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スカート破れてパニック中!

ルーナの異常行動が治まり、ようやくダンジョン探索が順調に進み始めた。ルーナは元の落ち着きと品を取り戻し、特有の妖艶な話し方も健在だった。夜になると、三人は休息を取る準備をしていたが、その時、ルーナが突然真人に声をかけた。


「真人、今日は一緒に寝ても良いのよ。ほら、少し冷えるし、私が温めてあげましょうか?」


その声は、上品でありながらもどこか含みのある妖艶な響きがあった。真人は彼女の軽い提案に一瞬たじろいだが、すぐに笑って断った。


「いや、ありがたいけど、ちょっと遠慮しておくよ。自分でどうにかするから。」


ルーナはにっこり微笑み、「いつでも言ってちょうだいね」と、余裕たっぷりに答えた。


そのやり取りを少し離れた場所からミリアが見ていた。彼女の表情は、いつもの穏やかなものではなく、どこか複雑なものだった。それに気づいたルーナが、ニヤリと笑い、からかうようにミリアに声をかけた。


「ミリアも、本当は真人の腕の中で寝たいんじゃないの?」


「そ、そんなことは…ありません!」ミリアはいつもより強い口調で慌てて否定したが、すぐに顔を赤らめてしまった。


「そ、そ、そんなこと…別に嫌だってわけじゃないんですけど、そ、それはちょっと…!」全力でフォローしようとするミリアの姿は、恥ずかしさに耐えるように俯きながら、しどろもどろだった。


その姿を見て、ルーナはくすくすと笑いをこらえきれず、「そう、そう、そういうところが可愛いのよね」と楽しげに言い放った。


ミリアは、顔を真っ赤にしながら、ますます小さくなってしまった。


次の日、探索を続ける三人。ダンジョンの階層が上がると、周囲の様子が一変した。足元は次第に泥濘み、膝まで沈み込む場所も現れた。さらに、木々も見慣れない異形のものばかりだ。高くそびえる木々の枝や葉は、まるで生き物のように鋭く尖り、触れるとすぐに突き刺さる危険性があった。加えて、衝撃を与えると葉から無数の種が弾丸のように飛び散り、まるで散弾銃のように四方八方に撃ち出されるという厄介な存在だ。自然でありながら、明らかに攻撃的なこの空間は、次第に三人に緊張感を強いていた。


「この階層、足元が悪いな…。気をつけないと。」真人が少し疲れた声で言う。


泥に足を取られながらも、なんとか進む三人。だが、その静けさは突然、泥濘から現れたモンスターによって破られた。サメやシャチのような形をした異形の魚類が、泥を滑るように移動し、さらに人魚のような姿をしたモンスターも姿を現した。しかし、その人魚の上半身は男で、見るからに筋肉質な姿に真人は思わずため息をついた。


「なんだよ、人魚って言ったら、せめて女の子を期待するだろ…」


そのぼやきに、ルーナは冷ややかな笑みを浮かべながらも、戦闘の準備を整えた。


魚類のモンスターは、鋭い歯を剥き出しにしながら、泥の中を滑るように動き、三人を囲むようにして攻撃のタイミングを伺っていた。真人とミリアはすぐに身構えたが、足元が泥に取られて思うように動けない。ミリアも持ち前の素早い動きが半減し、苦戦している様子だった。


「動きづらい…これじゃ、うまく戦えません…」ミリアが焦りを含んだ声でつぶやいた。


泥濘の中での動きに苦しむミリアと真人に対し、魚類モンスターは泥の中を自由自在に泳ぎながら、鋭い攻撃を繰り出してくる。ミリアはなんとか攻撃を避けつつも、一閃でモンスターに切りつけた。だが、そのモンスターは弾かれて、近くの木にぶつかってしまった。


「危ない!」ルーナが警告を発した直後、木が揺れ、枝葉から無数の種が放たれた。それはまるで散弾銃のように四方に飛び散り、その一つがミリアのスカートに命中した。ミリアが穿いていたそのスカートは、真人から初めてもらった大切なもので、彼女にとって何よりも大事にしていた衣服だった。ミリアは、スカートの端が破れたのを見た瞬間、言葉を失った。


「う…スカートが…」


彼女の中で、瞬時にあらゆる思いが駆け巡った。これまでの冒険で、何度も真人に助けられ、彼から受け取ったそのスカートが、彼女にとって唯一無二の存在であった。そんな大切なものが、今、自分の手で壊れてしまった。


「私が…私のせいで…」


ミリアは呆然と立ち尽くし、次第にその瞳から光が消えていく。どうすればいいのか、何をすればいいのか、彼女には全く分からなかった。ただ、スカートが破れてしまった事実に心が蝕まれていた。


そんな彼女に向かって、モンスターが再び襲いかかる。だが、ミリアは動けなかった。目の前の危機に反応できず、ただ立ち尽くすだけだった。


「ミリア!」ルーナの叫び声が響くが、彼女はただぼんやりと立ち尽くすだけだった。


その時、真人が彼女の前に立ちはだかり、迫ってきたサメのようなモンスターを防ごうとした。次の瞬間、モンスターの鋭い牙が真人の左肩を深く噛み込み、血が滲み出た。


「あなた様!?」


ミリアはその光景を目の当たりにして、ようやく我に返った。真人は痛みに顔を歪めながらも、振り返ってミリアに声をかけた。


「ミリア、大丈夫か?」


真人の左肩からは血が滲み出し、彼の指先から血がポタポタと垂れていた。それでも彼は気丈に振る舞い、ミリアの心配をする余裕を見せていた。


「私のせいで…私のせいで真人が…!」ミリアは、破れたスカートを見つめながら、真人が自分のために怪我をした事実に打ちひしがれた。


「ごめんなさい…ごめんなさい…私が…」ミリアは自分を責め、涙が次々にこぼれ落ちた。

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