【暗い森】風が葉叢を揺さぶる場
『ライブド』ミーグとコンビを組む不老不死の少女。
『ミーグ』ライブドとコンビを組む不老不死の少年。
『イドマ』謎の女性。
申の刻。ライブド、ミーグ、イドマ、暗い森の、風が葉叢を揺さぶる場にて。
『ライブド』……何者だ。
『イドマ』何者、と申しますと？
『ミーグ』……どうしてこんな所に居る……。
『イドマ』お二人をお迎えする為で御座います。
『ライブド』ふざけるな。人がこんな場所に居る訳がない……。お前の答えを聞いてから、ここであたし達に出くわした事を後悔させてやる。
『ミーグ』答えろ……。
『イドマ』……私は、遣わされた者に御座います。ライブド様とミーグ様をお連れせよ、との命に従ったまでです。……ですので、お二人をお迎えするため、と答える他有りません。
『ライブド』はあ？ 分かんねー奴だな。だーかーらー、人がこんな森のこんな深くに居る訳ねーんだよ。こんな所まで来れるはずねーんだよ。だのに何でお前みたいな、いかにもひ弱そうな人間がここに居るんだって訊いてんだよ。
『イドマ』……ですから……。
『ライブド』あああー！ もういい！ くたばっちまえ！
ライブド、イドマを殴る――イドマ、遠くに飛ばされ、見えなくなる。
『ミーグ』ライ……気、短過ぎ……、もう少し、話聴いても良かった……。
『ライブド』だってだって、何かウゼェんだもん。もう、しーらない。狂人が森で迷って偶々偶然ここまで来れたんだよ。そう言う事にしとこーぜ……。ほら、行こ…………え…………。
『イドマ』ですから、私はお二方をお迎えに参ったのです。それ以外の理由は御座いません。
『ミーグ』……お前……。
『ライブド』い、何時の間に⁉ だって……今……向こうに……。は……？
『イドマ』それと、お二人は私について、少々勘違いしておられます。
『ミーグ』…………。
『イドマ』私は人でも、況してや夜森人でも御座いません。ただの……遣いの者です。
何者。
