その3
6
シン--ゼー太のその一言に、室内は水を打ったように静まり返った。
「……冗談はよしてくれ」
やっとの思いで言葉を紡ぎ出したエルフリードに、ゼー太はわざとらしく肩をすくめてみせた。
「やだなぁ、オレは冗談なんか言わないぜ?」
そう言うとゼー太は今度ははっきりと、蒼白な顔のフランを指さして宣言した。
「その娘が適任だ。てか、オレはその娘じゃなきゃ、ヤだね」
「い……いい加減にしてくれ!」
それまでどれだけゼー太がふてぶてしい態度をとっても自制心を失わなかったエルフリードが、そのとき初めてたまりかねたように叫んだ!
「フランは剣を握ったこともない優しい少女だ! それを戦場に、まして《戦士》にするなど……そんな危険なマネをさせられるものかっ!」
「そうよ、あなたそれでも男なの!」
「恥をしらんか恥を! か弱い乙女を戦場に送るなど、騎士道にもとるわっ!」
「そうじゃ、そうじゃ、あんまりじゃわい!」
セシリア、ベック、果ては大神官まで加わっての非難囂々だったが、ゼー太はどこ吹く風といった顔で聞き流している。
「き、貴様! 聞いとんのか!?」
うがぁぁぁ!! と襲いかかるベックを、ラケットに変えた右手で三度吹っ飛ばした後、ゼー太はやれやれとため息をついてみせた。
「どうも勘違いされてるみたいだが、別にオレは自分の好みだけで言ってるんじゃないぜ。困ったことにどうもそのお下げちゃんが、オレの《使用者》として《生体登録》されちまったようなんだよな」
「ど、どういうことだ!?」
「いや、オレはその時は寝てたから良くわからねぇんだケド、オレの《冷凍保存》が解除される時に、お下げちゃんのDNA情報がこの時代の新しい《使用者》として登録されちまったみたいなんだよね。もしかしてお前、そこの認証パネルを操作したんじゃないか?」
(ま、まさか……!?)
ゼー太が視線を向けた方向にチラリと目をやって、さーっとフランの顔がますます青ざめる。間違いない。自分が転んだ拍子に色々と押したり触ったりしてしまった機械だ。ゼー太が言ってる内容自体はフランには難しすぎたが、ただ自分のドジがとんでもない事態を招いてしまったことだけは良く分かった。
「まぁ《マスター》じゃなくても機動できないわけじゃないんだケド、《専用機ボーナス》とかが付かない分、大幅にステイタスがダウンしちゃうんだよなぁ。だから最適なのはあくまでその娘ってわけ♪」
そこまで言うと、ゼー太は再びタチの悪い笑顔を浮かべて挑発的に言った。
「イヤなら別にいーんだぜ? 別に。オレはこの王国が滅びようが滅びまいが、どーってことはねーんだから」
その途端、丁度おあつらえ向きに再び《封印の間》を震動が襲った。そしてその大きさは更に増している!
「ほれ、もう魔獣は上の神殿の目前まで迫ってるぜ。時間ねぇぞ」
「……この、悪魔め……!」
歯がみをしつつゼー太をにらみつけるエルフリード。
だが、ゼー太はその視線を真っ向から受け止めると、不敵に笑ってみせた。
「悪魔か……そう言われたこともあったっけなぁ」
しかし、ほんの一瞬だったろうか、そのまだ幼い顔に自嘲めいた影がよぎり、そして誰に言うでもなく、その唇からかすかなつぶやきが漏れた。
「悪魔と呼ばれるのはいい。だけどもう悪魔にならされるのは御免なんでね」
そのゼー太の表情の変化とつぶやきは、怒りに熱くなりすぎているエルフリード達には届かないほど小さなものだったが、しかしフランは何だかハッとして、ゼー太を見つめた。
(……何、今の? それに『悪魔にならされる』って……一体??)
見間違えだろうか。なぜだかその瞬間、フランには目の前の黒髪黒目の《魔神》が、まるでひどく傷ついた--子どもそのもののように見えたのだ。
だがそれもほんの一瞬で、ゼー太はすぐに元のふてぶてしい態度に戻ると、エルフリードに向かって挑発的な言葉を投げかけた。
「とにかく、誰が何と言おうとオレはそのお下げちゃんじゃないとヤだね。レルム百万の民とやらとどっちが重いか、よーく考えてみな。王子様よ!」
「くっ……!」
エルフリードは途方に暮れたような顔で、自分の背中にしがみついて怯えている、弱々しく、可憐な少女に振り返った。
そのスカイブルーの瞳の中に、この王国を守らねばという使命感と、だからといって妹のように可愛がってきた年端も行かぬ少女を利用することへの嫌悪が、複雑に絡み合い、のたうっている。
(王子……!)
その端正な横顔が、苦悩の影で色濃く染まっているのを見た時--フランの心は、決まった。
「王子……私、やります!」
「……フ、フラン……」
「やらせてください。レルムのために……!」
そして何よりも王子のために……フランはそっと心の中だけで続けた。
その言葉を口にしてしまえば、エルフリードをますます苦しめてしまう。だからかわりにただ気丈に微笑んでみせたフランの手を取ると、エルフリードはその場にがっくりと膝をついた。
「……すまない……すまない……」
「そんな……王子、お顔を上げてください!」
私は嬉しいんです。確かに凄く怖いけど、でも王子に助けてもらってから早4年、初めて本当の意味で王子のお役に立てるんですもの。たとえ命を落としたとしても、私は幸せな娘です--
「オーバーだなぁ。まるで死ににいくみてぇじゃねぇか」
感慨に浸っていた所に、無遠慮に水をさされたような気持ちがして、ちょっとムッとしてフランは抗議の視線を送ったが、ゼー太がどうやら幾分ふて腐れているらしいのに気付いて、思わず目を丸くする。
「オレは最強無敵の魔装兵器だぜ? そんなオレを装着して戦うんだから、お下げちゃんの安全は100%保障してやる。かすり傷一つだって付けねぇよ」
その口調はまるですねた子どもみたいで、どうやらゼー太的には自分の性能を信じてもらえてないようで、かなり不満らしい。やっぱりこの自称『最強無敵の魔装兵器』さんは見た目の通り、まだまだ心は子どもなんだ--そう思えると、フランはそれまでの緊張が少しほどけた気がして、思わず微笑んでいた。
「と……とにかくだな!」
そんなフランの様子に気付いたゼー太は、一瞬鼻白んだ様子を見せたかと思うと、心なしか慌てて元の尊大な態度に戻り、一同に向かって高らかに宣言した。
「良し、なら契約成立だ! 『魔装兵器使用関連特別措置法第7条』に乗っ取り、そのお下げちゃんをオレ様の《エルガイザーの戦士》--つまり《マスター》として認めてやろう! たった一回だけ、それも超特別に力を貸してやるから、ありがたく思えよ、《マスター》!」
「……『お下げちゃん』じゃなくて、ちゃんと『フラン』って呼んでよぉ……」
とても《マスター》と呼ぶ人間に対する態度とは思われないその言いぐさに、思わず苦笑するフランであったが、まぁでもそのおかげで更に緊張がほぐれて良かった--
そのときであった!
ドオォォォォン!! これまでに最大の激震が室内を襲い、今度はさすがに立っていられずに、ゼー太以外の全員がその場で転倒する。しかも今度は、数秒の間をおいて連続的に衝撃が伝わってくるのだ!
「やばいな。城が破壊されて、もうヤツはこの神殿の目前にまで迫ってやがる。やるなら早くしないと間に合わないぜ」
「ど、どうすればいいの?」
激しい震動にそれまでのほぐれも消し飛んで、再び恐怖が心の中で暴れ回るのを感じながら、フランは泣きそうな声で問いかけた。
「簡単さ」
そう言うと、ゼー太はおもむろにその腰につけていた大きなベルトを取り外すと、それをポイと無造作にフランのもとに投げてよこした。
大きなバックルが、床に落ちた瞬間にガシャンと重い音を立てる。一体素材は何でできているのか、キラキラと不思議な赤色に輝くベルトの中央に位置する白銀のバックルには、《Ζ》の文字が黒々と刻まれていた。
「……これは?」
「そのベルト--まぁ正式には《Ζドライバー》って言うんだが、それをまず腰につけるんだ」
「う……うん」
フランはゴクンと息を飲んで、取りあえずは言われた通りにベルトを腰に巻いてみた。長さ的にはほぼ問題なく、しかも向かい側の先端をバックルにはめた瞬間、まるでぴたっと身体にくっつくかのようにフィットする。
「はめたか? そしたらちょっとそこからは複雑だから、良くオレの動きを見て覚えるんだ。わかったか?」
「うん、わ、わかったわ!」
ゼー太の真剣な口調に、フランも再び緊張の息を飲むと、少年が次に起こすであろう行動に意識を集中させた。エルフリードたちも固唾を飲んでそれを見守る。
「……いいか、まずは、両手をこう手の平を下に向けて左に向けて突き出す。その時右手は左肩の辺りで止め、左手は思いっきり伸ばすのがポイントだ!」
「う、うん!」
「そうしたら続けて今度は両手を右に向けて動かす。左手は右肩の前辺り、そして右手はまっすぐ。要はさっきの逆だ。そしてその時、手をピンと伸ばすと同時に高らかに叫ぶんだ。いくぞ、『魔装変身』!!」
「え”っ? それ叫ばなきゃダメなの??」
思わず声を上げるフランを完璧にスルーして、ゼー太が続ける。
「そしてその後は『エル……』と言いながら、そこからゆっくりと弧を描くようにして両手を左上に回していって……」
「ねぇ、ちょっと、無視しないでってば!!」
「うるせぇ! 黙って良く見とけ! そして両手がまっすぐ空に向いたその瞬間に、すかさず右手は左脇腹の前、左手は左肩の前辺りで構えて、それぞれ拳を握る!」
「えっ、えっ!?」
思わぬ動きの変化についていけずにおろおろするフランを気にした様子もなく、ゼー太は一人ノリノリでポーズを続けた。
「そして拳を握った瞬間、全身全霊を込めて叫ぶんだ! 『ガイザー』!!……ってな。そしてそのまま大きくジャンプすると、モーションと音声がドライバーにちゃんと認証されていれば変身完了。ふう、どうだ簡単だろ? さ、やってみな」
「………………」
ぼーぜんとするフランの前で、こともなげにゼー太が言い放つ。
(そ、そんな……あんなのを王子の前でするなんて……)
フランはちらりと自分を見守るエルフリードの顔を横目でみた。エルフリードも同じく呆然としている様子だったが、自分に向けられた視線に、心配と同時に何とも言えぬ『同情』の色が浮かんでいるのに気づいて、フランはボッと顔から火が出そうになった。
(な、何だかすっっっごく恥ずかしいよぉぉぉ!!)
「ほら、どうした《マスター》。早く変身してくれよ」
あきらかに少女が恥ずかしがっているのを分かった上で、ゼー太がニヤニヤと催促してくる。どうやらゼー太にとって、フランが恥ずかしがって赤面する姿は大変ドS心を刺激される模様であった。
「え……えーと……」
やむを得ずぎこちない動きでポーズを再現しようとするフランだったが……
「バカ野郎! 動きにキレが無い! もっと気合い入れろ!」
「えと、えと、こうやって、こうやって、で、ま……まそうへん……しん」
「声が小さい! そんな蚊の鳴くような声で、《Ζドライバー》が反応するか! この部屋に響き渡るぐらいの声で叫ばんかい!」
「ふ、ふえ~ん!! そんなのムリだよぉぉ!!」
あまりの容赦ない罵倒っぷりに、もうすっかり涙目のフラン。それに飲み込みの悪い自分も情けなかったが、それ以上に周囲からの視線が痛すぎる! なぜならば全員の瞳がはっきりと語っていたのだ。「ホント申し訳ないけど、自分じゃなくて良かった」と。
「仕方ねぇだろ。俺たちを開発した科学者どもが、悪ノリでつけた設定なんだから! オラ、泣いてないでとっととやりやがれ!」
(うう……その東方の《科学者》って人たちのこと……絶対恨んでやる……)
しかしそこは生真面目な性質なので、何とか涙をぬぐってフランが再度変身ポーズに挑戦しようとした、またそのとき--!
ドゴォォォォン!! 今度の衝撃はそれまでの比では無く、部屋自体が激しく揺さぶられるとともに、天井の一部がガラガラと崩れ落ちた。
「うぉぉぉぉぉっ!?」
「ひぃぃぃぃぃ!?」
「……きゃぁぁぁぁ!」
キシェウウウウウウン!! たまらずに床を転がる一同の耳に、続けて凄まじい魔獣の方向が響き渡る。間違いない、魔獣はもうこの神殿にまでたどり着き、破壊を始めているのだ!
「ちっ、デカブツめ! 思ったよりパワーがありやがるな!」
初めてゼー太の顔にわずかながら焦りの色が浮かんだ。地中深くに設けられた《地下格納室》とはいえ、真上からあれだけの重量での攻撃を受け続けたらさすがにもたない!
しかもその時、さらに予期せぬ自体が一同を襲った!
ガリガリガリガリ! 不意に何かを削るような鈍い音がしていたかと思うと、突如天井の一角が轟音と共に突き破られた!
「何だっ!?」
「うぉぉっ!?」
床に転がされたまま天井を見上げるエルフリードたちが絶句する。
それは人間の身体近い大きさのある巨大なネジのような物体であった。そしてその尖端はギュルギュルと奇怪な音を立てつつ高速で回転している!
エルフリードたちには知る由も無かったが、それは魔獣ギガ・ゾームの六つに分かれた尾の一つであり、旧世界の《バイオテクノロジー》が生み出したこの異形の怪物は、その尋常ならざる嗅覚で地中に潜む彼らの存在に気が付くと、その自在に伸びる尾の尖端をドリルのように回転させて地面を掘り進み、そのまま《シェルター》の天井をぶち破ってきたのだ!
「ちっ……さすがに遊んでる場合じゃねぇか。仕方ねぇ……」
それを見たゼー太は少しばかり残念そうにつぶやくと、何事か呪文のようなものを唱えた。その瞬間、まるでそれに呼応するかのように、床にへたりこんだままのフランの腰でバックルが淡い光を放ち、その中央にある「Ζ」の紋章がそれまでの鈍い黒色から鮮やかな赤色へと変化をとげる!
「……これで《簡易認証モード》に移行だ。《エルガイザー》であるオレ自身が変身を承認したから、これなら『魔装変身!』って叫んでバックルに手をかざすだけで変身できるぜ」
ずどどどど! あっさりとしたその言葉に、危機的状況も忘れ一同が盛大にずっこける。
「じゃあ何で最初からそうしないのよぉぉ!!」
「いや、あのポーズにも意味はあるんだよ。正当な《マスター》以外がオレを悪用するのを防ぐためのプロテクトとしてだな、あえて認証過程を複雑にしてるという……あとはこう、何だ、テンションが上がる的な?」
真っ赤になって抗議するフランに対し、さすがのゼー太も多少歯切れが悪い。
「でもこの場合は意味ないじゃない! 滅茶苦茶恥ずかしかったんだからぁぁ!!」
「いやそりゃまぁお前が赤面するのが可愛……ごほんごほん、固くなってたから少しほぐしてやろうと思ってだな……」
ゼー太が苦しい言い訳を続けようとした--だが、そのとき!
ガリガリガリバリーン! 先ほどの一本に続き、更に数本のドリル尾によって次々と天井が突き破られる。崩落した破片があちこちの機器にぶつかり、小さな爆発がいくつも起きる中、そしてその内の一本は、ゼー太とフランの間にあったわずかな空間を貫き、勢い衰えず床にまで突き刺さった!
「--ひっ!?」
反射的に身体をのけぞらせ、天井を見上げる形になったその瞬間、フランは見た。天井に開いた大穴からこちらをのぞき込む、まるで暗闇の中に燃える鬼火のような魔獣の瞳を!
(-----!!)
恐怖に心臓をわしづかみにされて、フランの全身をがたがたと震えが襲う。もうのけぞって両手を床に突いたその状態のまま、身体を戻すことさえできない。だめ……絶対ムリ……もう……殺されちゃうんだ……
その瞬間、脳裏に浮かんだのは、4年前の忘れられない忌まわしい出来事だった。まだ12歳の少女だった自分は襲撃され炎に包まれた村の中、家で一人必死に隠れていたのをとうとうガルガンテスの兵に見つけられてしまった。そして、今と同じように恐怖にがたがたと震えるだけで動けなくなった自分を、その屈強な男はニヤニヤしながら押し倒し、服をはぎ取ろうとしてきたのだ。
今、自分をのぞき込む魔獣の目はそのときの男と同じだった。圧倒的な強者が弱者を蹂躙しようとする、暗い喜びに満ちた目。目の前にいる存在を、ただ己の欲望を満たすためだけのエサとしか考えていない、そんな残忍で、酷薄な瞳--
あのときはすんでの所でエルフリードが助けてくれた。だが、すがるような思いで視線を動かした先でフランが見たのは、崩落した天井の破片に足をはさまれ苦痛にうめくエルフリードの姿だった。ベックも、セシリアも、大神官も、みな何らかの形で負傷し、床に倒れ伏したまま動けないでいる。
もう誰も自分を助けてくれる者はいない--そんな冷たい絶望が心を一瞬で浸し、光を失ったフランの両の瞳からツッと涙が流れ落ちた……そのときだった!
「この--《馬鹿マスター》がぁぁぁ!!」
怒りに満ちたゼー太の叫びが、絶望の淵に沈もうとしていたフランの心を無理矢理引き戻すかのように叩きつけられた。
「そうやって泣いてりゃ誰かが助けてくれるとでも思ってるのかよ!? そして誰も助けてくれなきゃ諦めちまうのかよ!? 違うだろ! 戦えよ! お前自身の手でっ!!」
ぴくん、うつろだった少女の瞳にわずかに光が宿る。だがそれはまだ一つの意志というよりは、まるでろうそくにともった小さな炎のように、戸惑いと怯えとにか細く揺れ動いている。
「--ちっ! 世話が焼ける!」
そんなフランの様子を見て小さく舌打ちすると、ついにそれまでの余裕に満ちた態度を捨てて、ゼー太はフランのもとへと駆け寄った。そして少女の肩をがしっとつかむと、荒々しく揺さぶりながら続ける。
「わかんねぇのかよ! このままじゃみんな死んじまうんだよ! 今の状況でみんなを救えるのはお前しかいねぇんだ! いいのかよ、それで!? それがイヤならこのオレが力を貸してやるから、戦うんだよ! お前が! 自分の意志で!!」
みんな死んでしまう? イヤだ。そんなのは絶対イヤだ。救えるのはお前だけ? 本当にそうなら助けたい……! でも、でも私みたいな臆病でダメな子に、そんな力なんてあるわけが……
「あ”あ”あ”あ”あ”、もう! めんどくせぇヤツだなぁぁぁ!!」
ゼー太はうがぁと吠えながら髪をかきむしると、再びフランの肩をつかみ、その瞳を至近距離でのぞき込むと、あらん限りの力で絶叫した。
「いいから!! とにかくオレ様の力を信じやがれ、この《馬鹿マスター》ぁぁぁ!!」
(----!!)
その声の中に、怒りやいらだちだけではない、別の熱い何かの存在を感じたその瞬間、フランの瞳に光が戻った。
そしてその瞳が再び、自分たちを踏みにじり、蹂躙しようとする邪悪そのものの化身のごとき魔獣の姿を認めた時--まるでその熱い何かに突き動かされるようにしてベルトのバックルに右手をかざすと、フランは我知らずの内、小さく--でも確かな声でその言葉を口にしていた!
「--魔装……変身……!」
……ということで、ようやく変身にまでこぎつけました(^_^;)
何せフランの性格がこんななもんで(苦笑)
ここまでで前半が終了で、後半はバトルに入るのですが、
でもこっからはノリノリです!(笑)
ぜひ続きもお楽しみくださいね☆゜+.(・∀・)゜+.゜