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天空の終曲

　　　主、三人の大天使。

『第一の大天使』時は絶えず流れ続け、太陽も、月も、星の群もまた、絶えず同じ軌道を流れ続けている。それらは止まることを知らず、そして誰の手が届くことも許さずに、壮麗に大地を包む。

『第二の大天使』大地は刻々と変化を遂げ、草原や森林や河川、町や村や人もまた、刻々と変化を遂げている。変化が停止する時、それは終わりと呼ばれるに等しい。

『第三の大天使』人ほどに弱く、儚いものはない。全ては出現、消失の繰り返し。現れたと思えば、既に失せている。これも地上に生きる生命の定め。平等に科せられた制限。

『主』今、わたしの世界を呑まんとしていた別の世界が、跡を残さずに消え失せた。これは人の手によって創られた世界であった。わたしの世界は、まだ続く。

『第一の大天使』主よ、そのことについては、主の御使いらも聞いております。

『第二の大天使』主よ、そのことについて、主はどうお考えですか。

『第三の大天使』主よ、それは永劫の否定か、それとも未来の肯定か。

『主』見極めよ。真理の扉は開かれるであろう。

　　　三人の大天使、散ずる。

『主』わたしの世界は続く。しかしそれは、終末の烏有を意味することではない。わたしの世界が終わるとき、終焉の到来を拒んだ者たちがどうなるのか、わたしには分からぬ。故にわたしも、しかと傍観するのみである。