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第29話

ぱちりと目を開けると、目の前にベルさんの顔があった。思わずどきりとしてしまった。お布団並べて寝たから…ダンジョナーの体内ではテントで隣り合って寝る…なんてざらだったけど、襲撃に備えてずっとピリピリしてたから、あんまり色っぽい感想は持てなかったし。間近でまじまじと寝顔を見るとやっぱり美男子さんだなあ…格好良い。睫毛長い…ほんのりふっくらした唇がなんとも色っぽい。柔らかそう…キスしてみたいと思ったけど、まさかお付き合いしているわけでもない男性の唇を奪うわけにもいかない。うっとり見つめて、ほんの少しだけ指先で触れてみた。

ふにっ。

柔らかい…

ふにふに。

ぺろっ。

眠っていると思っていたベルさんはぱちりと目を開け、私の指先を舐めた。


「ご、ごめ…」


慌てて謝ろうとしたら頭を引き寄せられた。

ちゅっ。

可愛いリップ音を立てて唇を啄まれた。


「ご馳走様。」


クスリと笑われた。

う…うう…ファーストキスだったんですけど…すごい唇柔らかかったです…


「ふふ。初めてだった?」


こくりと頷く。


「花祭りの時言ったでしょう?おイタしてると食べられちゃうって。アタシとしてはもっとしてもらいたいけど。」


ベルさんが指でするりと私の唇を撫でて悪戯に微笑んだ。


「たっ…ぷり味わわせて?」


吐息が当たりそうなほど唇を近づけられる。ど、どうしよう…だ、ダメじゃないけど、良くもない…お付き合いしてない殿方に味わわれるのはちょっと…真っ赤になっておろおろしてると笑われた。


「冗談よ。」


何だ…冗談か…心臓に悪い。


「今は。」


今は!?い、いずれ本気で味わわれちゃうの?ど、どうしよう、どういう意味?ベ、ベルさん私のことどう思って…?うう。聞けない。恥かしいし怖い。


「シータも息まで止めなくていいわよ。」


シータさんがむくりと起き上がってばつの悪そうな顔をした。


「な、なんかすまん…。二人部屋で分けた方が良かったな。」

「馬鹿ね。そんな部屋割りして、ジゼルちゃんが翌日観光出来る身体でいられるわけないじゃない。」


あ、あう…


「兄殿ねちっこそうだものな。」

「うるさいわよ。」


ベルさんと…ああ~!!考えちゃダメ!想像しちゃダメ!顔から湯気出そう。身を起こして頬をぺちぺち叩いた。

ベルさんも起き上がった。


「イシュ君はぐっすりね。」

「気が緩んでるのだろうな。外敵もいないし。」

「シータが起こしてあげなさいよ。ジゼルちゃんと外出ててあげるから、色っぽく。」

「うーん…」


私はベルさんに連れられて外に出た。

今、部屋の中はストロベリー空間なのかな?


「イシュさんがシータさんのことどう思ってるかとか聞いてますか?」

「流石にイシュ君も本人の兄には言わないと思うわよ?まあ『美少女っすね』とは言ってたけど。好みだとか直接的な話は聞いたことないわね。」

「そうですか…」


イシュさんの脳味噌はあんまりピンクじゃないからな。私はすっかりピンク脳だけど。あー…キスしちゃったんだよねえ…悪戯してた私が悪いんだけど…キスしたいと思ったし、否はないんだけど、ベルさん私のことどう思ってるのかなあ…


「今日は朝食食べたら水着を買いに行って、そのまま海水浴ね。」

「はい。本当に泳げるんでしょうか?」

「まずは足のつくところで泳ぐ練習しましょうね。」


ベルさんが微笑んだ。

ベルさんと部屋の前でまったりしていたら中から「ぅふわぁっ!!!?」というイシュさんの悲鳴が聞こえてきた。


「……シータ、何やったのかしら?」


ベルさんと部屋の前で顔を見合わせた。

シータさんが困った顔で扉を開けた。中に入るとイシュさんが股間を押さえて真っ赤になっている。


「何やったの?」

「いや…ちょっと腰に跨って座って、頬を撫でただけだぞ?」

「…大胆ね。」


シータさん勇者…私そんなことする勇気ない。寝ているベルさんの腰に跨って座る…そんなおイタしたらどこまで食べられちゃうか予想もつかない。18禁展開?どう考えても誘ってるからギルティだよね。

イシュさんがシータさんのことどう思ってるかわからない時点でそれをやるのは蛮勇じゃないかと思うが。イシュさんの反応を見ると気のない女性に襲われる恐怖じゃなくて可愛い女の子の過ぎた据え膳と認識してくれたのではないかと思うけど。


「イシュ君、大丈夫?」

「ダメっす。美少女に欲情する豚死すべきっす。」

「シータ良かったわね。随分捨て身の戦法だけど、脈あったわよ。」


ベルさんがシータさんに振り返った。


「う…うむ。ちょっとやりすぎたのかな…と思わなくもない。正直すまんかった。」


今更ながらシータさんも照れている。


「とりあえず、朝風呂でもしてきましょうか?」

「そうだな。ジゼル、準備だ。」

「はい。」


着替えの準備をした。

朝風呂とっても気持ち良いです。お湯トロトロ~。お湯で皮膚をふやかして、ピカピカに磨き上げた。硫黄の匂いも良い匂い。すっごい安らぐ。身体中揉み解した。シータさんもまったり寛いでいる。


「朝風呂は堪らんな。優雅だ。」

「そうですね。安らぎます。寝汗も流せますし。」

「夏だものなあ。寝ている間に汗びっしょりになるんだよな。」

「【エアクール】は便利ですけど、2時間で効果きれちゃいますしね。」


たっぷり温泉を楽しんでサッパリして出てきた。お風呂上りにはもうイシュさんも立ち直っていた。

お風呂上りに朝食。鯵の塩焼きと、浅利のお味噌汁と、サラダと、白米。胡瓜のお漬物がついている。おいしー


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