やっと見つけた二人!…と思ったらデカい牛モンスター出現!?
慎重に、静かに、真人は暗い通路を進んでいた。粘土細工の楽しみからは一転、緊張が体に走る。進むたびに増していく不気味な雰囲気に、真人の心は次第に落ち着かなくなっていった。やがて、先が開けた。広場だ。だが、ここは明らかに他の場所とは違う。
「…これは…。」
目の前に広がる光景に、真人は言葉を失った。広場はモンスターの死骸で埋め尽くされていた。凶暴そうなモンスターが、無残に打ち倒されている。皮膚が裂け、骨がむき出しのものや、頭部が砕かれたもの、そして目が虚ろなまま痙攣している者まで、ありとあらゆる死骸が散乱している。血の匂いと腐臭が広場を覆い、息をするたびに具合が悪くなりそうだった。
「一体、誰が…?」
モンスターの死骸の中には、明らかに強力なものも含まれていた。巨大な四足歩行の獣で、体表が岩のように硬く覆われたもの。頭部には3本の角が生えており、その鋭い爪で敵を引き裂いたのだろう。真人はその死骸を見つめ、少しビビった。自分が対峙することを考えただけで冷や汗が背中を伝う。
「まさか…この中に、ミリアやルーナも…?」
最悪の想像が頭をよぎる。もし、この中に彼女たちがいたら…。だが真人は強く首を振り、その考えを振り払った。いや、ミリアやルーナはきっと生きている。自分が彼女たちを見つけるまで、彼女たちも諦めていないはずだ。真人は決意を新たにし、慎重に捜索を続ける。周囲に気を張りつつも、彼の視線はひたすらミリアとルーナを探し続けていた。
しばらくして、壁に打ち付けられた異形のモンスターを目にした。異形のモンスターは、手足を鎖で繋がれ、無惨な姿で壁に固定されていた。全身が引き裂かれ、肉が露出している。そのうえ、身体の一部は焦げ付き、他の部分は腐敗が進んでいる。皮膚からは異常な膿が垂れ、目は完全に白濁していた。その腐臭は、モンスターたちの死骸の中でも際立っていた。
「ひどいな…。」
真人は口元を覆い、吐き気をこらえた。だが、彼にとって重要なのはミリアとルーナの無事。それだけが心の支えだった。この地獄のような広場を通り抜ける中、彼は必死で彼女たちを探していた。
そして、ついに——。
「見つけた…。」
真人の視線の先に、横並びで鎖に繋がれ、壁に固定されたミリアとルーナがいた。彼女たちはぐったりとして、まるで命の灯火が消えかけているかのように見えた。真人の心臓が激しく脈打つ。彼女たちは、まだ生きているのか?
恐る恐る、真人は近づいていく。すると、虚ろな瞳のミリアと目が合った。その大きな瞳には、最初は生気が感じられなかったが、徐々に光を取り戻していった。そして、真人を見つめたまま、ミリアはボロボロと涙を流し始めた。
「あなた様…。」
その声は、か細く震えていた。彼女の声を聞くと、真人はたまらなくなった。ミリアが自分を呼んでいる。その事実だけで、真人は彼女たちを見つけたという安堵感に包まれた。
隣のルーナも真人に気づいたようだ。彼女も、生気を取り戻し、何かを言いたそうに口を動かしている。
「…二人とも…よく頑張ったな。」
真人は無防備に手を挙げ、ゆっくりと彼女たちに近づいていく。今は、ただ彼女たちを解放することだけを考えていた。だが、その瞬間、ミリアとルーナの表情が急に変わった。焦りと悲壮感がその顔に浮かんでいる。
「ん?どうした?」
不穏な空気を感じ取った真人は、すぐに後ろを振り返った。そして彼の目に飛び込んできたのは、巨大な牛の顔をしたモンスターだった。そいつは二足歩行で、大きな棍棒を持ち、力強く振りかぶっていた。
「嘘だろ…!」
その瞬間、真人は反射的に動いた。巨大な棍棒が振り下ろされるその刹那、真人はクレイクラフトのスキルを駆使し、地面から粘土の塊を瞬時に作り出して盾にした。
「うおおおおっ!」
その盾が棍棒の直撃を受け、粉々に砕け散った。だが、真人はその一瞬の隙に身体を横に跳ね飛ばし、ギリギリで攻撃を交わした。巨大なモンスターが、威圧感たっぷりに真人を見下ろしている。
「くそ…こいつ、強い!」
真人は立ち上がり、改めてそのモンスターと対峙した。牛の頭を持ったそのモンスターは、全身が筋肉の塊で覆われており、まるで岩のように硬そうな体躯をしている。目は真っ赤に輝き、真人を狙っていることがわかった。手に持った巨大な棍棒は、わずかに血痕がついていて、その一撃でどれだけの者を潰してきたかが容易に想像できた。
「お前が、ここを支配してるのか…?」
真人は息を整えながら、クレイクラフトのスキルを発動させる準備をした。これまでのどのモンスターよりも手強い相手であることは間違いない。そして何より、今は自分が二人を守らなくてはいけない状況にいる。ミリアとルーナが壁に繋がれたままでは、まともに戦えるはずもない。
「行くぞ…俺は、絶対に負けられない!」
真人はクレイクラフトで作った武器を手に取り、巨大な牛のモンスターに向かって挑む決意を固めた。
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