乾いた喉と砂のヌシ、今日も試練だらけ!
砂地が広がる階層を進んでいると、乾燥した空気が一層喉を渇かせてきた。目の前に広がる砂は、今までのダンジョンの雰囲気とは異なり、どこか不穏な気配を漂わせている。
「何か…嫌な感じがします。あなた様…」
ミリアが慎重に辺りを見回しながら、真人に静かに話しかけた。彼女の声はいつもながら穏やかで従順だが、その警戒心は隠せない。
「気をつけろ。周りに戦闘の跡があるな…何かがこの先にいるのは間違いない。」
真人も周囲に散らばる骨や壊れた武器を見て、緊張を高めた。ここで何か大きな戦いがあったことは明らかだ。
「わかりました。何かあれば、すぐに従います。」
ミリアは真人の指示に従い、双剣「ブラックフェザー」を握りしめた。
突然、足元に僅かな揺れが走った。次の瞬間、砂の中から巨大なムカデのようなモンスターが這い出してきた。その体は岩のように硬く、無数の足が砂を掻き分けて蠢いている。
「来たか…!数が多いぞ、囲まれないように気をつけろ!」
真人は素早く指示を出し、ミリアが一歩後退する。ルーナが真人の肩に止まって、鋭い声で念話を送ってくる。
「気をつけなさい。砂地には何かが隠れている。ムカデはおとりかもしれないわ。」
ルーナの冷静なアドバイスが頭に響く。真人はそれを聞いてさらに警戒を強めた。
「ミリア、まだ前に出るな。敵の動きを見ろ。」
「かしこまりました、あなた様。」
ミリアは一歩後ろに下がり、慎重にムカデたちの動きを観察する。その瞬間、周囲の砂からさらに複数のムカデ型モンスターが現れ、二人を包囲し始めた。
「一気に数が増えたな…どうする?」
ルーナが再び念話で問いかける。
「まずは数を減らす。ミリア、蒼風の刃を使え。周囲のムカデを削るんだ!」
真人は的確な指示を出し、ミリアが従順に頷いた。
「承知しました、蒼風の刃を…!」
ミリアはブラックフェザーを構え、風の力を双剣に宿す。剣の刃から青白い風が吹き出し、それがムカデたちに向かって激しく巻き上がった。
「蒼風の刃!」
彼女が力強く叫ぶと、風の刃がムカデの群れを襲い、無数の足を切り裂いていく。砂の中に潜んでいたムカデたちが一気に削られ、周囲の状況が少しだけ好転した。
「いいぞ!だがまだ来る…!」
真人もすかさずクレイクラフトのスキルを発動し、砂地に巨大な岩の障壁を作り出した。それによって敵の動きを封じ込め、ミリアが次々と双剣で敵を切り裂いていく。
「ミリア、すごい動きだな。だが、油断するなよ。」
「ありがとうございます、あなた様。気を引き締めて…!」
ミリアは従順に頷きながら、さらに素早い動きでムカデの間を駆け抜け、双剣を次々と振るった。彼女の攻撃は正確かつ俊敏で、一瞬で複数のムカデを倒していく。
「数は減ってきたな…だがまだ油断できない。」
真人がそうつぶやいた瞬間、再びルーナの声が響いた。
「気をつけなさい。今までの敵とは違う…何かが砂の中で動いているわ。」
その言葉に、真人は周囲を見回した。そしてすぐに気づいた。砂の中から、さらに巨大な影がゆっくりと浮かび上がってきたのだ。
「これは…!」
砂から現れたのは、ムカデたちよりもはるかに巨大なモンスターだった。その体は岩のように硬く、無数の触手が蠢いている。砂地のヌシともいえる強大な存在が、真人たちに襲いかかろうとしていた。
「まずい…こいつは厄介だぞ。」
真人はすぐにミリアに指示を出した。「ミリア、距離を取れ!奴の動きをよく見ろ!」
「かしこまりました、あなた様!」
ミリアは一瞬の迷いもなく、真人の指示に従って後退した。そして、冷静にヌシの動きを見極めた。触手が鋭く伸び、砂地を掻き分けて二人を捉えようとしている。
「触手が厄介ですね…どう動けば…」
ミリアが呟いた瞬間、ルーナが再び念話で警告した。
「触手は動きが鈍いわ。ミリア、素早く攻撃を加えれば避けられるはずよ。」
ルーナの言葉に従い、ミリアはさらに俊敏に動きながら、ヌシの触手を斬りつけていった。彼女の動きは一瞬も止まることなく、双剣が次々と触手を切り裂く。
「いいぞ、ミリア!そのまま攻撃を続けろ!」
真人はクレイクラフトで砂の中からさらに岩を作り出し、ヌシの動きを封じるために戦い続ける。
しかし、ヌシの反撃は激しく、触手が次々と岩を打ち砕き、真人にも襲いかかってきた。
「くそっ…!」
真人は必死に回避しながら、さらに大きな岩を作り出した。だが、ヌシはその巨大な体を砂地に沈めてしまい、次の一撃を放とうとしていた。
「ミリア、今だ!奴の頭を狙え!」
「承知しました、あなた様!」
ミリアは一瞬でヌシの頭部に向かって飛びかかり、双剣を振り下ろした。
「蒼風の刃!」
再び彼女の剣が風を纏い、ヌシの頭部に深く突き刺さった。その瞬間、ヌシは体を大きく震わせ、砂地に崩れ落ちた。
「終わったか…?」
真人が息を切らしながら確認すると、ヌシは完全に動きを止め、砂に沈んでいった。
「見事です、あなた様…」
ミリアが息を整えながら、真人に感謝の言葉を送った。
「いや、君のおかげだ。だが、まだ気を抜くな。周りを確認しよう。」
真人も砂地に腰を下ろし、戦いの疲れを感じながらも冷静に状況を見極めようとした。
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