ダンジョンの声を追ったら、死体の山が待っていた!
真人とルーナは、微かに聞こえた声に向かって走り出した。暗いダンジョンの中、足音だけが響き渡る。声は一度だけで、その後は何も聞こえなかったが、二人は何かを感じ取り、その方向へと慎重に進んだ。
「気をつけて、真人。ここからは慎重に進むべきよ。」
ルーナが低く警告の声を発する。彼女の目には、これまでにない緊張感が漂っていた。
「何か…嫌な予感がするの。」
彼女の不安な表情に、真人も緊張を覚えながら、ルーナの言葉に従いスピードを落とし、周囲を警戒しながら進んでいく。
しばらく進んだところで、異変に気づいた。薄暗い道の先に、動く影がちらついていた。それは、モンスターの群れだった。だが、いつもとは違う。群れの一部は既に傷を負い、弱々しく足を引きずっているものも見受けられる。
「これ…誰かが戦ったのか?」
真人は目を細めながら群れを観察する。モンスターたちの体には、深い刺し傷や切り傷が刻まれていた。既に何者かとの戦闘を経た後であることが明らかだった。
「誰かがこの先にいるわね。でも、今はこの群れをどうにかしないと。」
ルーナが冷静に言う。彼女の肩の上で小さく羽ばたきながら、敵の動きを分析している。
「真人、前衛のモンスターは動きが遅いわ。でも、後衛にいる素早い個体が厄介ね。そいつを最初に倒すのが得策よ。」
ルーナが正確な指示を出す。
「わかった。速い奴から片付けよう。」
真人は深く息を吸い、粘土を手の中で素早く形にしていく。彼が作り出したのは、小さな獣を模した罠だ。
まずはモンスターの足元に罠を投げ込み、その後、真人は速いモンスターに目を向けた。後衛の素早い個体が、真人に向かって突進してくる。その瞬間、罠が作動し、速いモンスターが足を取られて動きを鈍らせた。
「今だ!」
ルーナが叫び、真人は一気に距離を詰めて、粘土で作った刃をモンスターの喉元に突き刺した。黒い血が勢いよく吹き出し、モンスターは無力に倒れた。
「いいわ、次は前衛よ。動きが鈍ってる今がチャンス。」
ルーナの指示に従い、真人は動きの鈍いモンスターに向かって側面から攻撃を仕掛けた。既に戦闘で傷ついているため、モンスターは抵抗する力を失っており、真人は着実にダメージを与えていく。
次々とモンスターを撃破し、群れは完全に沈黙した。息を切らしながら、真人は周囲を見渡す。
「やったな…何とか片付いた。」
額に浮かんだ汗を拭いながら、真人はルーナに微笑んだ。ルーナも疲れたように肩に降り立ち、息を整えている。
「さすがね、真人。ちゃんと冷静に戦えていたわ。私のアドバイスもちゃんと活かしてくれたのが嬉しいわ。」
ルーナが静かに微笑みかける。だが、安心する暇はなかった。
「このモンスターたち、何かと戦った後のようだ…刺し傷や切り傷があちこちにある。」
真人はモンスターの死骸を注意深く調べ始めた。その体には明らかに人間の武器によるものであろう傷跡が見て取れる。
「誰かがこの先にいる…それとも、この声を聞いたのは偶然か?」
真人は疑問を口に出すが、答えはすぐには見つからない。
「でも…あの声が気になる。」
ルーナも慎重に辺りを見渡す。二人は再び歩みを進め、ダンジョンの奥へと進んでいった。しばらく歩くと、道がさらに狭くなり、薄暗い空気が一層濃く漂い始めた。
やがて、彼らの前に不気味な光景が広がった。そこには、複数の人間の死骸が転がっていた。いくつもの体が無惨に切り刻まれている。服は血で染まり、死者たちは手に武器を持ったまま、倒れたままだった。
「…これは、誰かが戦っていた跡だ。」
真人は息を飲む。刺し傷や切り傷、血痕があちこちに散らばっている。この光景は、先ほどの声の主が何者かに襲われていたことを示していた。
「何が…ここで起きたんだ?」
真人の声は震えていた。ルーナもその光景を静かに見つめている。
「これほど多くの人間がやられているなんて…相当な力を持つ何かが、このダンジョンには潜んでいるわね。」
ルーナが冷静な声で答える。
真人は死体の一つに目を向け、その顔に苦悶の表情が刻まれているのを見た。恐怖に歪んだその表情は、彼らがどれほど絶望的な戦いを強いられたのかを物語っていた。
「進もう。ここで立ち止まっていたら、危険が増すばかりだ。」
ルーナの言葉に真人は深く頷き、再び歩き出した。足元に散らばる人々の無念を胸に、彼らは次に待ち受ける真実に向かって進んでいく。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
作者のモチベーションアップに繋がりますm(_ _)m




