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四話 あの子の家に突撃だ!
「ここか」
着いたのは豪邸。
いや、マジかよ。こんなデカイ家に住んでたのかあの子。
扉に手をかけると……ブザーが鳴った。
「え?」
『指紋認証システムが不審者を感知しました。直ちに射殺します』
「……ええー!」
俺は死んだ。
◇
「あっひゃひゃっ! 面白い死に方だ! もひとつ命をやろう。今度は死ぬなよ!」
◆
目が覚めると、そこは自分の家だった。
「あれ? 俺、撃たれて……」
混乱しつつも家に入り、冷蔵庫のジュースを呷る。
菓子の袋を開けてボリボリ食ってると、背後から何故か物音がした。
俺以外はいない世界のはずなのに、だ。
「誰だ!」
そこにいたのは、一人の男の子だった。
まだ小学生くらいだろうか。
扉からそうっとこちらを伺っていた。
「あ、あのぅ、ぼく、なにもわからなくて……いなくなってて」
どきん、と胸が弾んだ感覚がした。
「そう、大丈夫、こっちおいで。ジュース飲む?」
唐突に精一杯の美少女を演じてみた。
さて、どうなる。
「やっと人に会えた……おねえちゃん、ありがと。でも服着て……」
「あ、うん。ごめんね」




