初めての狩り
狩場の場所は分からなかったので、門衛に訊いた。すぐそばの丘に弱い敵の出る地帯があるそうで、俺たちはそこで狩りをすることになった。出てくるモンスターは、見たところ四種類である。スライム、ゴブリン、ウルフ、バグベアーだ。
「うわーっ」
俺は逃げていた。後ろからはウルフが突進してくる。先ほどまでスライムやゴブリンを退治して調子に乗っていたのだが、ウルフの攻撃力は高かった。それにスピードが速い。一発もらうだけで4のダメージがある。これではもう3発食らったらおしまいだ。戦闘でライフポイントを消費し、今は9しか残っていなかった。
「狩場から出るわよ」
クーニャンの言葉を信じて丘を降りる。狩場を出ると、ウルフは追いかけてこなかった。どうやらあきらめたらしい。
「あんたって、本当にしょうもないわね」
「う、うるさいな。レベル3なんだから仕方ないだろ」
俺のレベルはまた1上がっていた。
「とりあえず、今日はスライムとゴブリンしか相手にしないことね。ウルフやバグベアーにはまだ勝てないわ」
「そうだな」
俺はがっくりとした。自分の弱さが情けない。
「私がメルを拾ってくるから、ここで休憩してなさい」
そう言って、クーニャン狩場の方へと飛んで行く。モンスターを倒すと、ドロップ品やメルが落ちるようだ。この世界の通貨はメルと言うらしい。俺はもう30メルを稼いでいた。
それから、この日は5レベルになるまで、休憩と狩りを繰り返した。休憩をするとライフポイントが回復する。そしてこれは後で知ったことだが、マジックポイントも回復するようだ。持っていた懐中時計を見ると、もうすぐ午後の6時である。俺は疲れた体をひきずって宿屋へと帰還した。そこでは、美味しい食事が待っていた。
それから、数日が過ぎる。