【王城】女王の寝室・四
『ラム』ゼフィオン国防衛隊を指揮する不老不死の隊長。
『リト』ゼフィオン国を治める不老不死の女王。
子の刻。ラム、リト、王城の、女王の寝室にて。
『リト』あはははは、へえ、なるほど、それで戻ってきたんだあ?
『ラム』止めろって。寝てなよ。
『リト』あんなカッコいい去り方して、ねえ?
『ラム』僕も恥ずかしいんだよ。……だから、寝なよって。
『リト』ふふふふ、クスクスクス。
『ラム』……はあ……。
『リト』さすが、ロッドライズさんはわかってるわ。
『ラム』まるで僕はわかってないみたいに。
『リト』わかってなかったじゃない、実際。
『ラム』傷付くなあ……。
『リト』苦しんでる女をほったらかしにして、仕事に向かうなんてね、ありえないんだから。
『ラム』それもリトのためなんだって。
『リト』私、全然望んでないもの、そんなの。
『ラム』む……。いや、だから、そうじゃなくて、寝なさいって、お姫様。
『リト』寝れないわ。目が覚めちゃって。
『ラム』ほら、取りあえず目を瞑ろう……って、さっきも言ったよね。
『リト』うん、さっき言った、さっき。さっきね。
『ラム』…………。ところで、気分はいかがでしょうか、お姫様。
『リト』変わらずよ……相変わらず最悪。これでも空元気で頑張ってるのよ。
『ラム』頑張らなくていいから。ほら、無理はするなって。いい加減、眠ろう。朝には毒の検査結果も出る。そうすれば何かしら手が打てるんだ。……だから……今夜の内に何か起きたらいけないんだ。……リトこそ、わかってない。
『リト』はいはい、了解しました。お姫様は眠ります。おやすみなさい。
『ラム』おやすみなさい。
『リト』と、その前に、今度こそ、王からの命令。防衛隊隊長として、王の警護に務めるように。
『ラム』はい、かしこまりました。




