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罠と鎖_彼を想う二日間の果てに

ミリアとルーナは、別行動になってからすでに二日が経過していた。二人は互いの疲労を押し隠しつつ、迷宮のような通路を進み続けている。無事であるはずの真人の存在だけが、彼女たちに前進する理由を与えていたが、その道中には凶悪な罠がいくつも仕掛けられており、精神も体力も容赦なく削られていた。


ミリアは素早い身のこなしで何度も罠をすり抜けようとしたが、油断できる状況ではなく、彼女も数回は避けきれず罠にかかってしまった。刃や矢が仕掛けられた穴や、仕掛けの床が次々と現れる中で、ミリアは全身にかすり傷を負い、薄汚れていった。長時間の緊張と負傷で、彼女の顔にはいつもの鋭さや強さが薄れ、疲労の色が濃くなっていた。


ルーナもまた、先を急ぎつつも、体力が限界に近づきつつあることを感じていた。足取りが次第に重くなり、何度も顔を上げて周囲を確認するものの、その視線は次第にぼんやりとしてきていた。彼女も罠の危険を意識しながらも、気が散りかけるたびに数度避けきれず、怪我を負ってしまう。「真人さん…無事でいてくれれば…」そう呟きながらも、その声には焦りと疲労が滲んでおり、声量さえも消え入りそうな弱々しさを帯びていた。


ミリアもまた、「あなた様…どこにいらっしゃるのでしょうか…」と低く囁くように呟き、虚ろな目で前を見つめていた。その瞳には、かつての誇りと強さは見当たらず、ただ真人の無事を願う不安と疲労が漂っていた。次第に二人の会話は途切れがちになり、ただ無言で薄暗い迷路の通路を進んでいく。


やがて、ミリアの足取りはますます鈍くなり、視線は焦点を失ったかのようにぼんやりと宙を彷徨い始めていた。「私…もう少しで…」と、虚ろに呟いたミリアはよろめき、壁にもたれるように体を支えたが、その表情は疲労と無力感に満ちていた。彼女の体はこれ以上動けないほどに弱り果てていたが、それでも彼女は真人のことを思い、意地だけで足を動かしていた。ルーナもまた、無理をしながら歩いていたが、彼女の顔にも疲れが色濃く現れ、足取りはますます重くなっていた。


その時、突然二人は体が異様に重くなり、その場に崩れ落ちるように倒れてしまった。「…えっ?」ルーナは驚き、必死に体を動かそうとしたが、まるで鉛のように重く、手足が言うことを聞かないことに気づいた。「な、なんで…体が動かない…?」ルーナの顔には混乱と恐怖が浮かんでおり、目だけで必死に周囲を見回していた。しかし、体はまるで地面に貼り付けられたように重く、一切の自由が奪われていた。


ミリアも同様に、突然体が動かなくなり、もがくことすらできない状況に陥っていた。「これって…罠…?」彼女は困惑した表情を浮かべ、視界が次第にぼやけ始めていく中で状況を理解しようとしたが、何もできずにその場に留まるしかなかった。「あなた様…助けて…」と、かすれた声で呟くミリア。その言葉には悲痛な叫びが込められていたが、誰にも届くことはなく、ただ薄暗い通路に吸い込まれていった。


その時、鈍い足音と共に、巨大なモンスターが二人に近づいてきた。体が動かない二人に対し、まるでその動きを見透かしていたかのように接近してきたのだった。ミリアはその気配を微かに感じたものの、体がまるで石のように動かず、モンスターに抗うことができないまま、冷たい恐怖が胸を締め付けた。


「ミリア!」ルーナは叫ぼうとしたが、その声も消え入りそうなほどに弱く、モンスターの気配が二人の間を取り巻く中でただ体が拘束されていく感覚だけが鮮明だった。モンスターは、二人の状態を確認するように近づき、その太い腕を伸ばし、彼女たちの手足に冷たい鎖を巻きつけ始めた。


冷たく重い鉄の鎖がミリアの細い腕や足に絡みつき、動く余地さえも奪い取っていく。ミリアは意識を取り戻しながらも、鎖が体を締め上げる痛みで顔を歪ませたが、抵抗する力はなく、ただその重さに耐えることしかできなかった。「あなた様…」再び小さな声で呟いた彼女だったが、その声はもはや壁に響くこともなく、消え入りそうに消えた。


一方、ルーナもまた、鎖が冷たく固く足を締め付ける感覚に凍りつき、真人の無事を祈るかのように、心の中で彼の名前を呼び続けていた。「真人さん…お願い…無事でいて…」彼女のかすれた声は、孤独と無力さに打ちひしがれた弱々しい響きを持っており、その声はただ迷路の闇の中で霧散していった。


モンスターは二人が完全に抵抗を失ったことを確認すると、そのまま無造作に二人の体を引きずり、暗い迷路の奥深くへと運び去っていった。二人の体は冷たい石の床を擦り、幾度も硬い岩にぶつかり、痛みが全身に走ったが、彼女たちに反抗する余力はもはや残っていなかった。

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