【王城】女王の寝室・十
『リト』ゼフィオン国を治める不老不死の女王。
巳の刻。リト、王城の、女王の寝室にて。
『リト』気持ち悪い……。…………。……なんで…………。……どうしたの……、よ……私の体…………。……随分……と……、急じゃない。……はぁ……。…………こんなの、平気なはずでしょ…………、はぁ……。
ノック音。
『リト』誰……、……どうぞ……。
マディ、入室。
『リト』……マディ……。
『マディ』姫様、ご気分はいかがでしょうか?
『リト』最高に……最悪よ……笑えるくらい……。
『マディ』状況はおおよそ聞かせて頂きました。何かあれば、お申し付け下さい。
『リト』何もない……。何もないわよ……。独りにして……、独りにして……。……出てってよ……。
『マディ』……畏まりました。
マディ、退室。
『リト』…………………………………………はぁー……。……はぁー…………。…………………………ち……、がう……………………。…………大………………丈夫……、よ…………。……これ……くらい…………………………。…………毒…………が……何よ……。……笑わせ……、ない……、……で……よ……、ね……。…………私は……、……こんなことで…………。…………はぁ……、はぁ……、……………………ん……うっ……。……桶……。
リト、ベッドから転がり落ちる。
『リト』はぁ……はぁ……。……桶……、……どこ……よ…………。……うっ……。
『マディ』姫様、お使い下さい。
マディ、桶を差し出す。リト、それに嘔吐する。
『マディ』…………。
『リト』…………。はあ……。はあ……、はあ……はあ……。……マディ……何で………………?
『マディ』姫様、何かあれば、何なりとお申し付け下さい。
『リト』マディ、マディ……。私……おかしいんだ……。こんなことになって……頭……、働いてないんだ……。……ごめんなさい……。ごめんなさい…………。……苦しい……。
『マディ』姫様、ラム様はもうじき戻ってきます。それまでの辛抱です。それまでは、このマディが付いております。ご安心下さい。
『リト』うん……。




