【王城】女王の書斎・二
『リト』ゼフィオン国を治める不老不死の女王。
『ロッドライズ』ゼフィオン国遊撃隊を指揮する隊長。
辰の刻。リト、ロッドライズ、王城の、女王の書斎にて。
『ロッドライズ』用事はそれだけですので、私はこれで。
『リト』はい。……あ、そうだ。昨日の事、まだちゃんとお礼が言えてませんでしたね。ロッドライズさんやラムの率いる兵士さん方の活躍に、心から感謝しております。
『ロッドライズ』そ、そんな……。結果的に奴等を捕らえたのは、姫様ではないですか。我々は、援護くらいしか出来ませんでしたよ。
『リト』その援護が無ければ、貴方方の追い詰めが無ければ、私は、あの二人を捕らえる事が出来ませんでしたよ。感謝の気持ち、素直に受け取って下さい。
『ロッドライズ』……我々の身に余る光栄で御座います。ラム殿や、他の皆にも伝えておきましょう。
『リト』……そうだ、それの事なのだけれど、ラムを呼んで下さらない? それとも、今は手が離せないかしら?
『ロッドライズ』ラム殿をですか。そうですね……伝えてはおきます。何せ、相手が相手なので……、ご希望に添えられるかどうかは、判断し兼ねますが……。
『リト』ええ。では、よろしくお願いします。
『ロッドライズ』はい。
ロッドライズ、退室。
『リト』………………はー………………油断は駄目……油断は駄目………………。……今までだって、それで……痛い目を見てきたんだから…………。………………こんな時、母さんなら……どうしたかしら………………。
油断大敵。




