【城下町】城へと続く大通り・一
『ココ』王城に仕える料理人。
巳の刻。ココ、城下町の、城へと続く大通りにて。
『ココ』おかしいよ……絶対におかしい……。どうして僕はこんな所に…………。こんな事してる時間が有るのなら、料理の勉強をしていた方が…………、うん、その方が、絶対に有効な時間の使い方だよなあ……。はあ…………。料理長は、僕の事がお嫌いなのだろうか……。だから、こんな物を……。
ココ、ポケットから紙切れを取り出す――御使いのメモ。
『ココ』……持たせられるのかなあ…………。……何にしても、僕が今買い出しを頼まれている事は紛れもなく事実な訳で……それを頼んでいるのは、僕が尊敬して止まない、あの料理長な訳で…………。そうだ……、簡単な話だ。僕はただ、頼まれた事をきちんとやれば良いだけ話なんだ。その内容がどうのこうのって、そんな子供みたいな事をしていちゃあ、僕は、立派な料理人どころか、ちゃんとした大人にもなれないんだろうな…………。……うん、そうだ、ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと済ませてしまおう。そうするべきなんだ、今は………………。
ココ、最初に寄るべき店に入る。




