【王城】女王の書斎へと続く廊下・一
『リレイド』ゼフィオン国に仕える遊撃隊兵。
午の刻。リレイド、王城の、女王の書斎へと続く廊下にて。
『リレイド』なんかいづらいという理由だけで……食堂を早めに出てしまった…………。姫様、もう書斎に戻られているだろうか…………。…………はあ、兵士の自分がこんな事でどうするんだろう…………。あー、またリトに、女だからどうとか言われるかなあー、嫌だなあ。…………ん…………。
二人の防衛隊兵、廊下の向かいから登場。
『リレイド』あ、あなたたちは……、さっきの…………。
『第一の防衛隊兵』そんな事を言う輩がいるのですか?
『リレイド』一部分だけ聞かれてた! いや、そうじゃなくて、どうだったの?
『第一の防衛隊兵』それが……、すみません、リレイドさん。あの時の犯人は見つかりませんでした。誰も目撃していなくて、手も足も出せなかったのです。
『第二の防衛隊兵』例のトマトが飛んできた方向にいた者全員を調べましたが……犯人捕獲には至りませんでした。
『リレイド』そ、そう……まあ、いいよ、それならそれで。私も、気にしてませんから。
『第一の防衛隊兵』申しわけ無いです……。
『リレイド』それより、あれからずっと調査してたんですか? 昼食は……。
『第二の防衛隊兵』え? ああ、その事はご心配なさらず。今日の我々の任は大通りの警備でしたので、昼食は携帯しておりました。
『リレイド』あ、なるほどね。
『第一の防衛隊兵』あと、この事は既に、ロッドライズ隊長にも報告しておきました。隊長もリレイドさんの事を心配なされておりましたよ。
『リレイド』あ、ありがとう、何から何まで……。隊長には私からも一応、話しておくから。
『第一の防衛隊兵』はい。では、我々は戻ります。
『リレイド』うん、トマトにはお気を付けて。
『第二の防衛隊兵』ははは、ええ、ご忠告感謝します。
二人の防衛隊兵、退場。
『リレイド』……はあ、私はいろんな人に頼って生きている。兵士の自分がこんな事で、ホント……どうするんだろう……。




