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第68話

ベネート村にはマリーアネットシティのように青のダンジョンがあるわけでも、ボルルックシティのように森での依頼があるわけでもないので、余り長期滞在せずにすぐに旅立つこととなった。


「じゃあね、お父さん、お母さん、トルク。」

「行ってらっしゃい、ジゼル。ちゃんと手紙は書くのよ?」

「うん。」

「気をつけてな。」

「うん。」

「皆さん、ジゼルを宜しくお願いします。」

「ええ。」


見送られて旅立っていった。村の片隅からランディのご両親がもの言いたげな視線を向けてきたが、私に言えることは何もない。

まずはリルベニーの街へ行かなきゃな。【スピードUP】先生、よろしくお願いします。



***

リルベニーから5つ目の街シェルバートシティ。たまには依頼を受けとこうということになって近くの森の依頼を受けた。【フォレストコボルトの討伐】という常設依頼だ。やはり繁殖力が強いパターン。でも話によるとフォレストウルフよりは弱いらしい。1匹/1000ギルである。討伐証明が右耳であるため、頭を爆散させるわけにはいかないので、ベルさんはちまちまスローイングナイフを使っている。


「強くないけど、けっこーめんどくさいにゃ。」

「でも1匹を葬り去るのに必要な時間は短いので、フォレストウルフより稼げるんじゃないでしょうか。」

「ふふ。そうね。あら…」


ベルさんが何かに気付いたような顔をした。


「どうした?兄殿。」

「多分『トレジャーハンタースクロール』の効果だわ。なんていうのかしら…『お宝の匂いがする』?」

「ほんとか?じゃあちょっと行ってみるか?どっちだ?」

「あっちね。」


ベルさんの指示に従い森に分け入る。森の中を進む。地図タブレットに通ってきた道をメモする。


「ここね。」

「何にもないが…」


ベルさんの指示で行きついたのは崖の側面の一部だった。別段変わった気はしないが。


「なんか、罠とは違うけど…似た感じにゃ。」

「偽装系の魔法がかかってるのかもね。ホラ。」


ベルさんが周囲から長めの枝を拾ってきて、崖の側面に触れさせる…と枝の先が崖の側面に吸い込まれた。


「ジゼルちゃん、【アンチマジック】かけてくれる?」

「はい。」


アンチマジックをかけると結構大きな穴が開いている。人3人くらいは悠々通れるくらいの。でも普通の穴ぼことは全然違う。もやもやっとして先が見えなくなってる。


「兄殿の見解は?」

「確証はないけど……ダンジョンじゃないかしら?」

「は?いやいや。未発見のダンジョン?そんなのがあったら、発見者として名誉市民にされちゃうぞ?お宝も大概にしないと笑えないぞ?」

「うーん…でもねえ…」


ベルさんは突っ込んだ枝を使い、中を探り、枝を引き抜いて枝に付着物がついてないか調べている。枝が完全に無事なのを確かめてから左手を突っ込んで探った。


「結構広い空間があるみたいねえ。……流石にちょっと勇気が要るわね。よっと…」


ベルさんが頭を突っ込んだ。

そして顔を出した。


「どうだった?」

「真っ暗ね。暑くも寒くもない。ちょっと変な匂いがしたわ。何かが腐ったような…」

「どうする?入ってみるか?」


ベルさんは考えた後に溜息をついた。


「アタシ、真の意味で『冒険者』になっちゃうのね。でも行きたいの…この先があるって知ってるのに行かなかったらきっと後悔するわ。危ないからみんなはここで…」

「何言ってるんだ?兄殿が行くならボクも行くぞ?」

「自分も行くっす。」

「私も勿論行きます。」

「にゃーも行くにゃ。」


ミーニャさんとシータさんを先頭に全員で入った。中は真っ暗だったので【ライト】を灯した。真・青のダンジョンを彷彿とさせる岩肌。


「本当に臭いな。」

「にゃーは鼻が良いから結構つらいんだにゃ。」


暫く前進してると道が分かれた。


「どちらに行く?」


シータさんがベルさんに尋ねた。ベルさんは笑った。


「ああは言ったけど、お兄さんは安全な冒険の方が好きだから、ズルい手を使います。」

「?」

「ジゼルちゃん、地図タブレットに地図は表示されてる?」

「え…?」


何かベルさんが今ダンジョン探索の根底を覆すようなことを仰ったような…

言われるがままに地図タブレットを使うと地図が表示されている。


「えー…」

「兄殿…」

「地図タブレットはお得だったわね。…フム。罠の有無までは表示されていない。もしかしたら偽装魔法をかけられているものには反応しないのかもね。まあ、完璧なイージーモードはちょっとつまらないから別に構わないけど。」

「登録石の在りかが表示されてます…ここやっぱりダンジョンだったんですね。」

「まずは登録しちゃいましょう。探索は後よ。」


まずは地図通りに進んで登録石に登録した。途中で敵が1体だけ出てきたけど、小動物型のスケルトンだった。【エンチャント・光】ですね。ドロップは肥料だった。馬鹿にしてんの?


「じゃあ、探索を始めましょう。ジゼルちゃんは皆の【エンチャント・光】キープね。ミーニャちゃん、罠の有無はよく見て。」

「はい。」

「わかったにゃ。」


私たちは警戒しながら探索を開始した。


「また罠だにゃ。」


ミーニャさんがツールで解除している。


「そっちの右の通路に行きましょう。」

「地図では行き止まりですが…」

「お宝の匂いがするの。」


なら行くけどね。進むと、犬型のゾンビがたむろってた。シータさんとイシュさんが切り捨てるとドロップに変わった。ドロップは肥料だった。


「驚きの肥料率。」

「農家が買ってくれるといいわね…あんまり期待できないけど。」

「通路は行き止まりだな。」

「ジゼルちゃん、【アンチマジック】」

「はい。」


通路に【アンチマジック】をかけると壁に窪みと宝箱が現れた。


「なんて言うか…トレジャーハンタースクロールも中々ズルかったな。」

「ふふ。」

「罠を解除するにゃ。」


ミーニャさんが宝箱の罠を解除して、お宝拝見。

ポイズンソード:斬った対象に毒を付与する闇属性の魔法剣。※呪われている。

エアクリーンスクロール:開いたものが【エアクリーン】を習得できる。効果は永続。ただし元の魔力が増幅される機能はない。使い捨て。※呪われている。

銀の靴:銀色の優美なハイヒール。この靴を履いた者は上手に踊れるようになる。※呪われている。

とりあえず全部に【アンチカース】をかけた。


「ポイズンソードと銀の靴は販売ね。エアクリーンスクロールはジゼルちゃん用。」

「ありがとうございます。」


【エアクリーン】も中々有用な魔術である。効果は対象の周囲の空気を清浄に保つ…である。有毒ガスの中もへっちゃら。どんな臭気もクリーンにしてくれる。私がどうしてこのスキルを今まで購入していなかったかというと…デメリットがあるのだ。「やや!?あちらの方から血の匂いが…!」みたいな匂いで探知するようなことが出来なくなってしまうのだ。微妙な感じのスキルなのでお金出してまで購入したいと思ってなかった。因みに使うと1回の効果持続時間は2時間である。

私はスクロールを開いて皆に【エアクリーン】をかけた。


「おお!腐ったような匂いがしなくなった。」

「索敵的には少し落ちることになるけど快適にゃ。」

「どんどん行くっす。」


1階層の目ぼしいところを見て回って宝箱が8個も出た。流石に新発見のダンジョン…そのうち1つはミーニャさんが罠解除をミスしてしまい罠状態を解除することが出来なくなり、諦めて打ち捨てた。ミーニャさんはかなり凹んでいたが、皆で元気づけた。因みに敵はほぼすべて死霊系である。小動物のゾンビやスケルトンが多かった。弱かった。


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