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痛いけど、復讐のために立ち上がる!

真人は、崖から落ちた衝撃で完全に意識を失っていた。頭に鈍い痛みが走り、遠くで何かの音がかすかに聞こえる。次第に、その音が徐々に鮮明になり、目の前の暗闇が少しずつ薄れていく。意識を取り戻した瞬間、体中を襲う激痛に息が詰まり、しばらくは身動きすらできなかった。


「……くそっ、まだ、生きてる……」


薄れゆく意識の中で感じた絶望感が再び蘇るが、体はまだ動かない。冷たい岩の感触が全身を包み込み、どこもかしこも痛みで満たされていた。崖の下で転がり落ちたような状態で、地面は硬く、体は完全に打ち付けられた形だ。最初は目すらも開けられなかったが、少しずつ視界がはっきりしてくると、薄暗い天井と、無機質な岩肌が広がっていることに気づく。


「動けない……」


足を動かそうとしても、痛みが強くて思うように体が動かない。腕を引きずり、かろうじて這いつくばりながら、真人は何とか少しずつ前進を試みる。しかし、どれだけ進んでも視界には変化がなく、無限に続くような暗い岩の道が広がっていた。


「……なんで……こんな……」


悔しさと絶望が胸を締めつける。崖から落とされ、この底なしのダンジョンに放り込まれた今、自分がどうなるかなんて考える余裕すらない。だが、それでも真人の胸には一つだけ強い感情が残っていた。それは復讐心。


「あいつら……絶対に許さない……!」


裏切られ、無惨に突き落とされたことへの怒りが、彼の意識を繋ぎ止めていた。もしそれがなかったら、もうとっくに諦めていたかもしれない。痛みで視界が歪む中、真人は必死に這いずりながら前へと進み続けた。


数分か、数時間か、それすらも分からなくなった頃、彼はある異変に気づく。重苦しい空気が突然変わったのだ。まるで、空気の中に温かさが混じり始めたかのような感覚。真人は痛みを押し殺して、その方向へと体を引きずっていった。


やがて、視界の先に小さな泉が現れた。それは、この暗く冷たいダンジョンの中にありながら、まるでそこだけが異世界のように穏やかな光で照らされている。泉から湧き出る水は透明で、底が見えるほど澄んでいた。真人はその水がただの水ではないことを直感的に感じ取った。


「……あそこなら……」


真人は最後の力を振り絞って、泉へと向かった。泉の水はほんのりと温かく、彼の体を包み込むように優しく触れてきた。水を一口含むと、痛みで引き裂かれそうだった体が、少しずつ回復していくのが分かる。どうやら、この水には回復の力が秘められているらしい。


「ここで少し……休むか……」


体力が完全に戻るわけではないが、この場所でしばらく休むことができれば、何とか立て直せるかもしれない。真人は「クレイクラフト」の能力を使い、泉の周りに隠れ蓑を作ることにした。粘土質の土を操り、小さな隠れ家を作り上げると、その中でじっと体を休めた。


隠れ蓑の中で、真人は少しずつ痛みが引いていくのを感じながら、次第に体の自由を取り戻していった。傷は完全には癒えていないが、それでも立ち上がれるほどには回復していた。


「まだ終わりじゃない……」


彼の体は完全に回復したわけではないが、精神的な力が蘇ってくるのを感じた。復讐の思いが再び心の中に強く根付く。だが、今はまずこのダンジョンから抜け出すことが最優先だ。


「出口を……見つけないと……」


決意を固めた真人は、隠れ蓑から這い出し、再び動き始めた。だが、腹がすいていることに気づいた。回復の泉の水ではどうしても空腹を満たせない。真人は、近くの地下湖に魚が泳いでいるのを発見した。そこで再びクレイクラフトを使い、簡易的な網のようなものを作り、魚を捕まえて食べることにした。


捕まえた魚を焼いて食べ、ようやく腹を満たすことができた真人は、粘土をいじりながら次の行動を考え始めた。「ずいぶんと深いところまで落ちてしまったが……ダンジョンの出口を目指すしかない。あいつらを倒すためには、ここから出なければならない」


そう考えながら、真人の手は無意識に粘土を弄り、形を作っていた。気がつけば、彼の手の中には、美咲そっくりのフィギュアができあがっていた。目を引くのは、彼女のむっちりとした豊満な胸で、まるで今にもはちきれそうなほどに膨らんでいる。「こんなときに……」と自嘲気味に呟きながらも、指先はその滑らかな曲線をさらに整え、谷間の深さや、腰からお尻にかけてのなだらかなラインまでも精巧に作り込んでしまっていた。「……俺は何やってるんだ」


そう苦笑しながらも、その瞬間だけは少しだけ心が落ち着いた。再び前へ進むための気力が、少しずつ戻ってきたのだ。


そして、真人は再び立ち上がり、このダンジョンを脱出するための旅を再開することにした。

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