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聖戦に舞う不死鳥たち  作者: 戯画葉異図
第一幕 邂逅し、始まる。
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【王城】ダイニングルーム

『リト』ゼフィオン国を治める女王。

『ココ』王城に仕える料理人。

   辰の刻。リト、ココ、王城の、ダイニングルームにて。


『リト』ご馳走様でした。

『ココ』お、お口に合いましたでしょうか……?

『リト』ええ。おいしかったわ。予想なのだけど、今日の朝食はいつもと違う方がお作りになられたので?

『ココ』は、は、はい。今日は、わ、私、が担当、さ、させていただきました。

『リト』あら、そうなの。やっぱりね……でも、あの料理長さんが朝食を他人に任せるなんて、ちょっと珍しいわね。きっと、あなたの腕を評価しているのよ。

『ココ』い、いえ、そんな……。

『リト』ううん、絶対そうよ。この私が言うんだもの。ええと、失礼ですが、お名前は?

『ココ』ココといいます……。お褒めにあずかり光栄の至りでございます。けど、それでも、私なんてまだまだです。今朝だって、厨房に入る前にお使いを頼まれる始末ですし……。

『リト』町に買い出しですか。でも、どんなに偉い人でもみんな、若い頃はそんな感じよ。そういうのが積み重なって積み重なって、それで偉くなるのだから。高いところに行くのだから。

『ココ』ありがとうございます。……すみません、なんか、私なんかの話で……。

『リト』いいのよいいのよ。むしろ、もっと聞かせてほしいわ。町に行ったのよね? 何か面白いことはなかった?

『ココ』お、面白い事、ですか。そうですね……ええと…………。

『リト』…………。

『ココ』…………。

『リト』…………。

『ココ』…………えー…………。

『リト』…………。

『ココ』…………あ、そうだ、一つ。面白い噂を耳にしました。

『リト』ほうほう、して、それは。

『ココ』城下町に新しく開店したお店の話です。あくまで噂ですが、それがどうも普通の、一般的なお店ではないようで。

『リト』ふむふむ。

『ココ』えっと、というのも、そのお店で取り扱っている商品が、食べ物でも服でも、日用雑貨でもなく、……情報、らしいのです。

『リト』……情報?

『ココ』はい。そのことについて話をしている通行人を何回も見たので、おそらく噂は本当だと思いますが……どうも信じられません。代金さえ払えば何でも教えてくれると言うのですから。いわゆる情報屋、ってものなのでしょうが……私にはどうも……。

『リト』……なるほどね。それは確かに、興味深い噂だわ……ふうむ、よし、この後の予定が決まりました。

『ココ』予定?

『リト』そのお店に行きましょう。

『ココ』行きま、え……な、何、言ってるんですか、ダメですよ! 姫様ともあろうお方が城外に出るなんて!

『リト』いいのよ、いいのよ。ささ、ココさんココさん、未来の料理長さん、案内をお願いするわ。これは王の命令よ。

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