第一話 人の夢
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第一話 人の夢
ーーーー2563年ー人類は滅亡の危機がせまっていた直径11キロメートルの隕石の衝突
これにより地球の8割の生物の死滅及び7割の人口が死んだとされる……隕石による「隕石の冬」氷河期を乗り越えるべくミマニム博士により開発された人体縮小機により人類は20分の1に縮小して地下に潜ることによって人類は生存に成功していた……
時はたち10年……2573年に事件は起きた……昆虫の襲撃である。
クロアリの襲来により人類は生息域の縮小をせざるおえなかった。
これにより対昆虫殲滅人型兵器「バグロス」が作られた。
このバグロスの活躍は目まぐるしい活躍を遂げた。
これにより世界にバグロスの技術は伝播していったが通信装置の劣化、極寒の地上によって人類は各グループに独立していきやがてそこで新たな国家が生まれいく
ーーー2600年ーーーー
かつて「日本」と呼ばれた島国のお話ーーーーーここは日本のかつて大阪で今では「桜火」と呼ばれる国、人口およそ800人
2601年4月 桜火軍学校に入学する若き者たちの物語ーーーー
かつて「大阪」と呼ばれた場所は、もう地図には載っていない。
瓦礫に埋もれた高層ビルの骨組み。
凍りついた河川。
太陽は雲に覆われ、本来の色を失って久しかった。
その地下深く。
人類の生存圏は、まだかろうじて機能していた。
国の名は**「桜火」**。
ひとつの都市国家。
人口およそ800人。
地上の広さに比べれば、あまりに小さな“国”。
その国の中に、ひとつだけ特別な施設があった。
桜火軍学校。
それは「学校」という名前をしているが、
実際は――兵士を育てるための最前線だった。
―――
訓練生達が地下通路を歩いていた。
天井は低く、配管がむき出しになっている。
壁面は金属、床はコンクリート。
換気装置の音が、常に低く鳴っている。
制服は、まだ新しい。
新品の布の匂いが、かすかに残っていた。
桜火の人口は800人。
その中で同い年は、たったの20人前後しかいない。
今日から、その全員が「軍学校生徒」になる。
通路の先に、大きなプラスチックの扉が見えてきた。
【軍学校・第一訓練棟】と刻まれている。
扉が開く。
中は広い――というより、高かった。
縮小された人類に合わせて作られた空間。
だがそれでも、圧倒されるほど広い。
整列した者たち。
誰もしゃべらない。
息遣いと、服の擦れる音だけが響く。
やがて、教官が入ってきた。
軍靴の音が一定のリズムを刻む。
「……諸君、入学おめでとう──とは言わない」
声は低く、乾いていた。
「ここは“夢の場所”ではない。
ここは“生き残る場所”だ」
壁面スクリーンが起動する。
映し出されたのは、荒れ果てた地上の映像。
崩れたビル群。
氷に覆われた道路。
そして……動く影。
それは今の人類にはあまりにも巨大な"昆虫"
「これが、お前たちの敵だ」
教官は続ける。
「そして、これが……唯一の対抗手段だ」
格納庫側のシャッターが、重い音を立てて開いた。
そこに立っていたのは――
人型。
ダイバーのようなそれにはモーターが備えられ簡素な通信機
背中に水が入ったボトルを背負い左右の腕に銀色の盾を携えてそれは立っていた。
バグロス。
皆は一様に、無意識に息を止めていた。
教官の声が、静かに、重く響く。
「2601年度、候補生を宣言する」
床の端末が淡く光る。
生徒たちの足元に、光の円が展開していく。
10人の足元だけ、赤く光っていた。
手首の端末が震える。
そこに表示された文字。
《第3期生訓練対象者に指定》
胸の奥が、ざわつく。
恐怖か。
興奮か。
それとも――運命か。
僕達は、まだ知らない。
この日が、
桜火という国の“未来”と、
自分自身の“生存”を決める、最初の日になることを。
ーーーーーーーーーーーーーー
――訓練:武装操作テストー
訓練生の一人「火野アキラ」はハンドルを握り締める。
一つだけではない。左右に3本ずつ、合計6本の小さなハンドルが並ぶ。
それぞれが機体の腕や武器を制御するためのものだった。
「まずは移動だ」
アクセルを踏む。
ゴムタイヤのように床を噛む重厚な足の振動が、全身に伝わる。
ハンドルを少し右に切ると、バグロスの腕が連動して、左右の“武装アーム”が傾く。
機体全体が、まるで巨大なトラックのように重厚に滑るように旋回する。
《模擬敵、距離10メートル》
警告音が鳴る。
黒光りするクロアリ型機械が、床の溝を勢いよく突進してくる。
甲殻の光沢が暗い格納庫のライトに反射する。
「攻撃!」
火野は両手のハンドルを同時に握り、武装アームを起動する。
クロスボウ型の武器が前方に展開される。
武器の先端には、細い爪楊枝5本が装填されている。
発射ボタンを押すと――
パシュッ!
爪楊枝が一斉に飛び出す。
まるでショットガンの散弾のように、扇状に拡散して敵に向かう。
5本すべてが正確に、クロアリ型機械の甲殻に突き刺さった。
振動がハンドルを伝わる。
「うおっ、すごい反動だ…!」
火野は片手で微調整しながら、もう片方で機体を前進させる。
クロアリはすぐに反撃態勢。
鋭い爪が床を叩く音が響く。
火野は左のハンドルを素早くひねり、バグロスの腕を回転させて爪を受け流す。
アクセルで前進、ブレーキで一気に止め、回避。
まるでレースゲームを操るかのような操作感だ。
ハンドルの反動とアクセルの感覚に、身体が少しずつ慣れていく。
次の瞬間、火野は新しい攻撃を試す。
「もう一回!」
両手のハンドルを同時に操作。
クロスボウ型の武器を連動させ、爪楊枝を再装填。
狙いを定めて――パシュッ!
扇状の5本の爪楊枝が、クロアリの前脚と甲殻に突き刺さる。
「よし、回避と攻撃を同時にできるようになってきたな…」
重厚な振動、複数のハンドル操作、ショットガンのように拡散する爪楊枝の発射。
バグロスはもはや“操縦する兵器”というより、“巨大戦闘車”の感覚に近い。
教官が低く呟く。
「戦場では、これを“直感”で使え。考えた瞬間、死ぬぞ」
火野は深呼吸した。
恐怖と緊張の中で、確かに自分が“戦う機械の一部”になった感覚が芽生えていた。
彼らは訓練を終えると空腹を満たしに食堂に向かう。
桜火軍学校・地下食堂(夕食)
天井は低く、太い配管が何本も通っている。
照明は白く、どこか冷たい。
長机がいくつも並び、
金属の盆が規則正しく配置されていた
そのひとつに、十人が腰を下ろしていた。
乾いた音。
火野アキラが、パンを割った音だった。
人類の大きさはかつての20分の1。
パン一切れは、小石ほどの大きさ。
それでも今の人類には大きく、また乾いてて硬い。
歯を当てた瞬間、
ぱきり、と乾いた音が口内に響く。
唾液が足りない。
喉が、わずかに詰まる。
皿の上には――黒い塊。
焼かれたクロアリの脚。
一本の長さは、
彼らの身長ほどある。
だが、すでに分解されている。
外骨格は砕かれ、
中の繊維質の肉が、
細かく裂かれていた。
香りは……煤。
そして微かに、鉄の匂い。
アキラは、
それを手に取った。
指先ほどのサイズに加工された肉片。
光沢のある黒。
表面はカリカリに焼かれているが、
中はまだ、ほんのり湿っている。
それをパンに乗せ、
静かに噛んだ。
音は立たない。
噛むたびに、
じわり、と油が広がる。
……獣とも、魚とも違う。
独特な甘みと金属質の後味。
何ヶ月も訓練棟で学んだ座学よりも、この味の方が、生き残った人類」だと実感させてくる。
隣では、
霧島レンが黙って咀嚼している。
その向かい、
桐生イツキはパンを細かく割り、
一欠片ずつ、舌の上で柔らかくしていた。
隼人ソラは、
無意識に脚の先端をいじりながら、
食べるでもなく、見つめている。
女子たちは言葉が少ない。
桜井ユヅキは背筋を伸ばしたまま、
小さく、ゆっくり噛んでいる。
如月ミオは目を伏せたまま、
音を立てずに
淡々と口に運んでいた。
東雲アヤは、
パンを握る指先に
いつもより力がこもっていた。
月影ナギだけが、わずかに眉を寄せて、
それでも黙って、飲み込んでいた。
食堂は静かだった。
話し声は、ほとんどない。
あるのは――
乾いたパンの割れる音と、
外骨格の欠ける小さな音。
ただ、それだけ。
だが。
アキラはふと、天井を見上げた。
配管の向こう。
さらに上。
そこには――
自分たちの20倍の世界。
まだ、誰も奪い返せていない場所。天国かあるいは地獄か……
今日もまた、
クロアリを食べながら――
人類は、
昆虫に勝つ夢を見る。
お手柔らか~




