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魔王とその弟とメイドと勇者2

結局、シーテレリア最初にチョコレートケーキを取り、リリアがチーズケーキ、アストがショートケーキ、シュウがフルーツタルトになった。



「んーーまい!!」

シュウがうっとりとした顔でタルトを頬張る。

「…………美味そうだな。」

あまりの幸せそうなその笑顔に、隣に座るアストは何ともなしに眺める。

「うん??美味いよ!!――あ、魔王も食べたいの??」


「――貴様!!またも兄上の事を魔王と!!どれだけ――」

「だから俺は魔王じゃないって――」

ひとりは激昂して立ち上がり、もう一人は溜め息をついて顔を覆った。

ちょうどそのとき、リリアがお湯を持って帰ってきた。


「お二方様、何をしていらっしゃるんですか??」

ポットを片手に持ったリリアは訝しげに二人を見やる。



「え、あ、いいや。何でもない。」

シーテレリアは慌てて座り直した。

アストはそのまま微動だにしなかった。


「…………魔王??やっぱりタルトが食べたかったのか??」

漸く顔を上げたアストをシュウは覗きこんだ。

「…………いや、別に。」

純粋なその瞳に負けて目をそらす。

「遠慮すんなよ。――はい。」






アストは硬直した。

え、いや待てよ。

はい、って。

あーん。って言えば、もうどこぞのバカップルになってしまう。


いやいや、その前に待てよ俺!!

相手は未成年の少年だ。

ぐるぐる、頭の中で関係あることないことがいっしょくたになってしまった気がする。


「…………………………………………………………………………………………………………………………いらない。」

真っ直ぐで純粋なシュウの瞳に負けて、アストは明後日の方向をみた。



「……不甲斐ないですわね。」

リリアはぼそりと呟く。

ただ一人、それを聞き取った隣に座るシーテレリアだけがその声色におののいていた。


「??遠慮すんなよ。はい。」

フォークですくって、口元へと運ばれるタルト。

そう、彼には別に意図があるわけではない。


「はい、魔王。」

どんどん近づくタルト。

それにあわせ、アストもだんだんと仰け反っていく。

もうアストの目は泳ぎまくっていた。




だが、フォークにタルトを突き刺した秋が、先程よりも気落ちした様子で「……食べないの??」といった。

しゅん、としたその姿にアストは慌てる。


「い、いや、食うよ。」


そう、これは間接キスじゃない。

これは―――……、ボランティアだ!!

意を決して口をあけた。




登録をこんなに……

ありがとうございます!!


頑張ります!!

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