【地下】とある一室・二
『ライブド』ミーグとコンビを組む不老不死の少女。
『ミーグ』ライブドとコンビを組む不老不死の少年。
『レドラム』地下に棲む老者。
酉の刻。ライブド、ミーグ、レドラム、地下の、とある一室にて。
『ライブド』なーなー、おっさんはどう思うー?
『レドラム』だから、さっきから言ってるだろう……俺に訊くんじゃない……。自分らで考えろ。俺をそんなに頼るな。
『ミーグ』えー。
『ライブド』おっさんならわかるんだろー? あの男の方の殺し方ー。あのよくわかんねー毒はまだあるから、それでいいんだけどさー、流石に同じ手は使えないと思うんだよなー。小枝に塗ってぶん投げる、以外に何かいい方法はないかなー?
『レドラム』俺はあの毒薬を調合した……それで十分、貴様らに手を貸したつもりなんだがな。
『ライブド』ケチー!
『ミーグ』ケチ。
『レドラム』というか、その小枝の方法も貴様らが考えたものだろ。なかなかに芸のない方法だが、貴様らのその身体能力を上手に活かした良案だと、俺は思うぞ。……だから自分らで考えた方がよいのだよ……自分のことは自分が一番知っているものなのだからな。
『ミーグ』自分が実行する作戦は自分で考えた方がいい、って、そういうこと?
『レドラム』そうだ。自分の力を存分に活かす作戦を練り、利用出来るものは片っ端から利用し、目的を達成する。基本的なことだ。
『ライブド』はー、わかったわかった。もう、おっさんなんか頼らないよーだ。バーカバーカ。
『レドラム』はっ、それは面白い……。その内また、俺に泣きついて来る未来がありありと見え……。………………。
『ミーグ』…………?
『ライブド』どした、おっさん。
『レドラム』……そういえば……貴様ら、昨日からずっと寝てないんだろ。いい加減疲れが出て来る頃なんじゃないか。
『ライブド』は? 何だ、急に?
『レドラム』今日ももう、こんな時間だ……ほら、休んでこい。寝室の場所はわかるな?
『ミーグ』いや……だからどうしたの、おじさん……。
『レドラム』どうもこうもない、あー……俺も、今日はちょっと疲れた。悪いが一人にさせてくれ。
『ミーグ』疲れたっ……て……おじさん、今日、本読んでただけじゃない……。
『ライブド』そうか、さてはもう爺さんになってきてるんだな。体力も、もうないんだろ、そうだろ。あははは。
『レドラム』あー、そうだそうだ。この年になると、疲れもすぐ出てきてな……。
『ライブド』あははは、そういうことならわかったよ。あたしたち、もう行くよ。行こうぜミー。
『ミーグ』……うん……。
ライブド、ミーグ、退室。
『レドラム』……あいつらは……疑うことを知らんのか……まあ、いい…………。
静寂――否……足音、通路の方から微かに響く。
『レドラム』……なぜ来た……俺が……お前を歓迎しないことは、わかり切っているだろうに……。
扉、ゆっくりと開く――ゲニス、登場。




