表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/70

第32話

翌朝、朝早くにお布団の中で目が覚めた。まあ予想してたけど全然記憶がない。イシュさんになんかまずいこと言ってないと良いけど。イシュさんとシータさんはお布団で眠っている。私は自分でお布団に入った記憶がないのだが、シータさんかイシュさんが運んでくれたのだろうか。そんなにたくさん飲まなかったようなので二日酔いの方は軽い頭痛がするくらい。【アイテム購入】で二日酔いの薬を購入して飲んだ。水も沢山飲んでおく。

静かに戸を開けてベルさんが帰ってきた。朝帰りである。


「お帰りなさい、ベルさん。」

「ただいま、ジゼルちゃん。早起きね。」


ベルさんが微笑んだ。


「昨日ちょっと早めに沈没してしまったので、早くに目が覚めたんです。」

「そう…。」


ベルさんは私の隣に腰掛けた。そして私に抱きついた。


「お兄さんは、今とっても甘やかしてほしい気分です。」

「…私で良ければ。」


ベルさんが私の首筋に顔を埋めてきたので頭を撫でる。甘えん坊のベルさんなんて可愛すぎる。キュンと来た。

近況をお話したらしいから、前の彼女さんと別れたこととか、パーティーが解散しちゃったこととかもお話したんだろう。悪い話だけではないだろうが良い話だけでもない。嫌なことだけだったかと言われればそうでもなくて、友達と会えば楽しかったのも事実だろうし。ただ、なんというか、本当に甘やかしてほしい気分なんだと思う。


「あー…癒されるわー…」


ふふっと笑った。ベルさんからは煙草の香りがする。


「ベルさんって煙草吸いましたっけ?」

「今は吸ってないわ。一時期試したこともあるけど、あんまり好きにはならなかったわね。健康にも良くないだろうからすっぱり止めたわ。今煙草の匂いがするのはアタシの友達が吸ってたから。もくもくもくもく、燻製にされてる気分だったわ。」


表現が何だかコミカルで少し笑えた。

ベルさんの角を唇でなぞる。


「また、悪戯して…」

「甘やかしてるんです。」

「ふふ。そういうことにしておきましょう。」


ベルさんを撫でて頭部にキスしてたっぷり甘やかしたが、ベルさんは少し眠たくなったらしい。


「ねえ、ジゼルちゃん。膝枕してくれない?」

「いいですよ。」


丁度良い高さになるように足を伸ばした。ベルさんが私の腿の上に頭を載せた。すぐに健やかな寝息が聞こえてくる。ベルさんの寝顔はすごく可愛かった。



***

「なんだかいいなあ。兄殿すごく健やかに眠ってる。」

「無邪気な寝顔っすね。」


起き出してきたシータさんとイシュさんがベルさんを眺めて話しかけてきた。ベルさんは周囲でシータさんたちがお喋りしててもぐっすりだ。シータさんたちは温泉で朝風呂してくるとのことだったので私はベルさんと二人きりで部屋に残った。

ベルさんはすやすや。私はベルさんの美しい顔を見ている分には全く飽きないので寝顔を楽しんでいる。

2時間ほどするとイシュさんが戻ってきた。


「ベルの兄貴まだ寝てるっす?」

「はい。」

「足痺れないっすか?」

「もう感覚ないです。」


多分痺れまくってると思うけど。


「ジゼルさん…昨日の話、シータさんには…」


イシュさんが何だかもごもごした。


「ごめんなさい。酔ってるときのお話でしょうか?私お酒飲むとすぐ記憶なくなっちゃうので、覚えてないです。シータさんに何か伝えておくお約束をしたとか…?」

「ち、違うっす!覚えてないならいいっす。」


イシュさんはなんだか安心したような顔をしている。何だろ。イシュさんとシータさんの話をした?どうしよう。すごい気になる。記憶無くすなんて勿体無い!!


「明日はジゼルさんの誕生日っすね。」

「はい。セールって毎年行うんでしょうか。ジョブを得てから2年間セールなんて行われたことないんですけど。」

「『金喰虫』なんて初めて聞くジョブだからよくわかんないことだらけっすよね。」

「ええ。毎年開いて欲しい。切に。」

「そっすね。」


1時間くらいイシュさんと談笑しているとシータさんが戻ってきた。


「兄殿はまだぐっすりか。」

「たまにはいいじゃないですか。」

「朝食が来たら流石に起こすぞ?」

「私は別に一食ぐらい抜いても…」

「ダメだ。きちんと食わねば兄殿も気を使ってしまう。無理はあまりしない方がいいんだ。」


そうなのかな?なら起こしちゃうけど。

食事が運ばれてくるころベルさんを起こした。


「有難う、ジゼルちゃん。よく眠れたわ。足痺れたでしょう?」

「…少し。」


ベルさんの頭が退いたので足を動かしてみると、無くなっていた感覚が戻ってきてジーンと痺れた。うあー…言葉にならない。しびしび。

ベルさんが困ったように笑った。


「ごめんなさいね。ジゼルちゃん。」

「いえ。私もたまにはいいなって思いました。」


ベルさんに額にキスされた。

3人で朝食を頂く。今日の朝食は昨日と打って変わって、生しらす丼だった。お米の上にもみのり、その上にたっぷりの生しらす。中央が窪ませられていて卵黄が載せられており、刻んだ万能ねぎが散らされている。お好みでおろし生姜を載せて、醤油を回しかけていただくらしい。付け合わせに茄子のお漬物と浅利のお味噌汁がついている。

生しらす丼は混ぜ混ぜして食べるらしく見た目はお上品ではないが、味は絶品だった。ねっとり甘い生しらすと濃厚な卵黄が合う~。夢中ではぐはぐ食べた。


「おいしー」

「幸せっす。」

「お替わりしちゃダメか?」

「もう1杯だけよ?」


シータさんはお替わりするつもりらしい。

本当に美味しかったー…歯を磨いた後みんなでまったり。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ