裏切りの再会、バトル開始!守るために立ち向かえ
佐藤は相変わらず軽い調子で、にやにやと笑みを浮かべていた。手には豪華な装飾が施された一振りの剣が握られている。黒く輝く刃に、血のように赤いルビーが埋め込まれた柄。力を秘めたそれは、見るからに強力だが、彼はその剣をプラプラと遊ばせるように扱っている。まるで周囲の緊張感を感じ取っていないかのように、わざと隙だらけに見せているようだった。
真人はその油断を感じつつも、慎重だった。佐藤が単独でいるとは思えない。佐藤と共に裏切った理恵が、どこかに潜んでいるはずだ。彼女がいないことが、不気味さをさらに強めていた。周囲を警戒しつつ、視線を絶えず動かす。
一方で、ミリアは佐藤を鋭い眼差しで睨みつけ、双剣を手に構えていた。突然の襲撃にも対応できるよう、いつでも動ける体勢だ。彼女は真人の指示を待っているが、その目には迷いはない。
ルーナもまた、佐藤を警戒しながら周囲に気を配る。空気は張り詰め、いつ爆発してもおかしくない状況だった。
「お姉ちゃん、知ってるか?」と、佐藤が突然ミリアに話しかけた。軽い調子のままだ。「そいつの趣味さ。卑猥な格好させて、ほぼ裸みたいな女の子の模型を粘土で作るんだぜ?まさにお前みたいな格好だよ」
佐藤の言葉に、ミリアは何も反応を見せない。ただ、鋭い視線を彼に向け続ける。佐藤はそれに少し苛立ちを覚えたようだった。
「お前、弱みでも握られて、着せ替え人形にでもされてるのか?かわいそうに。首輪までされて…、おい、真人、まさかこの子をペットにでもするつもりだったんじゃないのか?」
ミリアは、相変わらず黙っていた。だが、彼女の双剣を握る手が、微かに震えていた。怒りが、その細い指先にまで伝わっているのがわかる。
「なぁ、お姉ちゃん、俺の仲間にならないか?」佐藤は調子に乗った様子で、さらに問いかけた。「そっちの使えないやつより、俺と一緒の方がずっといいぜ」
それでも、ミリアは反応を見せない。佐藤の目に苛立ちが浮かび、その軽い調子が少しずつ崩れていく。
「真人が出来損ないだってことは、俺が一番よく知ってる。このダンジョンで死なずにここまで来れたのも、その子のおかげだろ?その子は俺が貰ってやるよ。安心して、死ね」
その言葉が引き金となった。佐藤が剣を振り上げ、真人に向かって襲い掛かる。動きは速く、真人は反応が遅れた。しかし、ミリアがすぐに動いた。双剣を交差させ、佐藤の剣戟を受け止める。金属の衝突音が響き、火花が散った。
「なかなかやるじゃないか」佐藤は笑いながら言うが、その言葉の直後、彼はミリアの腹に強烈な蹴りを入れた。ミリアは吹き飛ばされ、壁に激突する。鈍い音が響くが、彼女はすぐに立ち上がり、再び佐藤に向かって斬りかかった。
その動きは速く、正確だった。ミリアの双剣は鋭い軌跡を描き、佐藤の剣に連続して叩き込まれる。音もなく剣が交わり、互いの技量がぶつかり合う。しかし、佐藤も簡単には負けなかった。彼の剣捌きは予想以上に巧みで、ミリアの攻撃を巧みにかわし、時折反撃の刃を放つ。
「シュッ、カキン、カシュッ」剣と剣がぶつかり合う音が、激しいテンポで繰り返される。ミリアは連続攻撃を仕掛け、次々と佐藤に迫っていくが、彼もまた、冷静に応じていた。スピード感のある戦いが続き、まるで舞うように二人は剣を交わす。ミリアの双剣が高速で振るわれ、佐藤の剣がそれを受け流すたび、金属の音が響き渡った。
「守られてばかりで、自分じゃ何もできないんだな」佐藤は真人に冷ややかな視線を送りながら言った。その言葉が、ミリアの怒りをさらに煽る。
ミリアは激しい息を吐きながら、再び構えを取った。目は鋭く、怒りの炎が燃え盛っている。だが、彼女の攻撃に集中するあまり、ルーナの背後に忍び寄る影に気づけなかった。
その瞬間、真人の視界に不気味な動きが映った。理恵だ。彼女が短剣を手に、ルーナの背後に忍び寄っていたのだ。間一髪で、真人はルーナに向かって飛び込み、彼女を庇うように体を入れた。
理恵の短剣が鋭く真人に迫る。だが、彼は間一秒のタイミングでそれをかわすことに成功した。理恵は冷ややかな笑みを浮かべながら、次々と短剣を投げてくるが、真人はそれらを寸前で避け続ける。
「理恵…」真人はその名前を噛みしめるように呟きながら、彼女の動きを注視する。理恵の攻撃に集中しながらも、佐藤の剣から目を離すことはできなかった。二人の敵を同時に相手取る状況が、彼をさらなる危険に追い込んでいた。
「ルーナ、後ろに下がって!」真人はルーナに声をかけ、彼女を理恵の攻撃範囲から避難させる。だが、佐藤と理恵が揃ったことで、戦況はますます厳しいものとなっていった。
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