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聖戦に舞う不死鳥たち  作者: 戯画葉異図
第三幕 訣別し、歩む。
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【暗い森】静寂によって包まれる場

『イドマ』謎の女性。

   戌の刻。イドマ、暗い森の、静寂によって包まれる場にて。


『イドマ』私達の起源はこの森と共に有ります。ゼフィオンの大地にこの森が生まれた、その瞬間に私達二人も時を同じくして誕生したのです。それはそれは劇的で、瞬間的な出来事でした。……いきなりの大きな話に戸惑うかもしれませんが、私達の事を話すためには、まずここを出発点とする必要が有るのです……。……さて、私達の誕生が果たして何年前だったか、森の誕生が何年前だったか、それは定かではありませんが……その時から私達には、人には無い力が備わっておりました。そうです、お二方に見せたあの力です。何も無い所から何かを生み出す力、木々を爆発的に成長させる力……など。どれも人間の為せる技では御座いません。人知を超え、どころか理をも超えた力です。…………皮肉なものです。自然と共に生まれた者が、自然の法則を無視するなんて……。何故我々は、こんな力を持って生まれたのか……、ええ、勿論考えましたとも……。誕生から一日経った翌日の事です。何故私達二人は生まれてきたのか。何故神は私達をお創りになられたのか。……私達の役目とは何か。当時まだ何も知らない私達は、それまでに感じ取った少ない情報を有り合わせて、よく分からない自分の能力をもがく様にして使って、必死になって考えました。確たる存在意義を欲したのです。自分が無意味な存在である事を、まだ幼いながらも懼れたのです。……ええ、…………そして、結論が出ました。考えに考えたその末に、漸くの事一つの結論が見出されました。……それはつまり、私達の存在意義はこの森を護る事に有る、と……。私達に与えられた役割は、この森の番人となって、森を破壊せんとする人間から木々や動植物、土壌や空気までもを護る事なのだと。……私達はこう結論付けました……。ええ、もうお分かりですね……。私は、それを快く受け入れました。しかしこの子は……ドレイディームは、その結論を受け入れようとしませんでした……。そうですね……平たく言えば、嫌がったのです…………。

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