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新大日本皇国   作者: 茶太郎
2/25

着任1

遅くなりました。

西暦1934年、呉鎮守府。

巨大な泊地には数多くの軍艦が停泊している。その中でも視線が集まる二隻の軍艦があった。

大日本皇国が誇る戦艦、史実ではビック7と呼ばれた「長門」「陸奥」である。

その長門へ向かう内火艇が一隻あった。

内火艇には白い海軍制服を着込む一人の青年将校が近づく長門を見て


「やっぱりデカいなッ長門は!!」


と叫んだ。

彼の名は上城慶次(かみしろけいじ) 階級は海軍少将。

異例の速さで昇進し、本日から長門、陸奥からなる第二戦隊司令長官となる。

着任前は巡洋艦からなる戦隊司令をしていたが功績により本日から第二戦隊司令長官をすることになった。


「長官、子供でないのですから落ち着いてください」


そう言うのは世界では珍しいが今の日本では珍しくもない若い女性将校で上城の参謀である笹野光(ささのみつる)である。


「仕方がないだろ。おっ、あれは天城型空母の天城と赤城かな?できれば四隻勢揃いで見たかった」


さらに興奮する上城に笹野はため息をついて頭に手を当てた。


「少し前なら八八艦隊計画の艦全てが揃っていたのですが、長門、陸奥だけでも壮観ですよ」


内火艇を操作している水兵も興奮気味で言う。

現在この他の戦艦は観艦式のために横須賀にいる。

長門、陸奥は大規模改造のためにドック入りしていたので観艦式に出られなかった。

史実と異なり八八艦隊計画は戦艦八隻、空母八隻を建造することになっていた。

戦艦[長門][陸奥]

長門型の強化型である[加賀][土佐]

41センチ四連装砲四基搭載する[紀伊][尾張]

46センチ連装砲五基搭載する[駿河][近江]

空母[天城][赤城][葛城][岩城]

まだ建造中だった装甲空母4隻。

この全てを保有しようとしていることを知った列強国は海軍増強に走り新たな建造競争を生んだ。

日本でも他国に追い付かれないように51センチ砲搭載艦を含めて建造を計画していた。

だがこのままでは経済揺るがしかねない。そこでワシントン軍縮条約を締結。

史実より多くの排水量となったが建造競争を止めることはできた。

しかしこの軍縮条約には軍人や民間人に至るまで多くの反対が出ている。

ロンドン軍縮条約が締結するとデモが何度も行われる。


「空母葛城、岩城は今中国戦線に送られていますからね」


水兵が言うと「それはそうだけどな」と上城はガッカリした。

この世界の日本、大日本皇国は忠実と同様に1932年に日本と中華民国は戦争状態に突入した。

始まりはさらに一年前の1931年、日本が日清戦争で手に入れた満州地方と中華民国の国境線で戦闘が起こった。

突如満州地方の部隊が中華民国に攻撃を仕掛けたのだ。

この攻撃に中華民国政府は日本に謝罪と賠償、満州地方の返還、部隊全員の身柄引き渡しを要求した。

しかし、日本側は当時戦闘が行われた近辺には部隊を置いていなかった。何度も確認しても攻撃した部隊などいない。

日本は中華民国の自作自演ではないのかと反論。

二国は討論となり国際連盟の調査を受け入れることにした。

日本は無実であることを証明するためあらゆる資料を提出したが調査団の結果は日本が攻撃したと発表。

その理由が現場にあった武器、弾薬が日本規格のモノだったからだ。

日本は再度調べるが盗まれた様子はなく、弾薬もデータ通りに揃っていた。

つまりあの戦闘で使われた武器弾薬は一体何処から出てきたのか全くわからない。

国際連盟は日本に対して中華民国が要求する満州地方の返還、謝罪と賠償を支払うよう命令。日本はもちろん拒否。

その後日本はABC包囲網が敷かれ経済制裁を受けることとなった。(辛うじてオランダとの貿易はできた)

中華民国政府は謝罪も賠償もしない日本にしびれを切らせて満州地方を力ずくで取り戻すとして共産党と国共合作を行い日本に宣戦布告。日中戦争か勃発した。

日本は情報機関[天照]によりこれを予期していたのですぐに反撃、少し中華民国内に進軍後防衛線を構築して守りを固めた。

あくまで日本はこの戦争を自衛戦争にするために。

現在は上海なども制圧しその防空のため空母葛城、岩城がその任に着いている。

第三国を通じて休戦、講和を申し出ているがことごとく無視されているので史実のように泥沼化しないかと危惧されている。

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