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第21話

ベルさんが収納リングを得て以来、今までスルーしていた素材もバンバン収納して売り払っているので収入が右肩上がり。ついでにパーティーの息がぴったりになってきて28階層くらいまで降りられるようになってきた。頑張れば30階層まで降りられるかもしれないが、無理はしない。

いつも通りダンジョンのドロップ品および採取品を売り払っていると、リエッタさんに声をかけられた。


「ジゼルさん。お手紙が届いてますよ。」

「あ、有難うございます。」


手紙を見ると差出人は父だった。

「2年以上も手紙一つ寄こさないで、何をやっていたんだ、馬鹿娘。」と叱られた。ランディも実家に手紙を送っていないらしく、ランディのご両親から「パーティー解散?なんで?ランディはどうなったの?」と詰め寄られたらしい。パーティー解散の理由も書かなくちゃダメかなあ…ダンジョン探索中強敵に命を脅かされる機会があって、ランディはその際私を置いて逃げたからパーティーを解散した…なんてランディのご両親には言いにくいんだけど。ランディはそれほどお金に困っていなかったんだから、自分で手紙を送ればよかったのに。ランディのその後はよくわからない。時々ギルド併設の酒場の隅で一人でお酒を飲んでるのは見るけど。

とりあえずギルドに口座を開設したらしいので手始めに50万ギルほど送金しておいた。ランディとパーティーを解散した理由を手紙に書き記し、ランディのその後はよくわからないことを伝えておいた。

両親は元気でやってるらしい。相変わらず貧しいらしいが。手紙はお金に余裕があればこまめに送れと書かれていた。


「ベルさんたちもご両親にお手紙とか送ってますか?」

「勿論送ってるわよ。仕送りもしてるし。母はずっと『女の子らしい娘』を欲しがってたみたいだけど、去年弟が生まれたみたい。『我が子は勿論可愛いけれど、出来れば娘が欲しかった』って悔しがってたわ。弟が生まれたのは聞いたけど一度も顔見てないわねえ。そのうち里帰りもしたいけど。」

「マリーアネットシティでしたっけ?」

「ええ。まあまあ栄えてる温泉のある街として有名ね。両親も温泉宿を経営してるわ。シータが生まれた時は次代の女将か!?って両親も喜んだらしいけど、シータは全然女将は向いてなくてね。得たジョブも『剣士』だったし冒険者やってたアタシに託されたのよ。」


温泉街か。知識としては勿論知ってるけれど、温泉なんて、生まれてこの方入ったことないよ。マリーアネットシティは結構都会っぽいからなあ。うちなんて○○シティじゃなくて、ベネート村っていう寂れた農村だからな。ご近所皆貧しい感じで。中でもうちは特に酷かったけど。


「へえ。イシュさんは?」

「自分も手紙送ってるっすよ?自分こんな見た目してるから、父も母も心配性で。いつも『苛められてないか?』って心配してくるっす。今はすごく良い仲間が出来て毎日充実してる、って書いて送ってるっす。」

「そうですね。私もこのパーティーにいるとすごく幸せです。」

「嬉しいこと言ってくれるじゃないか。」


和気藹々のムードである。


「使えねえな!」

「うわーん!ママぁ~!!」


あ、ジャンさんが泣いた。『我が頭上に栄光を』の皆さんにダメな子呼ばわりされたようだ。そういう『我が頭上に栄光を』の皆さんも相変わらずFランクっぽいけど。


「あー。ジャン33回目の帰還っすね。」

「元々ああなのかしら?子育て方法が悪いのかしら?」

「後者っすね。それはもうべたべたに甘やかして育てたみたいなんで。」

「子育てはしっかりしなくてはならないということですね。」


齧れるほどぶっとい脛を備えてるなら、それはそれでいいんだろうけど。うちは無理だなー。私が脛齧ったりしたら両親が共倒れするわー。

薔薇の妖精の皆さんは睨み合いをしている様子だ。案の定パーティー内が泥沼。ツィーツェルタさんは相変わらず私に粉かけてくるけど、私の周囲の防衛ラインが厚くて助かってます。ツィーツェルタさんはその王子様っぷりを披露して着々とハーレムを拡大している。私はベルさんの方が格好良いと思うけどね。

ベルさんはその大人っぽい色香のある美貌で、見た女性はクラッとするらしいのだが、オネェ口調の喋りを聞いて皆さんさざ波のように引いていく模様。私的にはオネェ口調でもいいかなあって思うんだけど。性格が良くて優しいところも、頼りになるところも変わるわけでなし。


「『銀の匙』は今23~28階層を潜ってるんですよね?」


リエッタさんに聞かれた。


「そうよ?それがどうかした?」

「ええ。今25階層周辺の探索者に未帰還パーティーが多く出ているみたいなので、気をつけてください。」

「原因は?」

「不明です。1ヶ月くらい前からぽつぽつ未帰還パーティーが増え始めて。結構腕のいいパーティーもいたんですけど帰ってこないんですよ。」

「なんか怖いわね。」

「ええ。十分に気をつけて探索してください。」

「わかったわ。」


原因が不明ってところが怖いな。なんか恐ろしい魔物が出たのなら噂ぐらい出ると思うのに。



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