表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/32

髪をセットされて




「伊斗ー!早く起きないと、はる君来ちゃうわよー!」

「うわぁっ!ななななんじ?!」

「7時15分!」

「やばっ」


模試の翌日、久しぶりに寝坊してしまった。

昨夜、遅くまで模試の復習をしていて、寝るのが遅くなったのだ。

とにかく顔を洗って着替えて、急いで玄関に向かった。


まだ7時28分だったが、はる君は家の壁を背に立っていた。


「はる君っ!お待たせ!」

「おはようございます。全然待ってないですよ。むしろ、約束の7時30分よりちょっと早いです」

「そうだけど!でも、待ったでしょ?」

「待つのは嫌いじゃないですから。僕が好きで待ってるんです。それより伊斗先輩、ちょっとこっち来てください」

「ん?どしたの?」


はる君においでおいでをされて、忠犬よろしく近付いた。

はる君は私の背後に回ると、髪の毛を弄り始めた。


「寝ぐせ、ヤバかった?」

「可愛いですよ。でも、他の人に見られたくないので、ちょっとまとめちゃいますね」

「わぁ。ごめんね」

「いいえ、むしろ役得です。好きな人の髪の毛触れるのって、恋人同士みたいで」

「はわぅっ!・・・ごめん、変な声出して」

「照れてる伊斗先輩も、可愛いですよ」

「朝から集中砲火浴びせないでっ!私の許容範囲超えてる・・・」

「すいません。僕の為に早く準備してくれたのが嬉しくて」

「もう・・・聞き流そう」


朝から疲れ果ててしまった私を横目に、はる君は器用に髪を纏めていく。

お姉さんがいるから、たまに髪の毛やってあげてるんだっけ。

あっという間に、ちっちゃい三つ編みと編み込みをツインテールにまとめてくれた。

ヤバい。

女子力で負けてる・・・


「できました。行きましょう」

「こんなにちゃんとセットしたの、いつぶりだろ・・・。はる君、ありがとう」

「いいえ。あんまり時間ないですし、結構適当です。あとで直してください」

「どこをどう直せばいいのやら・・・全くわかりません。このままを維持するね!」

「それなら、お昼に直しましょうか?」

「ぁあー・・・お昼は、友達とご飯食べるから・・・」

「わかりました。なにかあってもなくても、連絡くれたら行きますからね」


今の、なにかフラグ立ってないよね?

まさかね。


それからは、昨日の模試の話とか趣味の話で盛り上がった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ