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聖戦に舞う不死鳥たち  作者: 戯画葉異図
第三幕 訣別し、歩む。
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【暗い森】外れ・一

『イドマ』謎の女性。

   亥の刻。イドマ、暗い森の、外れにて。


『イドマ』……すっかり……夜ね……。ああ、星が綺麗…………。


   イドマ、暫く夜空を見つめる。


『イドマ』……さ、行こう……。取り敢えずはこれで……、これで、一段落かな……。


   と言う訳にもいかないのが、あの子達の物語なのさ。


『イドマ』……⁉ …………貴女でしたか…………今晩は。どうしたんです、こんな夜分遅くに、如何されましたか? ……シニカロレイヴ様。


   シニカロレイヴ、登場。


『シニカロレイヴ』やっほー。こんばんわー。いやいや、どうと言う事は無いさ。何も無いさ。あはは。まあ、強いて言うのであれば、夜はやっぱり冷えるねー。人の身である私には辛いよ。ははは。

『イドマ』…………ふふ、貴女の人外嫌いも、変わりは有りませんね。

『シニカロレイヴ』おやおや、何を言いますか。私にそんなプロフィールは有りませんぜ。むしろ、あなたの様な強大な力を持つ者は好む方さ。後、頭の良い奴もね。

『イドマ』戯言を……。貴女だって、半分は人外の様なものです。

『シニカロレイヴ』半分は人外! あはははは。ちょっとだけ、他人より目が良いだけさ。視野が広いだけさ。うむ、それだけの事なんだ。私はちゃんと、人間だよ。あなたとは違って、ね。

『イドマ』ご用件は何です? まさか、こんな夜更けに、雑談に興じようと言う魂胆で?

『シニカロレイヴ』その、まさか、さ。その通りだよ。いやあ、察しが良くて助かるねえ。

『イドマ』お褒めに与り光栄の至りで御座います。しかし私は、貴女とはもう会わないつもりでした。

『シニカロレイヴ』それは残念だ! 私の方は、再び会う気で満ち満ちていたよ。

『イドマ』貴女と成立させた交渉の全ては、もう既に終わりを迎えたはずですが?

『シニカロレイヴ』ごもっとも。だから今私は、お約束事の続きでここに居る訳じゃあない。

『イドマ』では何故。

『シニカロレイヴ』言ったろう、雑談さ。嘘偽りは何処にも無い。あなたと話したくて来たのさ、イドマさん……いや、今ならば、こう呼ぶべきかな。マディさん……。

『イドマ』………………。

『マディ』…………ふふ…………。

『イドマ』やはり…………。

『マディ』気付いておられましたか…………。

『イドマ』…………やはり貴女には…………。

『マディ』適いませんね………………。

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