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膝枕と涙と…ちょっと恋?

ミリアは真人の頭を膝に乗せ、そっと撫でながら、静かに過去を振り返っていた。真人の寝顔を見つめながら、ミリアの心には今まで意識していなかった感情が芽生え始めていた。


はじめて出会った頃、ミリアは何もかも失い、薄汚れた服を着ていた。そんな彼女を真人は哀れに感じたのか、いつも気にかけてくれていた。夜な夜な自分のために服を作ってくれ、恥ずかしそうに「これ、似合うと思ってさ」と差し出してくれた日のことが思い出される。あの時、ミリアは自分がこんなにも大切に扱われるとは思ってもみなかった。


そして、凶悪なモンスターに遭遇したとき、真人は必ずミリアをかばってくれた。自分の命を顧みず、盾となり、攻撃を受けることさえあった。どんなに怖くても、真人の背中を見ているだけで安心できた。そんな日々の積み重ねの中で、彼への信頼は深まっていった。それは、やがて特別な感情に変わっていった。


「信頼しているから」と自分に言い聞かせる。しかし、どうにもその感情はそれだけではない気がして、胸がモヤモヤする。最近、真人と背中合わせで戦っている時も、心の中で何かがじわじわと広がっていくのを感じていた。それが「信頼」だけで片付けられるものではないことに、今、ミリアは気づいてしまった。


──自分なんかが、こんな想いを抱いてはいけない。


そう思って頭を振るが、胸の高鳴りを抑えることはできない。初めて感じる恋心。それがどんなに甘いものか、彼女はまだよくわからない。ただ、自分の中で生まれたこの感情が、否定できないものであることは、もう気づいてしまったのだ。


真人の寝顔を見ていると、その気持ちが一層強くなる。彼が目を覚ましたらどうしよう。今の自分の気持ちがばれてしまうのではないか。そんな不安に包まれながら、優しく彼の頭を撫で続けた。


しばらくすると、真人がうっすらと目を開けた。


「うーん、柔らかい…」


真人はまだ夢の中にいるのか、膝の上で頭を動かしながらぼんやりと言葉を漏らす。手でそっとミリアの太ももを撫で、肌触りを確認しているようだった。


「なんだか…すごく気持ちいいな…」


しかし、そのとき、ぽたぽたと顔に冷たい雫が落ちてくる。真人は不思議そうに目を開け、上を見ると、ミリアの大きな瞳が涙でいっぱいになっていた。


「あ…」


真人はその瞬間、目の前の現実に気づいた。今自分が誰の膝の上で寝ているのか、そして自分が無意識に触っていた太ももが誰のものなのか。そして、その彼女が今、自分を見つめながら泣いていることを…。


「えっ!?ミ、ミリア!?ごめん!!」


真人は慌てて飛び起きた。膝から下りた瞬間、冷や汗が背中を流れる。


ミリアは真人の様子を確認し、「大丈夫ですか?」と、まだ不安そうに尋ねる。真人は少し戸惑いながらも、ミリアとルーナの姿を確認し、全員が無事であることに安堵した。


「皆、無事でよかった…」真人はそう呟き、しばし沈黙が流れる。


しかし、真人は先ほどの状況が頭から離れない。膝枕をしてもらった挙句、無意識に太ももを触っていたことがどうしても気になり、「ミリア、怒ってるのかな…」と内心で焦り始める。だが、ミリアはようやく真人の目をまっすぐに見つめ、声を震わせながら「ごめんなさい」と小さな声で言った。


真人はその謝罪に少し戸惑いながらも、気にするなと言って立ち上がる。何時もの調子であっさりと済ませようとしていた。ミリアも少し遅れて立ち上がるが、破れてしまったスカートを残念そうに見つめ、胸が痛む。真人が自分のために作ってくれた、何より大切なスカートだったのに…。


そんな彼女の姿を見た真人は、明るく言った。


「また作ってあげるから、落ち込むなよ!」


その言葉に、ミリアは思わず目を見開いた。そして真人の優しさに触れ、胸が温かくなるのを感じた。


ルーナはそのやり取りを見て、「でも、あまりいやらしい服はダメよ」と注意する。しかし、真人は全く気にせずに「ミリアに合う服かぁ…」と考え込み、次々とアイデアが浮かんでくる。


「例えば…背中が大胆に開いたドレスとか、ミニスカートにニーソを合わせてみるのもいいかもな…。それに、露出がちょっと多めのやつとか、ボディラインが出る感じで…。」


真人があれこれと想像しながら口にすると、ルーナは呆れたようにため息をつく。しかし、ミリアはそのやり取りを見て、ふと笑顔を浮かべた。


「ありがとうございます、楽しみにしてますね!」


ミリアは珍しく満面の笑みを浮かべ、真人に感謝の言葉を伝えた。その笑顔に真人も照れくさそうにしながら、「あ、ああ…」と答えた。


その一瞬、彼女の笑顔に、真人の胸にも温かい感情が芽生えていた。それが何か、まだ彼にはわからない。だが、ミリアの笑顔を見て、もっと彼女を喜ばせたいという気持ちが湧いてきた。


こうして、二人は再び歩き出す準備を整えた。

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