最初のボス
続きです。
ルルアとモモが外に出てきた。ルルアは剣を二つ持っており、俺にロングソードを渡す。
「オウカ、忘れもんだ」
「すまん、ありがとう」
俺はロングソードを握る。本当は盾も欲しいが、贅沢は言ってられない。
「あれ、お前あの時の」
ルルアがカイナを見て、瞳を大きくした。
「誰だ?」
カイナは俺を見る。
「覆面の一人だ」
「なるほど」
カイナは魔物に顔を向けた。
「目を狙うぞ」
彼は言って、ガシャラに向かって駆けて行く。安直だが、皮膚よりも目のほうが柔らかいかもしれない。そして視界をつぶせば、撃退はやりやすくなる。
「馬鹿ね」
クーニャンが口を曲げた。
「どうしてだ?」
俺は訊く。
「魔物って言うのは、魔力で地形や物体を認知できるのよ。強い魔物ほどその傾向は強いわ。目をつぶしたって、どうしようもない。
「ならどうする?」
「足よ」
「足?」
「前足を二つとも落として歩けなくするの」
「そうか」
俺はルルアとモモに声をかける。
「聞いたか?」
「分かったけど」
ルルアが鼻白む。
「あの魔物の太い足を切れるかなあ」
「私が魔法で」
モモがロッドを地面に立てた。そして唱える。
「アイシングランス」
空気中の水分が氷結し、六つの槍ができる。槍はグシャラの左足に向かって飛んで行った。ざくざくとささる。
「ぐおおおお!」
グシャラが左足を上げて、痛そうに体を右に傾けた。ガシャラの顔の上で格闘していたカイナが民家の屋根に飛び移る。
「なんだ、行けるじゃないか」
ルルアが飛び出していく。
「おい待て」
俺は彼女の後を追った。
ガシャラが大きく息を吸い込む。そして火のブレスを吐いた。火炎の大波が俺たちを襲う。
「なっ!」
ルルアは立ち止まって、地面に伏せた。俺はルルアの上に覆いかぶさり、唱える。
「オーラバースト!」
周囲の空間が大きく炸裂した。民家の屋台骨がはじけて崩れ落ちる。
火炎のブレスは吹き飛んでいた。そしてオーラバーストをくらったガシャラは、下あごが大きくえぐられていた。おびただしい血が流れている。
「ぐおおおおおおお!」
ガシャラが痛そうな声をあげる。
「ルルア、行くぞ」
「お、おう」
俺たちはまた走り出していた。民家の屋根からはカイナがガシャラの顔に飛び乗っている。後ろからまた氷の槍が飛んできた。モモがアイシングランスを唱えたのだろう。槍は右足にささり、血が噴出する。
「ぐお、ぐおおお!」
もう少しだ。
ルルアがジャンプし、口の上から下へと突き刺す。クジャラの口が閉じた。
俺は大地を大きく蹴った。両手で剣を振りかぶり、グシャラの頭を切りつける。
ズバーン。
俺の頭上で軽快な音が響いた。クリティカルである。グシャラの皮膚を貫通し、紫色の肉が丸見えになる。俺は右手の平を伸ばした。
「ハイバースト!」
ガジャラの頭が破裂した。
きりがいいので、今日はもう一つ更新します。




