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詩❲心理描写-明❳

後ろ姿

作者: 日浦海里

これが今生の別れってわけじゃない

そんなことは分かっていても

これが今生における最後なんだ

それは理解できるから

この短い時間がただ愛おしく

終わらなければいいのにと思い

けれど終わりは必ずあって

だから今はその事が悲しい


幸せな気持ちと

悲しい気持ち

矛盾するようで

矛盾しない


幸せだったとそう思う

幸せだから悲しいと思う


この仲間たちで作り上げてきた

絆と時間と作品と


精一杯を詰め込んできた

かけられるだけ時間をかけた


それがわずか数分で

終わってしまう

なくなってしまう


それでも

終わりが訪れるとともに

聞こえてくる拍手の音が

自分たちを労うようで

送り出すための合図のようで

幸せを感じ

切なさを感じる


笑ってみんなに感謝しよう

幸せなままでお別れを言おう


そう決めていたはずなのに

その場になると言葉が出ない

代わりに出るのは涙ばかりで

自分の感情もコントロールできない

未熟な先輩を露呈してる


泣いちゃだめだ

見本にならなきゃ


そんな気持ちは

胸の奥から溢れ出てくる

様々な記憶と感情の渦に

涙とともに押し出されていた


一緒にやってきた仲間の一人が

抱きしめ頭を撫でてくれてる

自分だってないているのに

それでもこうして包もうとしてくれる


これが今生の別れってわけじゃない

これが最後になるとしても

これからもまだ続いていくんだ

みんなとの絆も

後輩たちが残るこの仲間たちも


だから今はちゃんと伝えよう

これまで一緒に頑張ってくれてありがとうと

みんなのことが大好きだよって

そして

「いつかまた」

その言葉だけは

胸に秘めて

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― 新着の感想 ―
[一言] 部活動を引退した日を思い出しました。 大会のために毎日練習して、それでも本番ではあっけなく負けてしまう。 上には上が居ると思い知らされたものです。 その部活の仲間には、今生の別れをしたもの…
2023/06/26 09:15 退会済み
管理
[良い点]  青春のひたむきさと輝かしさ。  当時の本人たちはただがむしゃらなだけでも、振り返ると眩しくあるものだと思い出させてくれるようです。 [一言]  ともに取り組んできたからこその達成感と。…
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