猫耳少女の感覚がすごい!俺、守れるのか…?
体を休めた真人たちは、再びダンジョンの探索に向かうことにした。先ほどまでの緊張感が少し和らぎ、ミリアの柔らかい胸や肌の感触が脳裏に浮かび、真人の心は妙な高揚感で揺れていた。だが、今はそれを振り切らねばならない。
「ミリア、行くぞ。危険がいっぱいだから、気を引き締めて進もう」
「はい、あなた様。私、気を付けます…」
ミリアは従順な口調で、真人の後ろを静かに歩く。彼女の慎ましやかな態度とは裏腹に、周囲の音や匂いに鋭敏に反応している様子が見て取れた。真人は、彼女が猫耳を持つキャット族であることを思い出し、どれほどの感覚を持っているのか、少し興味を抱いた。
「…少し待ってください」
突然、ミリアが真人の袖を引き、足を止めた。真人は驚いて彼女の方を見る。
「どうした、ミリア?」
「前方に…少し変な匂いがします。金属のような匂いと…血の匂いが混ざっている感じが…」
ミリアの鼻が微かに動き、耳がピンと立っている。真人は周囲を見回したが、自分には何も感じ取れない。
「マジか…俺にはわからないが、そんなに強い匂いなのか?」
「はい…慣れてくると、こういった匂いはすぐにわかるんです。私、モンスターや死体の匂いは…嗅ぎたくないけど…嗅ぎ慣れてしまって…」
ミリアは少し申し訳なさそうに言いながら、遠くを見つめた。彼女がダンジョンに閉じ込められた経験が、今のような鋭敏な感覚を磨いたのだろう。真人は彼女の言葉を胸に刻みつつ、前方の安全を確認することを決意する。
「よし、慎重に進もう。危険があればすぐに教えてくれ」
「わかりました…」
再び歩みを進めた二人だったが、ミリアの耳は途端に反応を示した。彼女の瞳は鋭くなり、鼻もピクピクと動いている。
「聞こえます…」
「何が?」
「モンスターの音です…遠くの方ですが、複数います。こっちに向かってきているみたい…」
ミリアの言葉に真人は心臓が跳ね上がった。彼女の鋭い聴覚と嗅覚は、今の自分には頼りになる存在だが、その分、緊張も増していく。
「距離はあるってことか?」
「はい、まだすぐには来ないですが…でも、音が少しずつ近づいてきてる…」
「やばいな…早めに動こう」
真人はミリアの判断を信じ、すぐにその場を離れることにした。彼女の能力は確かに優れているが、反面、彼女を守りながら進むのは思っていたよりも難しいと感じていた。
「ルーナ、ミリアを守りながら行動するとなると、敵の注意を俺が引くしかないな。何かアドバイスがあれば頼む」
肩に留まるルーナが冷静に指示を出す。
「真人、あなたは右側に回って。ミリア、あなたは決して動かないで、じっとしていて」
ルーナの声にミリアは黙って頷き、真人はその通りに行動する。モンスターが近づく音を聞きながら、真人は剣を抜き、注意を引こうと前に進んだ。
「ミリア、動くな!今は隠れてろ!」
「わ、わかりました…」
ミリアは指示通りにしゃがみこみ、真人がモンスターの注意を引いて戦闘を始める様子を見守る。真人は一度、敵の群れの先頭を切るモンスターを斬り伏せたが、油断できる状況ではなかった。
「真人!もっと右、右のモンスターが隙を見てるわ!」
「わかった!」
ルーナの指示に従い、真人は右側に素早く移動し、敵に再び斬りかかる。戦闘の最中、ミリアはその場で息を殺していたが、彼女の猫耳がピクピクと動き、音の方向を察知しているようだった。
「あなた様、大丈夫ですか…?私、少しでもお手伝いできれば…」
戦闘が終わると、ミリアは急いで真人の元へ駆け寄り、彼の体を心配そうに見つめた。彼女の目には不安と恐怖が交差している。
「平気だよ、ミリア。お前が後ろでちゃんと見張ってくれてたおかげで、無事だった」
「よかった…他の皆も、こうやって戦えれば…」
ミリアの表情には、ダンジョンで失った仲間たちのことを思い出しているような悲しみが見て取れた。彼女はモンスターに倒されていく仲間を見守るしかなかったあの時の記憶が、今も心に深く刻まれているのだろう。
「お前、あの時のことをまだ…?」
「はい…私は、逃げることしかできなかった。皆を助けることも、戦うこともできずに…」
彼女は俯き、少し震える声でそう言った。真人はそんな彼女に言葉をかけようとしたが、うまく言葉が見つからない。
「ミリア、お前はもう一人じゃない。俺がいるし、ルーナもいる。これからは一緒に戦っていこう。俺たちでなら、きっとここから脱出できるさ」
真人は優しく彼女の肩に手を置き、微笑んだ。ミリアはその言葉に一瞬驚いたような表情を見せたが、やがて少しだけ微笑み返し、真人の手に自分の手を重ねた。
「ありがとうございます…あなた様。私、あなたと一緒に…頑張ります」
ミリアのその言葉に、真人は少し安心を覚えた。彼女との連携も少しずつ形になりつつあり、探索の効率も上がってきている。
「これからも、頼りにしてるぞ」
真人はそう言って立ち上がり、彼女と共に再びダンジョンの奥へと進んでいった。
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