ふわふわのパンケーキ
パンケーキうまぁ…(´~`)モグモグ
今回、モモンガもどきの作品中異例すぎるほどの短編です。
みじかっ!?
でもなんか気に入ったので投稿♪
ほっこりな暇つぶしに宜しければ。
「あーあ、また失敗。」
平たく横に広がった生地。
これでキャベツとか入っていたら確実にお好み焼きのそれとそっくりだ。
彼が作ってくれたのは、
ちゃんとふわふわで、甘く、可愛らしい形をしていたのに…
出来損ないのパンケーキ。
それを適当にナイフで切り分けて口に含む。
…うん、パンケーキ。
可もなく、不可もなくパンケーキの味しかしない。
あの時食べたパンケーキはなぜかもっと甘くて、美味しくて、幸せな味がしていたはずなのに…
いったい何が違ったんだろう?
そんなことを思いながら、そっと、
あの日の記憶へと想いを馳せる。
『魔法をかけましたから。貴方が幸せになれるような。』
そう言ってウィンクをした彼の、チャーミングな笑顔が蘇るたび、
なんだか甘い痺れが全身に広がる。
行きずりの人。
その日、あの1日だけの関係だった。
なのに、なんでこんなにもあの日の面影を探してしまうのだろう?
あぁ…
たぶん、きっと…
私はあの日、恋をした。
2度と出会わないであろう貴方に。
甘く、儚く、残酷な貴方との思い出はパンケーキと共にずっと生きる。
「次はちゃんと焼けるといいな。」
ふわふわで、甘く、記憶に残るようなパンケーキ。
そして、それができるのはきっと、
私の失恋の時。