるとして、自分の胸に合うブラジャーがなかなか見つからない。


いろいろと見て回りながら、ようやく自分の胸に合いそうなブラジャーを数点見つける事ができた。


その中から、白で上半分がレースになっているのと、ラベンダー色でやはり上半分がレースになっているのを選んだ。


さて、今度はショーツである。ブラジャーと色を合わせたいので、白とラベンダー色のを探した。


白のショーツはたくさんあるがラベンダー色はなかなか見つからない。


結局、エリスは白で最も敏感な部分以外はレースになっているのと、ラベンダー色の代替として、薄い水色でやはり生地の大半がレースになっているのを選んだ。


その四点をレジに持って行き精算した。


値段表示は980円だったが、そこに消費税がかかるので、結局は4000円以上の買い物になってしまった。とはいえ、まだ15000円以上残っている。


エリスは次に日用品一式を買う事にした。


エリスが買いたいような日用品を売っている店は、このモール内には無かったように記憶していたので、モールの外に出てみる事にした。


天上界では日用品はスーパーマーケットで売られていた。地上でも同じようなものだろうから、エリスはひとまずスーパーマーケットを探す事にした。


エリスが外に出た出口から、歩いて再び駅に戻ってみた。


エリスは駅の前から一体を見回してみたのだが、スーパーマーケットらしい店は見えなかった。


(困ったわね。スーパーマーケットとか、この近くにないのかも…)


エリスはどうすべきか考えていたが、駅前を歩いている人の中に、明らかにスーパーマーケットで買ったと思われる、食料品等を入れた袋を持っている人がいる事に気付いた。


エリスはその中の一人に思い切って尋ねてみた。


「すみません、このあたりにスーパーマーケットがありますか?」


エリスが尋ねたのは40過ぎくらいの女性だった。


「あの建物の地下にありますよ」


その女性は後ろを振り返り、自分が歩いて来た方角にある高いビルを指差した。


どうやら、あのビルの地下にスーパーマーケットがあるらしい。


「ありがとうございます」


エリスは礼を言ってからそのビルに向かい歩き始めた。


教えてもらったビルの地下へエスカレーターで下りると、そこがスーパーマーケットの入口だった。


おいしそうな食料品もたくさんあって、エリスは心惹かれたのだが、あくまで日用品を買いに来たのである。


エリスは日用品のコーナーを探し、歯ブラシやハンカチ、洗面所に石鹸が無かったので石鹸も買う事にした。


更に、女性にとっては毎月の恒例行事に備えるための物も買わなければならない、貼り付けタイプと挿入タイプがあるが、エリスは挿入タイプを天上界では利用していたので、ここでも挿入タイプを買う事にした。


このスーパーマーケットでは約1500円の買い物をした。まだ約14000円残っている。まだ何か買えそうだ。


エリスは後は何を買うべきか考えてみて、やはり服を買っておくべきだと思った。


駅に併設されていたモールに服を売る店はたくさんあったはずだ。


エリスはモールへと戻って行った。



下着店に行く途中に、気になる服がいくつかあったので、それを見てみる事にした。


まずは入口から入って少し行った所にある店で、デニムのショートパンツを買う事にした。これは税抜き1980円。


次に、最初に立ち寄り高くて買うのを諦めた下着店の手前にある店に向かう。そこで白のフレアスカート、Tシャツ2枚、ボタン付きのシャツを1枚買った。これで税抜き7480円だった。


これで残金は約4000円となってしまった。


(もう、このあたりにしといた方がいいかな)


エリスは買い物をここで打ち切る事に決めた。とりあえず、すぐに必要な物は買えたのだし、無駄遣いする必要はないからだ。


エリスは買い物はここまでにして、お腹が空いてきたので、どこかで昼ごはんでも食べようかとおもったのだが、買い物した荷物で両手が塞がるほどで、一度家に帰らなければならなくなった。


(帰れば何か食べ物があるはず)


エリスは家で昼ごはんを食べる事にして、列車に乗るために駅に向かった。


コンコースにある券売機で140円の切符を買い、自動改札機を通してから列車の発車時刻が表示してある電光掲示板を見た。


電光掲示板にはたくさんの路線が表示されているが、健太から府中行きに乗れと聞いていたので、よく探してみると、たくさん並んでいる電光掲示板の一番右端に府中行きが表示されていた。


電光掲示板には時計も付いていて、11時55分を示している。


(10分ちょっとしか待たなくてすみそうね)


エリスは来た時と同じ乗り場への階段を上がって行った。


ホームには列車が既におり、来た時に乗ったのと同じような黄色い2両編成の車両だった。


エリス来た時は備後本庄駅で入口が一つしか開かなかった事を思い出し、開いている入口を探してみると、全部の入口が開いている。


(これはどういう事なの?)


エリスはわけがわからなかったのだが、開いている以上、そこから車内に入ってよいはずだ。


エリスは一番手前の入口から車内に入り、入口近くの空いている席に腰を下ろした。


しばらくして発車時刻となり、発車するとのアナウンスがホームに流れると入口のドアが閉まり列車は動き出した。


列車は福山駅を出発してすぐに備後本庄駅に着くのだが、到着前に車内放送が流れる。


『間もなく、備後本庄です。後ろの車両のドアは開きません。1両目前側のドアからお降り下さい』


エリスはちょうどその1両目前側のドア付近に座っていたので、目の前のドアから降りるのだと考えた。


既に備後本庄駅で降りる他の客が1人ドア付近に立っている。エリスはその客の後ろに立って到着を待った。


やがて、列車は備後本庄駅に停車しドアが開く、すると運転士が乗務員室から出て来た。


エリスの前に立っていた乗客は、運転士に切符を渡してから列車を降りて行った。


エリスも同じように切符を運転士に渡して列車を降りる。今度は何事もなく列車を降りる事が出来た。


エリスはそれから歩いてマンションに帰り、朝に食べた食パンが残っていたので、朝ごはんと同じくトーストにしてそれを昼ごはんとして食べた。


それから、する事もないのでテレビでも視ながら健太が帰るのを待つ事にした。

次回はエリスが自身の事をいろいろと健太に話すというお話になる予定です。

お楽しみに

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