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聖戦に舞う不死鳥たち  作者: 戯画葉異図
第三幕 訣別し、歩む。
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【暗い森】小さな石の散らばる場

『ライブド』ミーグとコンビを組む不老不死の少女。

『ミーグ』ライブドとコンビを組む不老不死の少年。

『ドレイディーム』謎の少女。

   戌の刻。ライブド、ミーグ、ドレイディーム、暗い森の、小さな石の散らばる場にて。


『ライブド』……そこであたしがドーンと爆破してやってさ、それであたし達は無事に逃げ果せた訳だよ。いやー、一時はどうなる事かと思ったが、まー、そこはあたし等の力量よ。そんな簡単に捕まる訳ねーよ、なあ? ミー。

『ミーグ』うん……。よゆーだった……。

『ドレイディーム』へえー、凄いね。

『ドレイディーム』凄いよ。

『ドレイディーム』うん、凄い。

『ライブド』いやあ、そんなに褒められると照れるなぁ……。……あ、そうそう。その時偶々通りかかったおっさんは、あたし等の脱出劇に驚いて何もする事が無かったカッコ悪い奴だから、そこも覚えといてな。

『ドレイディーム』ふ、ふうん……。

『ミーグ』(小声で)……ライ、後で痛い目見る……。

『ライブド』え? 何?

『ミーグ』いや、何でも……。

『ライブド』あ、そう。でさー、その時のおっさんの顔見せてやりたいよ。もう、何つーのかな、鳩が豆鉄砲を喰らいました、みたいな顔でさ、それはそれは、笑える顔で……。

『ミーグ』ライ。

『ライブド』んあ?

『ミーグ』あれ……見てよ……。


   ミーグ、前方を指さす――その先には死体。


『ライブド』へー、こんな所まで来れるもんなんだな。

『ミーグ』うん、珍しいよね……。と言うか……初めて見た……。

『ライブド』だよな。えーと、たぶん猟師だな。この感じだと、やっぱり夜森人に襲われたんだろ。流石にここが限界だったか。

『ミーグ』猟犬が居ないね……逃げちゃったのかな……。

『ライブド』んー、特に良い物は……持ってない……か。んだよ、しけてんなあ。

『ミーグ』……ねえ、ドレイディーム、……君、この森に住んでるんだよね。ここまで来れた人間、見た事有る? ……って……え?


   ドレイディーム、震えながら死体を見下ろす。何かに怯える様子。


『ライブド』おいおい、まさか、死体が怖いか? こんなの、ただの動かねー人間だぞ。もう人でもない人だぞ。夜森人も死体も怖いなんて、お前、今までよく森で生活出来たな。毎日毎日、そんなのに怯えてばっかで、大変だったんじゃねえの?

『ミーグ』……待って、ライ……。違う……みたいだよ……。


   ドレイディーム、震えながらも、しゃがみ込む。


『ライブド』……?

『ドレイディーム』…………。

『ドレイディーム』…………。

『ドレイディーム』…………。

『ドレイディーム』…………。

『ドレイディーム』……御免……なさい……、御免……なさい……。

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