着任3
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前回の着任2は一部を書き直しました。
海馬艦長の案内で長門の艦内を見て回った。
艦橋、機関室、艦載機格納庫、戦闘指揮所(CIC)等々。
格納庫を見た際、搭載機も確認できた。
忠実の長門型には水偵が三機搭載されていたが、この世界では存在しない機体が置かれていた。
92式艦上偵察機「海鷲」。この世界オリジナル機。
機体の特徴は垂直離着艦が可能であること。
ティルトモーターを採用した偵察機であり、水上機の代わり戦艦や巡洋艦に搭載されている。
さらに航空戦艦として建造された伊勢型には戦闘機型の90式艦上戦闘機が搭載されている。
空母にも搭載しようとしたがティルトモーターはコストが高く、整備性も悪く、空母搭載どころか陸上配備は練習機を除いて見送られることとなった。
さらに開発中はオスプレイと同様に事故が多発し、開発中止が何度も叫ばれたがなんとか配備されることもなった。
さらに長門に搭載できたのは史実より全長を伸ばし第三砲塔と後部艦橋の間に離着艦ようのスペースを作ったからである。
こんな余談はどうでもいいが、今ある部屋の前で上城長官と女性士官が言い合っていた。
「だから、俺はこの戦隊司令長官なの。この中も見回りたいから入れさせろ」
上城長官は扉の前に立つ無表情の女性に退くよう言うが、彼女は
「何度も申し上げますが誰であろうとこの部屋には関係者以外は立ち入りが禁じられています」
と拒否。
「いやこっちは長官だってのッ十分関係者だろッ」
「長官であっても関係者以外は立ち入りできません」
この繰り返しである。
上城長官の後ろに立つ笹野参謀ははぁとため息をして眼鏡を掛け直すと隣に立つ海馬艦長に
「彼女はどなたです?」
と聞いてみた。
「彼女はこの部屋を任された者です。本名が秘匿とされているので我々はナガト技術中尉と呼んでいます」
「技術中尉ですか。と言うことはここに入れるのは彼女のみですね?」
目の前の頑丈な扉の横には電子機器室、つまりコンピューター室と書かれた標識が掛けられていた。
「はい、技術研究所の職員以外でここに入れるのはナガト技術中尉のみです」
「なるほど。でもなぜ本名が秘匿なのでしょうか?」
「私に聞かれても・・・・・」
返答に困る海馬艦長。
「もういいッ次行こう、次ッ」
決着が見えないと判断したのか、上城長官は諦めて次の場所へと歩き始め、慌てて追いかける笹野参謀と海馬艦長。
それを見送ったナガト技術中尉は電子機器室の扉を開いて中へと入っていった。
ナガト技術中尉のイメージに近いのは艦これの摩耶を無口無表情にしたような感じです。
戦艦長門と呼び名が同じなので分けるためカタカナで表示します。
笹野参謀は艦これの鳥海に近いです。
書き忘れていましたが眼鏡を着けています。