弁償
続きです。
「ではな」
カイナはそう言って去って行った。
「またね」
メルディーは皆に投げキッスをくれた。
俺たちは再び食堂へ集まっていた。テーブルに腰かけている。爺さんもいた。
「で、これからどうする?」
ルルアが両腕を組んでいた。これからの行動は、皆で相談して決めなければいけない。
「グランバルムへ向かう、でいいんじゃないか?」
俺はそれ以外に進むあてが無かった。
「でも、壊された民家は、どうしましょう。皆さん、メルの貯えがあるとは思えません」
モモが心配そうに眉を寄せた。民家はガシャラが壊したのではなく、俺が壊したのである。
「弁償してから行くか」
「いくらかかると思ってるんだ?」
ルルアが右手で眉間をつまむ。
「いくらするんだ?」
「五十万メルはするだろうな」
「わしが払おう」
爺さんが言った。
「いいんですか?」
「何を言うか、わしはこの目でしかと見た。お前があの怪物を倒してくれなければ、被害は甚大だったろう。村が消えていたかもしれん」
「あ、あの~、お爺様? うちには50万メルもの蓄えはありませんが」
「ふむ、待っておれ」
爺さんは椅子から立ち上がり、厨房の方へと歩いて行った。
クーニャンが俺の肩に座っており、足をぶらんぶらんさせる。
「皆、逃げるが勝ちって言葉、知らないの?」
「お前は悪人か!」
爺さんが戻ってくる。両手に包丁のようなものを持っている。
「これを売ろう」
「お爺様、それは」
「ガッグフォルン製の包丁だ。飾りだが、1000万メルほどの価値はある」
「家の、宝じゃねえか」
「わしはこの通り、死に行く身じゃ。宝なぞ抱えていても、どうしようもない。それより、他人の家に飾っておいてもらった方が、この包丁も喜ぶというもんだ。はっは」
「待ってくれ、爺さん」
俺は手の平を掲げた。
「どうした」
「50万メルぐらい。稼いでいくよ。ちょうど、モンスター退治をする必要があったんだ」
ルルアとモモのレベル上げためである。
「モンスターばかり倒して、何日かかると思っておる?」
「まあ、一か月くらいかな~」
クーニャンが両手を頭の後ろに組んだ。
「一か月ぐらいなら何とか」
モモが同意する。
「まあ、仕方ねーか」
「お前たち、いいのか?」
「爺さんにも、約束を果たしてもらいたいしな」
「約束?」
爺さんがこちらに視線を向ける。
「地主を倒したら、腹いっぱいメシを食わせてくれるって、言ったよな」
「あ、ああそうじゃった」
「よし。それじゃあ皆、今日から狩りに行くぞ」
俺は言った。
「朝はあたしが稽古をつけてやるぞ」
ルルアが乗り気だった。
「私は、魔法の勉強をします」
モモがロッドを手に取った。
「私は、何をすればいいの?」
クーニャンが回りを見回した。
「寝てろ」
ルルアがつぶやく。
「ひど、この女ひどっ、オウカ、やっつけて」
周囲に笑いがこぼれる。
そして、こうしてプートゲールの村でのイベントは終了したのだった。村を出るのはもう少し先になるが、それも悪くないだろう。俺たちは、自分の強さの磨いていた。これからもっと強い敵に出くわすことになるだろうから。
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さてさて、この小説もついにエピソード1が終わりました。明日からエピソード2になります。
エピソード1はどうでしたでしょうか。読者様、楽しんでいただけましたか? それとも、きりがいいということで続きを読むのはやめにしよう、そんな気分でしょうか。どちらであれ、読んでくれてありがとうございます。
エピソード2ですが。現在執筆中です。そろそろ書き溜めが無くなってきて、ライブ小説になりそうな雰囲気があります。でも、それでも良いと思います。
エピソード2では何が起こるのか。楽しみですね。私もプロットをあまり書いてないので、何が起こるか分かりません></
せめてエピローグという名のゴール地点、目的地だけは決めておくことにします。それではまたお会いしてください。またです。




