魔王とフラムレの門
盗賊襲撃の後、あまり眠ることができなかった。
なにせ盗賊たちの悲鳴がかすかに聞こえてきたりしていたからな。
元の世界でも盗賊は絶対死罪だったが首をはねるのと魔物に生きたまま喰われるのとでは
どちらのほうがむごいかなんて一目瞭然だ。
なんだかこの世界の闇を見た気分になってしまった。
そんな訳でもう日が昇り始め、飯を食ってさっさと出発することにした。
ちなみにおっさんは普通に爆睡して文字通り日の出とともに起きた。
...おっさんのことなんてどうでもいい?
・・・・・・・・・
野営地を出発し、昼過ぎまで街道を進んだ。
特に何もなく、というより何事もなかったのが逆に不安になったくらい順調に進んだ。
「そろそろフラムレが見えるはずだ。外見てみな。」
お、もう着くのか。どんな町なんだろうか?
うーん、あれは、塔か何かだろうか?遠いからどのくらいかはわからないが結構高いのだろうな。
そしてだんだんと金属板が貼ってある物見やぐら、かなり頑丈そうな外壁、立派な鉄の門が見えてきた。
最前線でなくてもこのぐらい頑丈にしなくてはいけない場所なんだろう。
それなら最前線は全て鋼鉄やらアダマンタイトやらで出来ていたりでもするのだろうか?
少し見てみたいところだ。
街の外見をそうやって眺め、観察しているうちに門の目の前まで来た。
とりあえず数人いる衛兵のレベルだけ確認したが、意外と150~180だった。
強い冒険者が集まるから問題ないということなのだろうか?
ダスエルステ、前の町ではレベルがかなり低い魔物から大体レベル80、たまにレベル100前後といったところだ。
俺が会った割と高レベルの魔物たちはレアらしいし例外だ。
とにかく、ここでも問題なく依頼を達成できるだろう。
門の前で馬車が止まると、衛兵が話しかけてきた。
「あー、君は何の目的でフラムレに来たんだ?」
「冒険者だからここでもっとレベルを上げようと思ってきた。」
「なるほど。じゃあカード見せてくれ。」
言われた通り衛兵にカードを渡す。
「名前はベルクね。で、Cランク、レベルは150ちょっと、ね。なかなか戦力になりそうだな。この街も戦力は多いほうがいいからな。てなわけでフラムレへようこそ。」
いつの間にCランクになってたんだろうかという点は置いておいて、あの衛兵はなんだか軽い雰囲気だったな。それでもレベルは衛兵の中でもトップだったから、人は見た目で判断できないってわけだ。
立っていた衛兵たちが端に寄り、馬車がまた進みだす。
門は前回ではなく、半分くらい開いている。
しかし十分な大きさがあるので普通に馬車2、3台は通れる幅だ。
ここまで大きな門を鉄で作れるということは鉱石資源がそれだけ豊富にあるのだろうか?
...いや、しかし、見た感じ鉄の純度は高くなさそうだな。
技術はそんなに高くないのか?
さておき、門をくぐり、ダスエルステとは一味違う雰囲気のフラムレの街へ入っていった。




