表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖戦に舞う不死鳥たち  作者: 戯画葉異図
第二幕 探究し、知る。
86/346

【王城】女王の寝室・十一

『ラム』ゼフィオン国防衛隊を指揮する不老不死の隊長。

『リト』ゼフィオン国を治める不老不死の女王。

『マディ』王城に仕えるメード。

『ゲニス』ニューロッジ島で診療所を営む所長。


   午の刻。ラム、リト、マディ、ゲニス、王城の、女王の寝室にて。


『リト』ラム……。

『ラム』おはよう、リト。

『リト』マディも……。

『マディ』おはようございます、姫様。

『リト』わ、私……私……。

『ラム』大丈夫、大丈夫だよ。

『リト』……うん……うん……。……えっと、そちらの方が……?

『ゲニス』ゲニスだ……研究者、兼医者をやっている……以後、お見知りおきを、女王殿……。

『リト』ゲニスさん……。あなたが……私の治療を……。

『ゲニス』治療は今しがた終わった。

『リト』……え……終わった? 治療が?

『ゲニス』そうだ。

『リト』それは……どういう……?

『ゲニス』どうもこうも、そのままの意味だ……どうだ……女王殿……まだ、気持ち悪いとか……どこかが痛いとか……そのような症状はあるか?


   暫くの間。


『リト』……ありません。治ってる……。

『ゲニス』そうか、それは良かった。

『ラム』ゲニスさん、本当に、ありがとうございます。

『ゲニス』礼には及ばぬ……、それより……、女王殿。

『リト』は、はい……?

『ゲニス』お前さんはどうやら、毒を受けた後もかなりの無理をしていたようだが……、今後、生きていく上での、非常に有用な人生のアドバイスを、私からはくれてやる……。

『リト』な……何でしょうか?

『ゲニス』無理はするな、無理をして自身を削るような真似はするな……、それこそが、人生にとっての毒なのだ……、ということで、女王殿は……これから短くとも一週間は安静にしていろ……、王としての職務も止めておけ。

『リト』一週間⁉

『ゲニス』一週間だ、……これは医者からの、だけではなく、人生の先輩からのアドバイスだと思っておけ……お前さんたちの人生は長いのだろう?

『リト』……はい……。わかりました……。

『ゲニス』では……、私はもう行くとしよう……ニューロッジには私の帰りを待っている弟子が大勢いるからな……。

『ラム』え……ゲニスさん……報酬は……。

『ゲニス』いらぬ。

『ラム』どうして……。

『ゲニス』お前さんたちからサンプルが採取できないことは、ラム殿が私の前で腕を切り落とした直後、すぐに引っ付いた事から、既にわかり切っている……、例えばお前さんから皮膚の一部を貰って、それを実験材料にしようとしても、それはすぐにお前さんの下へ戻ってしまうのだろうな……それでは意味がないのだ……研究における最も基本的な、観察ができぬ……。

『ラム』どうして……そんなことわかるんですか……やってみなきゃ……。

『ゲニス』やってみなくともわかる……ラム殿が診療所で見せたあの行動と、船の上で聞かせてもらった諸々の話から……不死身の仕組みは容易に想像できるからな……。

『リト』不死身の仕組み? わかったのですか?

『ゲニス』ああ、わかったとも……、あー、そうだな……この経験は私にとっても至極有益なものとなった……これはそのお礼として、私が考える不死身の仕組み、教えてやろうではないか……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ