魔王と洞窟と魔法
予告より遅れてしまってすいません
病院に行ったところヘルニアっぽいです…(;ω;)
Gとの死闘の時に腰が逝くのが早まったようです
まあ、作者のことはこれくらいにしておいて、
本編をどうぞ、お読みください。
魔王は依頼を遂行するため、街を出てさらに北に向かっていた。
ものすごく雪が積もっているが討伐依頼のブラッディシーカーとやらはいるのだろうか?
珍しい鉱石があるという洞窟も魔法で探さなくてはならないだろう。
ブラッディシーカーはリスのような魔物らしいから木のうろなどにでも隠れているのではないだろうか?木が多い所を重点的に魔法で探知するか。
・・・・・・・・・
…なかなか見つからん。
どういう事なのだろうか。
そういえばあの町の町長が今年はいつもより早く急激に寒くなったと言っていたが、そのせいで全て息絶えてしまったのだろうか?
とりあえず鉱石探しに切り替えるとするか。
魔王は空間探知系の魔法で雪に隠れた空間を探しながら歩いていく。大雑把にしか把握できない魔法だが空洞があるとわかればいいのだ。
数分ぐらい歩き、浅い空間が多い中、ついにそれらしい空間を見つけた。さっそく魔法で雪を溶かす。
出てきたのはなかなか大きな洞窟だ。これなら鉱石があるんじゃないだろうか。確か洞窟の奥の方に多く埋まっていて、魔力に反応して淡く光る、魔力結晶と水晶の化合物のような鉱石だと依頼書に書いてあったはずだ。
届けるための分を採取したら自分の分も確保して、後に宝石細工に使いたいところだ。
・・・・・・・・・
魔王は洞窟内を魔法で照らしながら探索していく。コウモリが出す鳴き声や水滴の音以外はほとんど聞こえてこない。一度魔力探知をしてみる。
魔力がとても少ないのがコウモリだが、魔力が少し多いのもいる。小さめの魔物だろうか?ここにブラッディシーカーが逃げ込んでいるのであればいいがどうだろうか?
…?かなり大きい魔力が洞窟の奥のところにある。奥には鉱石があるかもしれないということはそいつを倒さなくてはいけないかもしれないな。面倒なことになったがレベル上げをするなら丁度いいだろう。一石二鳥というやつだ。
しかしまずは討伐依頼を受けているブラッディシーカーがいるかもしれないところを探してみなくては。
ちなみに小さめの魔力は魔力探知ではそこそこ近い。しかし、地形にもよるので遠回りになるかもしれない。
今回は幸いな事に少々狭いが、道が探知した方向に伸びているからそこまで遠回りにはならないと思う。
さて、さっさと依頼を終わらせないとな。
・・・・・・・・・
目的の場所に向かって歩く。
水が頭に、深く暗い穴に、水たまりに落ちていく。
生き物はコウモリやヤモリのような生物、小さな虫などしか居らず、とても静かだ。
こんなに静かでリラックスできる場所はなかなか久しぶりだ。
この世界に来て初めてのことや久しぶりなことを体験できて忘れそうになるが、勇者を倒すためにわざわざ転生なんてしたのだ。
そもそも人間と魔族の長い長い戦争は人間の愚かな王が領土を増やそうとして仕掛けたものだ。
それなのに魔族が人間と違うからなどと変な宗教まで敵対して、どんどん人間全体が魔族を敵視して、お互い何百年も争ってきたのだ。
持ち上げられていい気になっているいけすかない勇者を倒して人間の権力者をさっさとぶっ飛ばさないといけないのだ。
こんなところでモタモタしてられん。
食い物はうまいが、本当に美味いが、レベルを上げて元の世界に戻れるだけのレベルと魔力にならねば。
実はこの世界に来る時に使った転生魔法は転生先はランダムで、今の魔力量だと死んだ時に放出される生命力や魔力、周囲の魔力を使ってやっと発動される魔法だ。
しかも、あらかじめ足元に書いておかなければいけない。この魔法陣の上じゃなければ死んでも転生できない。
元の世界に戻るには、あらかじめ開発しておいた転移先を指定できる世界転移魔法(魔王命名)を使わなければならない。
しかし、勇者を倒せるであろう150レベルと少しまで上げるだけではこの魔法は使えないであろう事に気づいてしまったのだ。もっともっと、もはや星を破壊できるくらいの魔力が必要なようだ。
それに気づいた時には転生後だったため宿の床を転げ回ったが、もう頑張ってレベルを上げるしか手はない。
時間がかかってあの勇者がいなくなっていた、もしくは元の世界自体が滅んでいたなどということがあれば洒落にならないからできるだけ早くしないといけないわけだ。
そんなことを考えているとリスが、いやブラッディシーカーっぽい魔物が飛びかかってきた。不意をつかれたがとりあえず殴る!
飛んでいって壁にぶつかりあっさり倒れた。
その瞬間響く大量の甲高い鳴き声。
いつの間にか周りには大量のブラッディシーカー。魔王の顔も少し引き攣る。
一斉に飛びかられる魔王。殴ったり蹴ったりして吹っ飛ばすが、捌ききれなかった奴らが魔王の頭やすねをかじった。
これが本当のすねかじりか。
魔王の脳内にくだらない考えがよぎる。
…かじられても痛くないな。
魔王の防御力は同レベルの人間より高いので
ブラッディシーカーでは文字通り歯が立たなかったわけだ。
結局ブラッディシーカーを容易く蹴散らした
魔王は死体をストレージに収納し、少し鉱石を探したが見つからなかったため、大きめの魔力の方へ向かった。
ブクマ、評価、感想があれば嬉しいです よろしくお願いしますm(-_-)m
それと、こちらの作品もお願いしますm(-_-)m
鬼畜世界ぬるゲー化計画
https://ncode.syosetu.com/n2600gr/