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40話 緑の人







 フミアキがクーの元へ返却された時、フミアキの意識はなく、あまりに悲惨な状態にクー悲鳴した。

 打ち身、青あざ、打撲と、骨折に至っては、右手の小指が二箇所、ヒビの入っていた鎖骨は見事に折れている始末であった。

 気絶しそうになるクーだったが、気丈にも踏み止まりフミアキの治療のために奔走した。



 王都での医者と呼ばれる者には二種類、内傷を専門とする者と精神を専門とする者に分かれる。

 治癒と言う現象に特化する徒人族の円環陣だが、全てが方陣の力で片付くモノではなかった。

 方陣の素養を持たない者達は、生まれ持つ壁にも負けず日々研鑽を努め、円環陣の手の届かぬ場所への治癒に熱を注いでいた。

 ひとえに、治癒の看板を掲げた徒人族としての誇りの為に。

 しかし、内傷を専門とする医者の言葉は冷たいものだった。

 


「方陣士の治療など、別に放っておけばよいのですよ」



 ――――その内勝手に治るでしょう。この言葉が、方陣の素養を持つ人間への、世間の認識だった。

 全てが同じ認識と言う訳ではないが、認識の一部であるのは確かでそれと言うのも、素養のない人間では治らなかった病魔が、方陣士の場合発症しても気が付いたら治っていた。

 そう言った事が多々ある。

 持つ者を増長させ、持たざる者に羨望させる。



「私が診るべき人とは、あくまで一般の方々ですのでね……では、失礼させて頂きます」

 


 足早に帰宅する医者は、帰り際に一言漏らしていった。



「あの肩はもう駄目ですな。どう言う訳か、ほぼ繋がっている。一生肩は上がらんでしょう。全く、相も変わらず方陣士と言うのは、よく分からん存在だ」



 さらりと恐ろしい結果を伝えて、逃げるように去っていった。

 ぞんざい対応に怒りを覚えるよりも、告げられた内容に力なく消沈してしまった。

 未だ、フミアキは目覚めない。



 フミアキが屋敷に戻ってから、五日の時が経った。

 意識は戻らず、クーはフミアキの看病に勤しむ。何も出来る事はないのだが、動いていなければ不安でしょうがない、と言った風だった。

 当然、無理がたたり周りの人間が心配し、交代でフミアキの側に着く事で決着した。

 明るい内はクーが、暗くなってからはアイリが担当した。アイリが担ったのには、他の者がフミアキの看病を嫌がったためである。



(先生……早く、起きてよ)



 事態に変化があったのは、六日目の朝だった。

 一人の長耳(ちょうじ)族の女性が屋敷に訪れた時、物語の本幕が静かに上がる。











「初めまして、徒人族の方々。私はクローレット、フミアキの知り合いなのだけれども、彼は居るのかしら?」



 朝日が山の峰から顔を出し始めた頃、光を背負うようにして屋敷の玄関に立った女性が居た。

 萌黄色の長い髪はわずかな水気を薫り、小さな顔に収められた琥珀の宝玉には、困惑の色が浮かび上がる。



「あの、私の言葉間違ってたりする?大陸語正しくない?」



 玄関にて対応しているのはアイリだが、珍しく表情筋が動くほど動揺していた。

 目の前の、クローレットと名乗る女性の頭部の一部を凝視している。視線の先には、萌黄色の髪から、特徴的な長い耳が飛び出ていた。

 それは、『長耳(ちょうじ)族』の証である。滅多に徒人族の生活区域に姿を現さない森の守護役が、アイリの目の前に困った顔をしている。



「おはよう、アイリ。あれ、誰かお客様?」



 硬直していたアイリを動かしたのは、クーだった。

 弾かれたように主に頭を下げて、仕切り直しとばかりにクローレットに向き直る。



「お早う御座います。こちらは、クローレット様と仰いまして、フミアキ様を訪ねてこられたようです」



 ――――ご無礼を致しました。そう謝罪の言葉を繋げようとした矢先、クローレットが興味深げな顔でクーを見ていた事に気付いた。

 まじまじと目を向けられたクーは、初めて見る長耳族の特徴的な耳の形に魅入っていたが、ようやく視線に気が付き、不躾(ぶしつけ)かと赤面して礼の仕草を取る。



「し、失礼しました森の方。ぼ……私は、クーエンフュルダ・ミシ・ライッツアと申します」



「その仕草、貴族の方ね。森の田舎者だから無作法を許してほしいわ。今は“ただの”クローレットよ――――あなた、“珍しい種”ね」



 琥珀の双眸は、直球で好奇の言を口にした。

 クーは不快感を覚えるよりも、クローレットが純粋に興味を覚えていると悟った。

 嫌な感じを受け取らず、クー自身も、長耳族の言葉に引かれるモノを感じ、そのまま台詞を返す。



「珍しい……と、言うのは?」



「気に障ったのならごめんなさいね。ただ、居来種(きょらいしゅ)としての、理外(りがい)の力をそこまで有しておきながら、余りにも真っ直ぐにのびているのは珍しいと思ったの」



 長耳族独特の、樹木に例える表現だが、クーはクローレットの指すべき意味を理解する。

 自分の力が恐ろしく、眠れぬ日々もあった事が脳裏に思い起こされた。

 居来種としての力を、制御出来るようになったのもつい最近の事で、一人ではとても真っ直ぐなど在れなかったと、クーは自分の心の内を正直に語る。



「私一人では、この力に壊されていました。傍に居た者と、先生の力があったからに他なりません。しかし、初対面でそこまで言及されるとは思いませんでした」



「だって、何もしなくても感じ取れるのよ。そう言うモノだとしか言いようがないのだけれど、土がよかったのか、それとも水?あなたの、『望外の恵』は何処にいるのかしら」



 深奥の緑を匂わせる女性は、周り持った言葉で茶目っ気を見せた。

 きょとんとした顔のクーは、ここでクローレットの言わんとする意図を見失う。

 失敗に気が付いたクローレットは、誤魔化すように笑顔を振りまき、再度来訪の目的を言い直す。

 その仕草は妙に人懐っこく、クーの持つ長耳族の印象を覆した。



「生育に良いモノを運ぶのが『望外の恵』と言うのだけど、フミアキを指してみたの。えぇっと徒人族で言う『いいひと』でよかったかしら。先生なんて呼ばれるのだから、夢は叶えたようだけど」



「いい……ひと?」



 小首を傾げるクーに、アイリがそっと耳打ちする。

 アイリの言葉が耳朶に入り、神経を経由して電気信号となり、脳へと情報が送られた。その間、ぽくぽくちーん。

 瞬間にクーの頭が沸騰する。よく見れば耳ばかりか、首元まで真っ赤だった。

 慌ててしまったクーだったが、もっと大事な事を理由と言う防波堤にして、感情の大波を押し返す。

 今、一番大切な事は――――。



「先生は、今……森の方なら、何か分かるかもしれません。どうか、どうかッ先生を助けて下さい」



 そう言って、貴族としてではなく、クーとして頭を下げた。











「お手上げね……」



 フミアキの寝室で、ベットに眠るように横たわる部屋主を見て、クローレットは言葉短に答えた。

 独自の方陣を育て、時として自然現象すら操ると言われる長耳族の三面陣。その恐るべき力を備えた長耳族でも無理だと言う。

 ほんの小さな期待だったハズの心は、予想以上に期待して縋っていたのか、クーに大きな衝撃を与えた。

 空気が悪くなった事を察したクローレットが、慌てて言葉を継ぎ足した。



「ごめんなさい、言葉が足りなかったわ。私の言い回しで悪いのだけれど、『根』が閉じてしまっているの。幹や枝、葉の状態は良好よ。ただ、根に関しては、長耳族がどうこう出来る問題ではないの」



「そう……ですか、ありがとう、ございます」



「えぇ、根の領分は、あなた達徒人族のモノでしょう?頑張ってちょうだい」



 知らず知らずに下がっていた頭を、クーは跳ね上げる。

 彼女の言葉の意味が浸透すると、クーの思考は活発に動き始める。まるで、思考と言う閉じかけた扉が閉まらないように、無理矢理つっかえ棒を差し強引に乱暴に扉を開けるように。

 間違っているとか、何の意味だとか、細かい事は一切排除し、心が感じるままにクーは動き出す。



「先生は、助かる?根って、心の事?」



「ほぅ……んんっ、そうね、これは助ける事が出来る状態よ。徒人族の円環陣にしか出来ない特性」



「どうやって!?治癒だけじゃダメだったんだ!外傷は癒せても、先生は起きてくれない!」



「慌てないで、まだ猶予はあるから。ね」



 クローレットが昂るクーを宥める。

 危険な状況ではないと、説明するも、長耳族の鋭敏な感覚を共有する術がない以上、彼女の気持ちは中々クーに伝わらない。

 落ち着かせるように、声音は柔らかく、クーの注意を引くであろう単語を織り交ぜて、クローレットは伝える。



「フミアキは常々口にしていわ。――――方陣とは何ぞや。と、ね」



「先生が?」



「そう、彼とは昔、旅の空を同じくしていたの。徒人族でありながら、まるで種族の差など感じさせない態度だったから、興味を持ったわ。一言で表すなら、『曲がり(こぶ)の木』ね。幹の節々に循環の狂った瘤を備え、あたかもソレが自然だと同居する。決して日に向かって伸びはしない狂木(きょうぼく)の類。後ろの氷の人は理解しているみたいね」



「それが、どうしたと言うのでしょうか」



 突然話を振られたアイリだったが、意に介さず受け流す。

 それをクローレットは、楽しげに首を縦に振る。



「狂木と様々な話題をやりとりしたのを覚えてる。特に方陣には取り分け強い興味を引いていたわ。その時の彼の言葉を借りるのならば、三種族の方陣は不自然だと。徒人族の円環陣は内に向かい、長耳族の三面陣は外に向かい、巌窟族の四方(しっぽう)陣は両者の境となる。ってね。それぞれの方陣の在り様が恣意的で疑問を覚える。何の目的で『おおいなるもの』は方陣を与えたのか?慈悲の心で、なんて世間では言われているが、それならば『暗黒時代』でなくて、どの時代であれ可能性はあったハズ。『おおいなるもの』にも、何かしらの事情があったのではないか」



「発想が飛躍しすぎてる……でも、ちょっと先生っぽいかな」



「順序がまるでデタラメです。いえ、取っ掛りの時点で既におかしい」



「でしょー!今の二人は、昔の私のようだわ。謎過ぎるのよね、知識の出発点が突拍子もないのに、妙に納得させられるのだから。フミアキは、元々が一つだった方陣を『おおいなるもの』が、三つに分けて私達に授けたと予想したのだけれども、正直驚きを隠すのにいっぱいいっぱいだったわ」



「何故なの?」



「だって、本当の事なんだから」



 あっけらかんと答えるクローレットに、二人は唖然とした。

 彼女の言葉が指す意味は、未だ三種族の方陣が未完成だと告げる。



「やはり、徒人族は忘れてしまったのね……その証拠として、合陣があるわ」



 クローレットが例に挙げたのは、徒人族の奥義とも言える合陣だった。

 二人は黙って次の言葉を待つ。



「合陣は、何も徒人族だけに伝わる技術ではなく、長耳族にも巌窟族にも存在するわ。各種族が、己の種族の方陣を別の名で呼ぶのに対して、合陣は統一された一つの名で呼ばれている事。そして、他種族の方陣を使えはしないけれど、陣図を描く事が出来る。使用出来ないのに、何故陣図だけ描く事が出来るのか、それは合陣なくして説明出来ないわ。もっとも、使えないからと、徒人族は合陣の本来の意味を見失ってしまったようだけれど」



「三つの方陣を、寄り合わせるのが合陣……先生の使った方陣は、本来のやり方だったなんて。じゃあ、先生はその事を最初から知っていたの?」



「いいえ、フミアキが私に持論を話してくれた時には、ただ、黙って聞いていただけよ。今はどうかわからないけれど、フミアキは種族の背景すら知らずに、並べられた意味だけで本質に辿り着いた。最初から答えを知っていたとでも言うようにね」



「先生らしいや。でも、僕達に教えてしまってもよかったの?先生も知らない事なんでしょう?」



 既に、クーの話し方はいつもの言葉遣いに戻っているが、その事をアイリは指摘せず、クローレットも気にした様子がない。

 クーの最もな疑問に、クローレットは気にも留める事なく話を続ける。



「今日はそこら辺の事を話しに来たのだから、別に構わないの。そろそろ落ち着いたようだし、本題にいきましょうか。本来ならば、あまり深入りするような手助けは出来ないのだけれど、私にも事情があるし失伝されているとなると仕方がないわね。フミアキが当時、まだ思考実験だけに留めていた合陣があるわ。さっきの口振りからするに、完成しているようだけど、その合陣が今回必要になるの」



 クーとアイリはお互いに目線を交差させ、頷き合う。

 主の意向を受け、アイリは退室する。

 少しの時間が経ち、戻ってきたアイリの手には、先日解読に失敗した紙束が握られていた。



「私達には、理解不能なモノでしたが、おそらくはコレが求めている方陣だと思われます」



「先生には、あとで謝らないとね……」



「その時は、私も一緒に謝るわ。どれどれ……」



 数種の言語が代わる代わる羅列される紙を、クローレットが覗き込む。

 その目は上から下に忙しく動き回り、一枚一枚捲る指の動きも忙しない。

 一通り目を通したクローレットは、目を閉じて黙考に入った。

 そして、再び最初から紙束に目を通す。三度同じ作業をこなし、眉間にしわを寄せて長考に入った。

 クローレットを見守る二人は、ただじっと彼女の導く答えを待つ他なかった。



「呆れた……本当に何処まで知っているのかしらフミアキは」



 腕を組み、一本の木にでもなったかのように動かなかった長耳族が、溜息と共にようやく動いた。

 彼女の言葉は、フミアキの暗号とも取れる紙束を、解読出来たと取れる。

 丁度、昼の時間に差し掛かっていたために、軽食を持ってきたアイリと共に、クーが答えを求めた。



「クローレットさん、分かったの?!」



「全部と言う訳じゃないけど、大方って所ね。もう一度、フミアキの所に行きましょう。知れた所だけなんだけど、今回の事なら対処出来るハズよ」



 ――――でもその前に、腹ごしらえしましょうか。と、アイリの用意していた食べ物を見てクローレットが提案した。










 戻ってきた時から変わらず、フミアキは目を開けないまま静かに胸を上下させている。

 そんなフミアキを見て、クーは決意を新たにする。やっと手がかりを掴んだ今、やる気は漲っていた。

 クローレットは、二人に紙束の内容を説明する。



「フミアキが作っていたのは、とある目的のための方陣よ。昔話を聞いてなければ、何の事か全く推測出来なかったでしょう。私にも読めない文字が多々あったけど、何とか余地が見つかったわ」



「先生の目的って?」



「それは、『世界』に触る方法。馬鹿げた話でしょうけど、フミアキは真剣に検討していたわね。そこら辺の事情は、フミアキの身に深く関わる事だから今は省かせてもらうわ。今回の件に関してのみ抜き出して言うと、私の三面陣とあなたの円環陣を合陣させ――――フミアキの根に潜る」



 準備と言う程のモノはないが、クローレットが二つの陣図を描き、それに合わせるようにしてクーが“あの時”の『形ある紋言』を祈るように紡ぐ。

 そして、クローレットの言う通りクーの意識は薄れ、フミアキのお腹に頭を預けて意識を閉じた。

 クーはフミアキの根の奥、心の中へと落ちていった。










*************** こちら心の中 ***************



「おい」


「……」


「ったく、何時まで泣いてんだよ」


「……」


「けっ、ガキじゃあるまいし、泣いて問題が解決すんのかよって」


「……」


「いい加減分かれよ。もう、ここから離れるべきだってな」


「……っ」


「お前だって、感情とは別で理解してんだろ」


「……さいっ」


「このままあいつらを、俺達に巻き込んじまったらそれこそ」


「うるさいわねっ!」


「ンだと!」


「私だって分からってるわよ!分かってますとも!あんた何かよりもずーーーーーーーーっと分かってるんだから!」


「へーへー、わるーござんした」


「でも、だからってねっ。そう簡単にいく訳ないじゃないの!仕方がないのよ!」


「……それこそ、しょーがねーだろーが」


「生姜だろうが紅生姜だろうが知ったこっちゃないんだから!だって!だって!だってぇ……」


「……」


「……寂しんだもん」


「……」


「悲しんだもん」


「……はぁ」


「辛いんだモン!」


「もんもんうっせーっつーの。三十路のババアが」


「あんだって?!オラ、もう一度言って見ろ!銀の十字架に張り付けて成層圏にぶん投げるぞ!」


「お前の方が悪魔じゃねぇかよ。あーうっせうっせ、オイ、大仏お前はどーなんだよ」


「私は常に中庸を旨とし、正道を歩くが全てです」


「けっ、まーたソレかよ。だから話し合いに結論が出ねぇんだろが、毎度毎度よぉ」


「一番良い解決案を提示したと言うのに、採用しなかったのはあなた達じゃないですか」


「ふざけんなっ!なんで安価なんぞで決めにゃなんねぇんだよ!却下だっ却下!」


「なら今回も、会議はお流れですね」


「あんた達ーーーー!あたしを無視してんじゃないわよ!いい?!クーちゃんの側からテコでも動かないんだからね!邪魔するんなら、河豚の毒抜きの要領で頭だけ出して砂浜に埋めて満潮時にストロー一本で耐久生存レースさせるわよ!」


「鬼かお前は……はぁ、今回は俺も天使(こいつ)につくぜ」


「えっ?!」


「ふむ……今より更に辛い結末を招きますよ?あの男は、自ら気付こうとしていない」


「たりめーだ。頭が堅いからな、あいつはきっと訳も分からず死んでくぜ。まっ、最後の最後にはすこぉーしだけ理解するかもしれんぜ」


「それは……より絶望が深くなりそうな話しですね。つまり、最悪の最悪を開こうと言う事ですか、実に悪魔(あなた)らしい」


「よく分かんないけど、愛は最後には勝つのよ!」


「「いや、男かける男はねー(ない)から」」


「クーちゃんは、最高の逸材!」


「いいでしょう、二対一ならば文句はありません。元々多数決で結論を出す場ですからね。珍しく本来の用向きを形取っただけの話です」


「いちいち、前書きがうぜーんだよ」



「はい、アナウンサーの今井です。今回めっずらしく、本当に珍しく会議が決着を見せました。明日は槍の雨が降りますよコレ、と、言う訳で中継よりスタジオさんへ返しますー」



「はーい、今井さん、お疲れ様です」











「全く、いつになったら気付くのでしょうね」


「あ、何言ってんだ大仏(おまえ)?てか、天使(あいつ)の暴走抑えるの手伝ってくれよ」


「――――大仏さんがログアウトしました」


「オイ!マテ!逃げんな!俺に押し付けてくんじゃねぇぇぇ!」



*************** ここから現実 ***************



 むくりとおもむろにフミアキが起き上がる。

 そこには何故か、自分の腹に頭を押し付けているクーがいた。



「はて、面妖なシュチュ。なんぞなもし、これ」



「なんて頃合で起きるのよ。あなたは……」



 フミアキにとっては久方ぶりとなるクローレットが、心底呆れたように呟いた。

 クローレットの存在に目を白黒させながら、状況に戸惑い言葉を失うフミアキだった。

 なお、彼の中には、現在クーがフミアキを助けるべく潜っている事を、まだ知る由はなかった。






 ここまで読んで頂き、有難う御座います。


 よくよく昔から思っていたのですが、仲間を助けるためにサイコダイブしたのに、助ける前に自力で起きた場合ってどうなるの?っと言う事で、台無しにしてみました。


 さぁ大変、一体クーはどうなってしまうのか?!

 まさかの脳内キャラの再登場で、物語はどんどんカオスになっていく!

 一体読者はついてこれるのか?!もはや見捨てられそうである。


 ご指摘、罵倒ありましたらよろしくお願いします。


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