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ご飯の後に待ってたのは…裏切りでした

理恵が作ってくれた料理を囲んで、チームの皆は夕食をとっていた。しかし、以前のような賑やかさはもうそこにはなかった。いつもなら戦闘の成果や次の探索の計画について、皆で活発に話し合う時間だったが、最近は口数が減り、どこかぎこちない空気が漂っていた。


特に、佐藤がレベルアップしてからの態度が変わったことが原因で、チーム内の雰囲気が悪くなりつつあった。美咲はいつも控えめな性格のため、何か意見を言うことはほとんどなかったし、山田もあまり口を開かずに食事を進めていた。ただ、佐藤だけは相変わらず楽しそうに話をしており、周りのメンバーは彼に相槌を打つような形で話を合わせていた。


暗い雰囲気が漂う中、真人は理恵の料理を黙々と口に運びながらも、どうしても視線が美咲に吸い寄せられていた。彼女が黙って食事を続けるその姿――特に胸元が気になって仕方なかった。白いブラウスの上からでもはっきりと分かる豊満な胸の膨らみは、スプーンを持ち上げるたびにわずかに揺れ、その動きが真人の視界に焼き付いた。


汗ばむ美咲の肌は、少し光を帯びており、胸元に沿ってほんのりと汗が滲んでいるのがわかった。薄い布越しに見えるそのラインや質感は、柔らかさが伝わってくるようで、真人は思わず息をのんだ。服の生地が微妙に張りつき、形を強調するように彼女の肌に沿っていた。それがますます彼の目を引きつけ、心拍が上がっていくのを感じた。


「こんな状況なのに…俺、何してんだ…」


心の中で自分を戒めながらも、どうしても目を離せない。彼女の胸は、その滑らかで豊かな曲線が暗い空気の中で一際目立ち、汗ばんだ輝きが魅力を増幅させていた。


真人は「このままではよくない」と内心で焦りを感じていた。美咲や理恵、鈴木たちとの距離が以前より遠くなっているような気がしてならなかった。


佐藤の成長に伴い、彼が周囲に対して次第に横柄な態度を取り始めていたことが、皆の間に緊張を生んでいた。佐藤が何か話し始めても、それに対して誰もがただ相槌を打つだけで、本音を言うことはなかった。特に鈴木は、かつては戦略を担当していたにもかかわらず、佐藤に口出しされることで次第に発言を控えるようになっていた。


「なんで、こんなことになったんだろう…」


もう一度、真人はどうしても視線を美咲に戻した。彼女の長い黒髪がしなやかに肩にかかり、その髪が胸元に流れるたびに、真人は無意識のうちに目で追っていた。料理に集中する彼女の表情は真剣で、淡い唇がかすかに動くたびに、彼の頭の中には不適切な妄想が浮かび上がってしまう。


彼女の豊かな胸元に目を移すと、薄手のブラウス越しにわずかに張りついた汗の跡が光って見えた。汗ばむ肌が布地を押し広げ、形を強調している。胸元に垂れた汗の一筋が、ゆっくりと流れ落ちる様子に、真人の視線は釘付けになり、頭の中には次々といやらしい想像が膨らんでいく。


「まずい…でも、どうしても目が離せない…」


心のどこかで、このままではいけないと分かっていたが、彼はその魅惑的な光景から逃れることができなかった。美咲の頬が少し赤らんでいるのもまた、彼の妄想をかき立て、胸元をじっと見つめることをやめられないでいた。そんな中、このままではいけないと感じていた。彼は何かを変えるべきだと思いながらも、どう行動すべきかが分からなかった。


その日の探索も順調に進んでいた。ダンジョン内の進行は着実であり、チームメンバーの戦闘力も安定していた。しかし、真人はどこかいつもと違うような違和感を感じていた。何かが起きる予感が胸をよぎり、それが一体何なのかがはっきりしないまま、彼は周囲に注意を払っていた。


「こんな雰囲気じゃ、これからどうなるんだろう…」


彼がそんなことを考えていると、突然前を行く佐藤が「おい、皆!こっちに来てみろ!」と声を上げた。真人は一瞬、何か重要なものを見つけたのかと思い、急いで佐藤の後を追った。チームメンバー全員が佐藤の声に反応し、足早に彼のもとへ向かった。


佐藤が立っていたのは、天井が高くなり、少し広い場所だった。壁は石でできており、ここが何かの部屋かホールのように感じられた。しかし、暗くて奥がよく見えず、どこへ続いているのかも分からない。真人はその広い空間をじっと見つめた。


「なんだろう、ここ…?」


その時、何かが背後で動く気配がした。真人は直感的に振り返ったが、次の瞬間、信じられない光景が目の前に広がった。佐藤が鈴木の背後に回り込み、突然剣を抜いたのだ。その動きは一瞬のことで、鈴木が気づく間もなかった。鈴木が振り返ろうとしたその瞬間、佐藤の剣が鈴木の腹に突き刺さった。


「――っ!」


鈴木は声を上げる暇もなく、目を見開き、そのまま膝をついた。彼の口元から血がこぼれ落ち、痛みと驚きが混じった表情を浮かべている。仲間たちが何が起きたのか理解するよりも早く、佐藤の剣は深く鈴木の体にめり込んでいた。


「な、何してるんだ…?」


真人は一瞬何が起きたのか理解できず、動けないでいた。頭の中が真っ白になり、現実感が消え失せていく。鈴木は完全に不意を突かれ、致命傷を負ってしまっていた。


「鈴木!」


山田が叫びながら駆け寄ろうとしたが、すでに手遅れだった。佐藤は冷たい目で鈴木の体から剣を引き抜き、そのまま鈴木が地面に崩れ落ちるのを見下ろしていた。


「おい、佐藤…何をやっているんだ!?」山田は混乱しながら叫んだが、佐藤は何も言わずにその場に立ち尽くしていた。


「佐藤…どうして…?」


真人は呆然としたまま立ち尽くしていた。自分たちの仲間だったはずの佐藤が、なぜこんなことをするのか理解できなかった。仲間を裏切る理由が思い浮かばない。確かに、佐藤は最近横柄な態度が目立っていたが、それでもここまでのことをするとは考えられなかった。


鈴木はもがきながらも、手で腹を押さえ、必死に息をしようとしているが、その呼吸は弱々しく、もう助からないのは明白だった。美咲が急いでヒーリングを試みようとするが、その様子を見た佐藤は、冷たく「無駄だ」と言い放った。


「どうして…どうしてこんなことを…」真人は佐藤に問いかけたが、佐藤は無言のまま彼をじっと見つめた。その瞳には、冷たく無感情な光が宿っていた。


「お前らにはもう用はない…」


佐藤がつぶやいたその言葉は、静かなホールに響き渡り、チーム全員の心に重くのしかかった。

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