表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/54

俺が作った武器で、彼女は舞う

ダンジョンの暗く湿った通路を歩き続ける中、突然、天井から「カサカサ」という不気味な音が聞こえてきた。ミリアと真人が振り返ると、壁や天井を自在に這い回る黒いモンスターの群れが姿を現した。


そのモンスターはまるで悪夢から現れたような存在だった。黒い足が16本も生えており、一本一本が太くて不気味な白い毛に覆われている。まるで蜘蛛のような姿をしているが、その足の中央に、直接顔が生えているのがさらに気味悪さを増していた。顔は無表情で目が異様に大きく、口は裂けるほど広がり、不自然なほど長い舌がぬめぬめと伸びている。


「うっ…気持ち悪いな…」真人は思わず顔をしかめた。モンスターは天井からぶら下がるように現れ、壁を這い、次々に足音も立てずに彼らへ近づいてくる。大きさはチワワほどであり、一匹一匹は大した脅威ではないかもしれないが、2〜30体も集まっていると、完全に包囲されている気がして、戦慄が走る。


「行きます、あなた様!」ミリアは黒い双剣を素早く構えた。彼女の双剣は、黒光りする鋭い刃を持ち、彼女の敏捷さと相まって恐ろしい武器だった。


「俺も行くぞ!」真人はすぐさまクレイクラフトのスキルを発動させ、掌の上に小さな粘土の塊を作り出す。その粘土を握りしめ、槍のような形状に変えた。そして、その槍を手のひらから高速で回転させて、弾丸のように次々とモンスターに向かって放った。


ミリアは、後ろから飛んでくる真人の槍を感じ取りつつ、まるで背中に目があるかのように器用に避けながら、敵を倒していく。彼女の動きはまるで舞踊のようで、華麗な連撃が次々と黒いモンスターを斬り裂いていった。


「すごい…」ルーナが呟く。「こんなに息が合うなんて、初めて戦ったとは思えないわね…」


真人は一瞬ミリアに視線を送り、彼女の剣捌きに驚嘆した。彼女が手にしている双剣は、真人が夜なべして作り上げた渾身の一品。グリムクロウの爪から生成されたその剣は、驚くほど鋭く、ミリアの戦闘能力をさらに高めていた。


「頼もしいな、ミリア!」真人は感謝の意を込めて叫んだ。


数分もしないうちに、黒いモンスターたちは次々と倒され、最後の一匹も地面に崩れ落ちた。真人とミリアは一息つき、肩で息をしていたが、互いに無傷だった。


「やったな…」真人が振り返り、ミリアに声をかけた。「その双剣、どうだ?使い勝手は悪くないか?」


ミリアは一瞬、ためらった様子を見せたが、優しく微笑みながら答えた。「ええ、とても鋭く、使いやすいです…ただ、最初にこれを受け取ったとき、少し戸惑いました」


真人はその言葉に驚いた。「戸惑った…?」


ミリアはゆっくりと頷いた。「あなた様が作ってくださったことは、とても嬉しいです。でも、元はあのグリムクロウの爪…あなた様があの時、血を流した光景を思い出してしまいまして…」


その言葉を聞いた瞬間、真人もあの日の戦闘を思い出した。彼がグリムクロウに踏みつけられ、血まみれになりながら戦った瞬間だった。彼は苦笑いしながら、ミリアにそっと声をかけた。


「そっか、そうだよな…。俺もあの時は死ぬかと思ったよ。でも、あの爪は今こうしてお前の武器になって、俺たちを守ってくれている。それに、お前がその双剣で俺を守ってくれるって信じてるからさ」


ミリアの頬が少し赤く染まり、彼女は軽く目を伏せた。「はい…あなた様のために、この剣で戦い続けます」


「それで…あの剣、名前はもう決めたのか?」真人は笑みを浮かべながら尋ねた。


ミリアはその質問に、少し考え込んだ後、答えた。「まだ名前をつけていませんでした…」


「そうか。じゃあ、俺も一緒に考えるよ。この剣には特別な意味があるしな。どうだ?『ブラックフェザー』なんて名前は?」


ミリアはその名前を口に出し、考え込むように双剣を見つめた。そして、ゆっくりと頷いた。「はい、とても素敵な名前です。これからは『ブラックフェザー』で、あなた様と共に戦います」


真人はその答えに満足し、微笑んだ。「それならよかった。今までお前が使ってた剣も、悪くなかったんだけどな」


ミリアはすぐにフォローを入れた。「もちろんです!今までの双剣も、とても使いやすくて大好きでした。真人様が作ってくださったものは、どれも大切です…」


真人は微笑みながら、彼女の頭を軽く撫でた。「ありがとな、ミリア。お前がそう言ってくれると嬉しいよ。でも、これからはもっと強くなってもらうからな、期待してるぜ」


ミリアは蕩けそうな表情を浮かべ、少し声を殺しながら「はい…ありがとうございます、あなた様…」と小さく答えた。その瞬間、彼女の表情は幸福そのもので、真人の撫でる手に身を委ねていた。


だが、あまりに彼女が悦びすぎているのを見て、真人は少し気まずくなり、手を引いた。ミリアは少し物足りなさそうに見えたが、すぐに一息つき、元の落ち着いた表情に戻った。


「これからも、よろしく頼むな、ミリア」


「はい、いつでもあなた様のお力になれるように頑張ります」


ルーナがそのやり取りを見て、少し呆れたように言った。「二人とも、仲が良すぎて逆に不安になるわね…」


真人は苦笑いしながら答えた。「まあ、こういう時こそ、頼れる仲間がいるってのは心強いだろ?」


その後、休憩を終えた一行は再び探索を続けた。モンスターを倒した後の静かなダンジョンの中、彼らの足音だけが響いていた。

「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

作者のモチベーションアップに繋がりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ