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第13話

シータさんが「旨い店を見つけた」と言って、私とベルさんを引っ張って行った。屋台かと思いきや、ちゃんとしたお店の中。路地裏の奥まったところにある隠れた名店風のお店。入ってみて随分変わったお店だと思った。まずテーブル?が4つしかない。それぞれ4人掛けだが、これでは大した客入りは見込めないだろう。そしてテーブルは、縁は普通のテーブルだが、中央部は少し窪んで鉄板になっている。そして鉄板の下には炉があり、火がともされ、鉄板を熱している。きっとこの大掛かりな鉄板を支える炉の管理が大変だからテーブル数が少ないのだと思う。


「ここは何のお店なのですか?」

「『もんじゃ焼き』だよ。お好み焼き屋の店主が教えてくれたのだ。自分たちで『もんじゃ』を焼きながら食べられる店があると。」

「もんじゃ…?」


4つのテーブルは全部埋まっていたので、しばし待つ。観察していると、どうも客たちは小さな金属のへらを使い、吐瀉物に酷似した生地を小さく鉄板に擦りつけ、カリカリになったところを食しているようだ。吐瀉物によく似ていて、あまり食欲をそそらない見た目をしているが、匂いは美味しそうだ。

一組の客が食べ終わって、店員が鉄板をきれいにする。私たちがその鉄板に案内された。


「色々あるが、『餅チーズもんじゃ』が旨い。ボクのお勧めだ。」


ではとりあえずシータさんのお勧めを食べることにした。店員が持ってきたのはやはり吐瀉物に酷似していて…


「本当にこれを食べるんですか?」

「見た目はちょっとアレだが、結構旨いぞ?熱々を食えるから満足感があるし。」


シータさんはまず具を鉄板の上で円形の土手にした。輪の真ん中の部分に残った汁っぽい生地を流し込んでちょっと焼く。


「なんだかよくわからない調理法ね。」


ベルさんも首を傾げている。


「火が通ってふつふつしてきたら平らにして焼いて、小さなへらで、生地を少しとって広げて押しつぶして、香ばしくなったのを剥がして食べるんだ。熱いから気をつけろよ?」


火が通ってふつふつしてきたので、平らにして焼いた。シータさんが真剣に焼き具合を見ている。


「そろそろ小分けにして食べていいぞ。」


シータさんのお許しが出たので、少量とって鉄板の自分の手前のスペースで広げて押しつぶして焦がして食べる。

ん…意外と香ばしくて美味しい。出汁がきちんと利いているし。これは焼きそば麺かな?焦がすとちょっとかりっとする。野菜もキャベツやもやしがたっぷり。チーズもトローンとしていて美味しい。餅も柔らかくなっている。


「意外と美味しいわね。」

「そうですね。見た目の割に…」

「そうだろう?そうだろう?」


ちまちま焼くので割と少量で満腹感を錯覚させる食べ物だ。3人で餅チーズもんじゃを食べ終わった後、切りイカと小エビのもんじゃを注文した。イカも海老も乾燥させて加工されたもので、別に海辺ではないこの土地でも手に入るのだそうだ。切りイカはかんなで薄く削ったするめのような食品と説明を受けたが、私は生憎するめを食べたことがない。こっちのもんじゃも味わい深い。じわじわと美味しい。


「熱々で癖になる。けど食べるのに時間がかかります。」

「そうねえ…大した量食べてるわけでもないのにね。」


最後はオーソドックスに豚肉キャベツのもんじゃである。普通に美味しい。比べてみるとやはり餅チーズが美味しかったように思う。


「もうお腹いっぱいです。」

「そうね。アタシもそろそろ…」


ベルさんもお腹をさすっている。


「それは残念。少し腹ごなしに歩くか。」

「シータの場合、食べ歩きなんでしょ?」

「そうともいう。初日に食べた肉串が中々お気に入りでね。」

「あれ、すごいボリュームでしたよね。」



炭火で焼いていて香ばしいし、タレも甘じょっぱくて肉に合うんだけど、肉のボリュームが…串がまず50cmくらいある。そのうち40cmくらいまでみっちり分厚い肉の塊が刺さっているのだ。それはもうお腹がはち切れんばかり。焼き加減もレアで味は美味しいんだけど。因みに割といいお値段する。

シータさんは人一倍もんじゃ焼きを食べたうえで美味しそうに肉串を頬張っていた。


「やっぱり肉は美味しいよ。」

「良かったですね。」


気持ちの良い食べっぷりである。


「主食を食べたら、デザートだよな?」


シータさんは揚げて砂糖をまぶしたドーナツや、ジャムを挟んだパンケーキなどを食していた。よく食べるなあ…

私とベルさんは桜を見ながらお喋り。


「そういえば、ジゼルちゃんの【アイテム購入】だと食品は何の器に入って出てくるの?」

「木製の器に入って出てくるみたいです。別の器に変えたいときは別料金がかかります。」

「別の器…グラタンを頼みたいときに陶器の器にするとか、そういう感じかしら?」

「多分。」


まだ購入したことないからわかんないけど。


「もんじゃは再現されるのかしら?」

「さあ?焼きながら食べるもんじゃが再現されたら驚きですよね。」



***

結果から言って『もんじゃ焼き』は購入できるようだ。正確に言えばもんじゃ焼きの種と、別売りの鉄板焼き用鉄板テーブル。鉄板焼き用鉄板テーブルは高いし、場所も取る。火の方も自分で管理しなくてはならないので、売られてはいるが、あまり現実的ではない。薪も別売りだし。ちゃんとお店で食べなさいってことだね。


食べたかったから書いただけ。みんながわいわいしているところが書きたかった。

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