始まりの村へ
道すがら、クーニャンに色々と訊くことができた。俺のステータスについてだ。
俺のステータスはこのようである。
レベル2
ライフポイント、28。キングベアーとの戦闘ダメージにより、残り12。
マジックポイント、12。
力、11。
俊敏。5。
防御力。32。
知力、28。
命中力。15。
運、21。
覚えている魔法、無し。
覚えているアビリティ、神様のプレゼント。
以上である。
俺は神様のプレゼントについて、クーニャンに訊いた。
「それは私も分からない」
彼女は左手を顎につけた。
「何でだ?」
「神様のプレゼントなんて初めて聞く名前だな。使ってみれば分かるんじゃない?」
「そうか」
「それより、レベルが上がるごとにスキルポイントを10触れるけど、何に振る?」
「それは、まだ何に振ったらいいか分からないな」
「オウカは防御力が一番高いんだから。防御力に全振りするのが良いと、私は思うけど」
「いや、取っておいてくれ。後で決める」
「ふーん。分かった」
そんな会話をしながら、俺たちはモモの住む村を目指す。それまで黙っていた彼女が口を開いた。
「オウカさんは、妖精付き様ですね」
「妖精付き?」
俺たちは木々の合間を抜けていく。太陽が傾き始めていた。
「妖精を連れている人間のことです」
「まあ、妖精を連れてはいるが」
「凄いです。きっと、この世界を闇から救ってくれる勇者様です」
「この世界は闇に覆われているのか?」
「はい。魔王、その名は口にするのも恐ろしいです」
「ふーん。ちなみに、妖精付きの人間は、たくさんいるのか?」
森を抜けた。村の門の囲いが見える。
「たまにいます」
「なるほどなあ」
「森を抜けました」
モモが言った。
「オウカ様は、今日泊まる場所を決めていらっしゃいますか?」
彼女は前にくるっと回り、両手を背中に組む。
「それが、まだなんだ」
「では、牡鹿の角亭へ行くと良いでしょう」
「じ、実は、金も持ってないんだ」
「なるほど。ふんふん、私がお貸ししましょう」
「それは助かる」
「それでは、ついてきてくださいなあ」
俺たちは村の中へと向かった。門の前に看板があった。村の名前は、プートゲールと言うようだ。