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転生魔王は異世界を廻る(めぐる)  作者: 逸雲 仁弦(いつもにーと)
魔王、初めての転生、最初の世界。
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魔王と極寒の街

翌朝、魔王が起きる。早朝であるため結構冷えている。


テントにも温度調節機能をつけるべきだったか。指輪は魔力を注がないと起動しないからな。周りの魔力を吸って自動で起動する魔法陣は刻めないことはないが指輪サイズだと魔力を集める部分が小さすぎてほとんど意味がない。

服につければいいか?しかし、動くと生地が歪むから魔法陣に途中で切れ目ができたりしそうだし、金属板を入れると今度は動きにくい。昼間は指輪で夜はテントで温度調節するのが一番か。


考えがまとまり一段落ついたところで腹が減ったことに気がつき、ストレージにしまっていたサンドイッチを平らげた。


食ったし、夕方より前には依頼場所の近くの街に着けるようにさっさと出発するべきだと思い、テントをしまって走り出した。


朝日が登るよりも速く…かはわからないが、とにかくものすごい速度で走って、飛び出してきた弱い魔物はそのまま轢き、邪魔な大きな魔物を文字通り殴り飛ばした。

大きな魔物が宙を舞う様子はなんとも言い難いちょっとシュールな光景だった。


魔王はふと、この街道の交通量が異様に少ないことに気づく。少し前の分かれ道の地点までは多かったのだが、ここまで来ると見渡しても人が見当たらない。


なんだか嫌な予感に駆られながらも街へ向けて走り続ける。ちなみに走ると冷たい風が強く顔に当たるので、既に指輪の魔道具は起動している。おかげで寒くないが、外気はどんどん寒くなっているのだろう。


昼ごろになると、依頼場所が書かれた地図に載っている街の近くへたどり着いた。だが全くもって街が見つからない。どこも雪が2メートル以上も高く積もっているのみで、さらに、猛烈な吹雪が吹いていて余計に視界が悪い。

唯一の嬉しい誤算は、半径2メートル以内は指輪の温度調節で雪も溶けることだ。おかげで歩きやすい。

しかし、やはりそれだけでは街を見つけるのに時間がかかりそうなので適当に炎魔法で周辺の雪を溶かしていった。


・・・・・・・・・


雪を溶かし始めてそこそこ経った頃、見つかるはずの街はまだ見つかっていなかった。


周りを見渡してみる。

木、木、道、木、木、丘。

どこにも街などない。


地図を見る。

街があるであろう場所には丘しかない。

…丘?まさか…


丘に向かって炎魔法を放つ。

すると、丘が少し抉れた。

そして街の外壁が見えた。


街が雪で埋まっていたとは…

中の人たちはどうなっているのだろうか。

上から溶かしていくために雪でできた丘に登る。一番上まで行くと、そこは雪が少なくなっていて、結界が見えた。対雪用の結界のようで、雪だけを通さないもののようだ。この世界の今の技術的に古代のものだろう。

雪が周りに滑っていっているから丘のような

形で綺麗に積もったわけか。

そして、完全に塞がっているわけではないなら空気も入ってくるから酸欠で倒れているなんてことはないだろう。


さっさと雪を溶かしてやるのが一番だ。


魔王は巧みに魔法を操り、指輪の効果も有効活用しながら雪を上から溶かしていった。


「見ろ!雪が上から溶けていってるぞ!」


「何っ!俺たちは助かるのか⁉︎」


「おお、神よ。我らをお救いいただき感謝します。」


街の人々が喜ぶ声が聞こえる。


魔王なのに異世界に来てまで何してるんだろうと一瞬思うがとにかく雪を溶かしていった。


たった30分ほどで除雪が終わった。それも魔王の大量の魔力によるゴリ押しのなせる技である。


と、街の中から老人が出てきた。


「あなたが雪を溶かしてくださった魔法使い殿ですね。住民一同とても感謝しております。お昼ごろですし、お食事でも提供させていただきたいのですが、どうでしょうか?」


ちょうどここで昼食を取ろうと思っていた。それに、目の前の老人が寒さでちょっと震えながらも伝えにきたのだから行くべきだろう。


「そういうことならありがたく頂こう。」


・・・・・・・・・


街に入ると人々が集まり、感謝の言葉を笑顔で述べていった。


なんだか魔王もこそばゆいが悪い気はしない。


「ありがとう!魔法使い殿!」


「ありがとな!魔法使いのあんちゃん!」


女性たちはひたすら熱い視線を投げかけている。


(私あの魔法使いさんタイプなんだけど…)


(顔も性格もイケメンなんて…実は神の使徒様なんじゃないかしら)


(すごくイケメンじゃない。しかも雪を溶かしてくれたなんて…じゅるり)


この世界の女性は皆かなり肉食系である。魔王はなぜかわからないが一瞬背筋が震えた気がした。


老人に連れられて着いたところは街の真ん中で、宴会場のようだった。


「改めてこの街の町長としてお礼を申し上げます。そして、どうぞ料理をお楽しみください。」


どれもあの街の料理と違う雰囲気の料理だ。

全体的に体が温まりやすそうな熱々の料理が多い。結論を言えば、うまそう。以上。


魔王はこの街の人々と料理を楽しみ、かなり久しぶりの酒を飲んだりした。


ほろ酔い魔王は近くの宿まで送ってもらい、泊まることになった。女性たちは肉食獣の如き目で魔王を見ていて色々と危ないので、町長の息子が宿まで送った。

ちなみにほろ酔いとは言っているが、寒い地域の酒だけあってかなり度数が高い酒を2、3本飲んだ後なのだった。


依頼?明日から本気を出せばなんとかなるだろう。

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