【城下町】城へと続く大通り・六
『リレイド』ゼフィオン国に仕える遊撃隊兵。
巳の刻。リレイド、城下町の、城へと続く大通りにて。
『リレイド』………………え? 痛っ……!
突如、何かがリレイドに当たる――トマト。
『リレイド』な、何……? トマト…………? だ、誰が……投げたの…………?
リレイド、周囲を見回す――人ごみになっており、誰が投げたのかが判然としない。
『リレイド』あ……、せ……制服が…………あ…………。
その時、二人の防衛隊兵、こちらに駆けて来る。
『第一の防衛隊兵』コラーー! そこ、何をやっている!
『第二の防衛隊兵』リレイド殿っ、大丈夫ですか? お怪我は……。
『リレイド』い、いや、私は大丈夫……。
『第一の防衛隊兵』ぬう、これは酷いな……。(大声で)誰が投げた? 誰か、犯人を見た者は居らぬか?
静まり返る――辺りからの反応は無い。
『第二の防衛隊兵』誰も見てないのか……。……リレイド殿、リレイド殿は城にお戻り下さい。ここは私達にお任せ下さい。
『リレイド』あ、有り難う、恩に着るわ……。
リレイド、その場を離れ、再び城へ向かう。
『リレイド』………………襲撃事件で死んだ兵の…………その遺族だろうか………………。それとも………………。




