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GEDACHTNIS  作者: 渦蔦楓月
1/5

第一章:同じ境遇で(1)

ここはニトクという世界

ここには能力者と言われる不思議な能力を持った者達がいた。



早朝、まだ少し寒さの残る頃。

桜の蕾が少しずつ春の訪れを感じさせていた。

「やばい!!また怒られちゃうよ!!」

商店街の雑踏を掻き分け走り抜けていく少年がいた。

彼はTシャツに少し薄いコートを羽織い、下にトレーニングパンツを着ていた。

彼の顔にはまだ少し寒いのにも関わらず、額にうっすらと汗が浮いていた。

そこから彼の焦りが感じられた。

だが、そんな状態にも関わらず彼は道行く人に一通り挨拶をしていく。

礼儀正しい少年である。

そして、彼は走りながら、パン屋の前で掃除しているおばさんに挨拶をし、そこを左に曲がり、細い路地に入って行った。


彼は一度立ち止まり呼吸を整えた。

「はぁはぁ、あともう少し!!」

そう行ってまたスタートダッシュを決めた。

それからほとんど何もない道を進んでいくと、ある一つの建物が目に付いた。

彼の目的地である。

それが目に入ると一気に彼は速度を上げた。

そして、その建物の前に来ると、立ち止まる事をせず一気に身を回転させ扉を勢いよく開けた。

―ごぉおおん

轟音が響いた。

建物に入り気が抜けた彼は一気に力が抜けたらしく、豪快に頭からこけた。

その瞬間餌にたかっていた雀達が一気に飛び出した。


「間に合ったぁ!?」

彼は顔を上げ、床に突っ伏した体勢でそう言った。

一番奥の机に偉そうに座っていた一人の少女が椅子から立ちゆっくりとこちらへ歩いてきた。

そして、彼の前まで行くと、冷酷な笑みを浮かべた。

「ざんねぇ〜んでしたぁ〜13秒遅刻で〜す」

「そんなぁ〜13秒で・・・」

彼は気を落とし、頭を下げた。


そして、今まで大きな机を中心にして、座りながら三人で会話していた一人の男が立ち上がった。

「まぁいいんじゃな〜い。13秒ぐらいはね〜竣君だってほかならぬ事情があったんだよ・・・

多分」

「稔さぁん・・・」

稔と言われた男はのほほ〜んとした口調で持論を述べた。

そして、竣と呼ばれた床に突っ伏していた少年がもう一度顔を上げ、神を見るような、眼差しで

稔を見た。

「はぁ・・・まぁ今回は稔さんに免じて許してあげるわ。でも、今度は絶対に許さないからね」

少女は呆れた口調でそう言った。

「湊ぉ・・・」

竣は床に突っ伏し、顔を上げた状態で涙目で、湊の方を見た。

「何・・・そんな顔しないでよ!!それ威力半端ないわよ・・・あんた童顔なんだから・・・」

可愛い・・・そんな感情を抱いた湊だった。

「何度も言ってるけど、童顔って言わないでよ・・・」

そんな会話をしていると、椅子に座っているもう一人の男が声を発した。

「どうでもいいけど・・・竣、さっさと立ったらどう?」

「あ・・・」

その声を聞いた竣は手を床について、支えながら立ち上がった。

「んじゃ、朝礼始めるから皆、集合!!」

いつの間にか奥の方に移動していた湊が叫んだ。

その声で皆が、湊の前に集まる。



ここは湊探偵事務所というのだが、別に事件の謎を解くとかそんな感じじゃないらしい。

困っている人を助けたり、何か人の役にたったりと色々・・・

キャッチコピーは「依頼、相談なんでも解決します!!」である。

まぁ今の所それっぽい依頼はそれ程きてはいないが。

その理由は色々あるのだが、まず一つはやはり場所であろうか。

狭い路地にあるだけあって、中々気に留める人はいない。

そして、後は・・・

ここにいる全員が能力者だと言う事。

能力者と言うのは、生まれつき何かしら不思議な能力を持った者の事を言う。

能力者は昔から天災と言われ、嫌われてきた。

今はそういうことはあまりないが、完全になくなったと言うわけではない。

ここにいる全員は同じ境遇の下で出会った者達、と言うわけだ。


ファンタジーを書いて見ました。

これから不定期更新になると思います・・・

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